瓢箪から駒。
「丹波君、のませたら危ない子ね。
あの調子で樋口部長になめた口きいたら大変なことになるわね。」
「その辺はミトサンが調教してくれる事を祈りましょう!」
「調教…」
「ええ。調教です。」
暫しの沈黙の後、さや先輩は言った。
「ミト丹…か。」
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無事ドラックストアでナナ先輩指令のワンコイン以下で買えるプチプラ化粧品をゲットした私達は、小洒落たカフェでお茶とケーキを堪能している。
するとグループトークで連絡が回ってきた。
既読しないように気を付けながら内容をチェックする。
俺様樋口部長がみんなを迎えに行くから住む場所か拾ってほしいポイントを申告しろということらしい。
「うわぁ…部長と富久山の中間地点なんですけど私…」
少しでも二人きりで居たい樋口部長にとってお邪魔虫に違いない。
万が一、富久山と樋口部長が甘酸っぱい恋のトキメキやイチャイチャムードになったらいたたまれなすぎる。
富久山の次は高橋先輩だし。居心地悪すぎる…
そんな感じの話をさや先輩にすると、
「じゃあ、金曜の夜と土曜日の夜に私のとこに泊まって一緒に行くことにする?」
と言ってくれた。
お泊まり!
初のさや先輩のお家である。わくわくが止まらない!!
「良いんですか?!
ぜひともお願いしますっ」
先程の丹波の失礼な発言はすっかり流れた。
早速、グループトークを開きその旨を送ってくれるさや先輩。
なんかお礼をしようと固く誓うのだった。
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「ただいまー」
誰もいない部屋に帰宅する。
今日は色々あったが楽しかった。さや先輩のお家にお泊まりできるのが嬉しくて仕方ない。
自分の部屋を見回して、私は思った。
掃除しよ…
万が一、次は千佳ちゃんのお家に行きたいな!と言われたときに狼狽えないために…
「コツコツ頑張ろう…」
夕飯に親子丼買って来ているので、それを楽しみに頑張ることにした。
とりあえずは洗濯かなぁ…日が出ているうちにやりきるぞと誓うのだった。




