祝福が全てとはいわないけど概ね洗い流す。
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寒くて布団から出られません…
おーしいくぞー!って何度気合いを入れれば飛び出せるのだろうか…
真冬はどうなってしまうのだろう(;・ω・)
「あら…おはようございます。」
怒りゲージがマックスになりかけたオフィスにさや先輩の柔らかな声が響く。
笑顔で挨拶するさや先輩が今日は何時もの二割増しくらいで輝いて見える。地獄に仏だな。女神だな。
「…おはようございます。」
「おはよう、穂積さん。」
固いけどとりあえず笑顔で松本先輩と水海道先輩が挨拶を返す。
「さや先輩、おはようございます!
今日はちょっと早く来たんですが、さや先輩達の方が早かったですね~」
「ふふふ、早く来れてすごいわ千佳ちゃん。私は今日は電車じゃなかったから一番乗りだったわ。
大神課長にまず話したくて早めに出てもらったの。」
ミトサンの車で来たのかぁ。
新居はミトサンのタワマンだから荷物の運び出しとかちょこちょこやってるって言ってたものね。さや先輩のご飯を食べたのかミトサン!くそう、羨ましいぜ!!
「穂積さん、大神課長どこにいますか?
那珂も来てるみたいなんですけど居なくて…」
「まだ営業一課の方にいると思うわ。
でも、もうすぐ戻ってくるとは思うけど…」
松本先輩の問いに首をかしげながら答えるさや先輩。
なんで営業に…?
「…ん?なぜ二人が営業に??」
「それなんですけど…」
水海道先輩の疑問に答えようとして、さや先輩は一旦口をつぐみオフィス内をキョロキョロする。
「俺達以外いないよ?」
「そうなんですね…えっと…後で報告はまたしますが…
今月末に営業の水卜悠馬さんと入籍することになりまして…その報告中大神課長が営業に向かっていったので、あちらにいるんです。」
「へー!そっかぁ、
それで………………………………………………………ん?」
「ほ、穂積さん…?今なんて………????」
「?えっと…報告中に…」
「いやいやいやいや、その前!!!」
「??水卜悠馬さんと今月末に入籍します…ですか?」
一瞬、オフィスには静寂が訪れ…水海道先輩と松本先輩はフリーズした。
「「どえええええええぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ??!!!!」」
一拍置いて叫ぶ二人。
分かります。吃驚ですよね……
「ちょ、ちょっと待って?!!
付き合ってるんだろうなぁ~とは思ってたけど!!にゅ、入籍?!!!えっ!?」
水海道先輩すごい!私わからなかった!!
「水卜さんのゴリ押しじゃなくて?!えっ、穂積さん、だ、騙されたりしてないですよね?!!」
松本先輩!やっぱそう思いますよね!!
「ふふふ、お二人ともどっきりだって思いました?やりそうに見えるんですね、悠馬さん。」
違う!
さや先輩、そうじゃないです………!!!!
どっきりだって思ってるんじゃなくて、ミトサンにさや先輩が騙されてるんじゃないかってみんな心配してるんですよ…!!
ミトサン!だまくらかしてるようにやっぱり見られるみたいですよ!仕方ないよね!
「大神課長が営業一課に向かった意味がわかった…」
「おそらく那珂が落としたであろうお盆の意味がわかりました…」
二人は一瞬、遠い目をしたのち…さや先輩に向き直った。
「ミトやんにはちょっと事情聴取しなきゃだけど、それは置いといて…おめでとう穂積さん!!!」
「おめでとうございます!!!」
先程までの樋口部長達への怒りはどこかに吹き飛んだように、笑顔で祝福する水海道先輩と松本先輩。
「あ、ありがとうございます…!」
はにかみながらお礼を言って、さや先輩が何気無く左手で髪を耳にかけた。
その左手の薬指には…
「婚約指輪あるよ…」
「用意周到すぎて怖い…」
笑顔のまま、小声でつっこむ先輩達の声はバッチリ私には届いたのだった。