おめでとう!
その後すぐに、大神課長と那珂先輩が戻ってきた。
「おはよう、みんな…………聞いたかね?」
大神課長の問いにみんな頷く。
「まさか水卜君とは思わずね…
騙されているんじゃないかと疑ってしまったよ。」
照れくさそうに言う大神課長。その気持ち、分かるわー!!
「穂積さんが騙されてると思った人~」
水海道先輩の問い掛けに我々後輩ズは手をあげた。
水海道先輩が頷くと、我々もうんうんと頷き返す。心はひとつである!
「大神課長だけじゃないですよ。」
優しい笑みで水海道先輩が言う。それな!
ほんとーに、それな!!
ちなみにさや先輩は給湯室に大神課長のリクエストであったかい紅茶を淹れに行っているのでここにはいない。
「営業でも吊し上げられてましたね、なんか行ったら…」
ちょいまち、何があったっていうの?!
「えっ那珂先輩、それってどういう…?」
那珂先輩に問い掛けると、眼鏡をくいっとあげながら教えてくれた。
「よその部署のお嬢さんなにたぶらかしてんじゃ!的な感じだったと思うぞ…
水卜さんの人としての信頼感が行方不明だった。」
ミトサーン!!!
自分のとこのメンバーにもそう思われているのですか!?納得しかないっすよ!!!
「あー納得でさぁ…仕事面ではそりゃー頼りになって信頼もしてますけど…
ミトサン、私人としてはなんだろ…ヤンデレ化しそうな感じしかしない…とにかく扱い大変そうですもん。」
「鈴木と丹波がおっかないって言ってた意味がなんとなくわかったような気がするよ。」
ふふ、ミトサンの恐ろしさ分かってもらえたようでなによりです。
「それはなんとなく、俺も察したかなぁ…」
松本先輩も苦笑する。
わーい、理解者増えたよー(笑)
「そして、樋口部長の穂積さんに対する態度やコメント余すことなく伝えるように頼まれたよ。」
「なんか樋口部長は暴言吐きそうな予感しかしない!」
「ふざけたこと抜かしたら潰すって言ってたぞ。
一言、低音で『潰す』…しかも笑顔で…自分が言われた訳じゃないのに震えがきたな。」
シーン…と沈黙が訪れた。
それは…宣戦布告というやつじゃなかろうか…?
「さすがミトやん…
まぁ、でも穂積さん全力で守ってくれそうで安心した。」
「穂積さん、自分のことは本当におろそかにしますものね…」
「ある意味、丁度良いのかねぇ…?」
うーん、まぁ、そうなのかなぁ…?




