おや、様子がおかしいぞ…
ミトサンがさや先輩を連れて出て、オフィスは静寂に包まれた。
「今日は遅れて申し訳ありませんでした、午後からよろしくお願いします。」
高橋先輩が緊張した顔で頭を下げた。
えっ、どうした?なにかあったの?!最近礼儀のれの字も忘れてるのかと思ってたよ!みんなどう反応していいかわからない感じである。
「少しですが、お土産を買ってきたので…鈴木さん午後でかまわないから悪いけどみんなに配布してもらってもいいですか?」
敬語使われた!!
「えっ、あっ、はい。承りました。」
とりあえず土産が入った紙袋を受け取る。高橋先輩はペコリと頭を下げ、自分の席に向かう。
「高橋、仕事のことだけどさ…」
はっとした水海道先輩がその後を追う。そして説明をしてあげている。優しいな、水海道先輩。
まぁ、高橋先輩がちゃんとした…してるのか…?まぁ、疑問は残るけど富久山たちに比べたらとてもまともなように見えるので、とりあえず普通に対応しようって思ったのかな?
あ、ちなみに富久山と樋口部長は昼御飯食べに消えた。
「まったく…なんなんだ…急に…」とぶつぶつ言い始めた樋口部長に、「なんかお腹すいたぁ~」と富久山が言ったためだ。
あらら、高橋先輩ハブられてる。
「まさかの樋口部長の怒鳴りと、水卜さんの登場で修羅場になるかと思った…」
ぽつりと那珂先輩が呟く。それな!本当にそれな!!
「完全に同意ですよ、那珂先輩。
でも社長のお誘いがなければ修羅場に…いや、ならない。
那珂先輩、だってさや先輩居ますもん。変にバチバチすればさや先輩気にしちゃうから…ミトサンは確実に見えないようにじわじわと追い詰め確実に滅ぼすタイプですよ!!」
「それは俺も思います!鈴木先輩!!」
「丹波は分かってくれるとおもったよ!そしてよくやった!お礼に社食のラーメンおごっちゃる!」
「えっ、まじでですか!!わーい!!わーーい!!!」
ラーメンひとつで飛び上がって喜ぶ成人男性な丹波…ちょっとどうなのかなぁ?
あと、その喜び様…お前…まさか今月も金欠なの?
「じゃあ、俺は塩ラーメンおごるな。」
「ふふ、二杯でも余裕っすよ!俺は!」
何故かドヤ顔の丹波。意味わからん。
「じゃあ、俺はもやし味噌ラーメンおごるね。」
松本先輩も参戦したのだった。