あなたからの卒業。
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なんとか今朝は更新できました。
素敵な1日でありますように。
「樋口部長、報告があります。」
そんな空気の中、さや先輩が険しい顔で声を掛ける。
「なんだ、穂積…」
嫌そうに眉をしかめて尋ねる樋口部長…おおい、ちょっとその態度酷くない?!?
てか、さや先輩!!顔!!多分、結婚する事報告しようとしてるんだろうけど、顔険しすぎるよ!!!
「今週末に入籍しますので、これから手続き等で…」
「はぁ?!
この時期に入籍?!なに考えているんだ!来月は中間決算だぞ!!!」
最後まで話を聞かずに怒鳴る樋口部長。え、なんで怒鳴る!!?
「周りの迷惑も考えろ!!
社会人として無責任なことをするとはどういう神経してるんだ!!」
しーん…とオフィスは沈黙に包まれた。
なに言ってんの?この人……………
「…あの、私は辞めな…」
「どういう神経してるかはこっちのせりふですよ!!!!」
勘違いに気付いたさや先輩が言うより速く被せるように言い返したのは、なんと丹波だった。
「穂積さんにまずおめでとうって言うのが筋じゃないんですか!!?
中間決算時期に入籍しちゃいけない訳でもあるんですか!!?
誰と結婚するかも聞かないで周りの人間の迷惑も考えろとかおかしいですよ!!
だいたい穂積さんが迷惑かけられるのはあってもかけたことなんて無いですよ!!」
さや先輩を背にして守るように前に立つ丹波。
ん?んん?樋口部長、さや先輩がもしや辞めると思ってるの…?
そんなことを一言もいってないのに…
あー、さや先輩が居ないと大変っていう自覚はあるんですね。
さすがに。
「それは…」
多分ないだろが!!!と心の中で突っ込みを入れる。樋口部長は暫し考え、口を閉じた。
やっぱないんだな。すごいよ、さや先輩…!!!
素敵すぎる!!!好きっ!!!
「樋口部長、私辞めませんので。
入籍に伴う手続き等で休みをもらったり、早く上がる事があると思うのでご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。」
笑顔もなく、淡々と言うさや先輩。
うん、結婚報告する顔じゃないですよ、さや先輩。言いたくないんですね。分かりますけど、その顔はちょっと…
「えっ、穂積さん結婚するんですか?本当に?!!冗談ではなく?!」
おおい、富久山!!!失礼にもほどがあるぞ、ごらぁ!!!!
なに信じられないようなもの見る目でさや先輩見てんじゃい!!目を潰すぞ。
なにか?
さや先輩が結婚できないとか思ってたのかお前!!
もうね、私が男なら嫁にしたいこと間違いなしだったのに!!!
毎日さや先輩のごはんが食べたい!!!
「潤、失礼だよ。
…その、穂積さん、おめでとうございます。」
なんか高橋先輩がまともな反応した?!
えっ、どうした?どこか悪いところでもあるの?っていうくらい驚きなんですけど…!
「…その、なるべく迷惑をかけないよう仕事をしていきますのでこれからもご指導お願いします。」
そう言って頭を下げる高橋先輩。
わー、びっくり!!なんか、どうした?って思うくらいの概ねまともな対応なのかな…?
樋口部長と富久山がひどすぎて分かんないや。
「えっと、ありがとう。
そうね、そろそろ高橋君も私を挟まず仕事をしていきましょうか。」
苦笑いで返すさや先輩。
うん、独り立ちの時だね、高橋先輩。
うーむ、もしや富久山と樋口部長がくっついて…正気になりかけてたりする感じなのかな…?