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那珂宏は驚愕する。

「おはようございます!大神課長!」



「おはよう、那珂君。

今日は涼しくて過ごしやすそうだねぇ。」



いつもより早く目が覚めて、三本早い電車に乗れたら、エレベーターの前でばったり大神課長に会えた。

座席にもゆったり座れて出勤できて楽に来れた。

うん、なんだかいい週の始まりだなぁ~



「本当に。あ、今日は午後早いんでしたよね。」



「ああ、私の検診があるからね。迷惑かけるけど頼んだよ。」



「気になさらないでください。体が一番大事です。

大丈夫ですよ。穂積さんも水海道さんも居ますし!」



「はは、そこで樋口君が出てこない所がなんともいえないなぁ~」



「あははは~」



そんな会話をしながらオフィスについた。



「おはようございます。

あの、大神課長…始業前にお話ししたいことがあるんですが…お時間大丈夫でしょうか?」



誰もいないと思っていたオフィスには穂積さんがいて…なんだか思い詰めた顔をしていた。

え、何があったんですか!?



「時間かかる話かい?」



「いえ、すぐ済みます。」



「そうか…なら隅の簡易応接スペースで聞こうか。」



とりあえず二人とも喉乾いているはずだと思って、昨日穂積さんが仕込んでくれた水だし紅茶をコップに注いで持っていく。

コップをおいて、席をはずそうとしたとき…穂積さんが顔をあげて口を開いた。



「実は…今月末に入籍することになりました。」



カーンと俺の手からお盆が滑り落ち、大神課長は紅茶を吹いた。


え、

ええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ?!!!!!


てか、穂積さん!!

そんな難しい顔して言う内容じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!


めでたい事だよね!?

なんでそんな真顔なの?!!普通、照れながらとか、幸せそうに言うとか…ええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!



「おっ…おめでとう…!穂積さん…!!」



一呼吸置いてから祝福をのべる大神課長。しかし、手にもつカップが震えている。

動揺してらっしゃる。

いや、俺もかなり驚いてるけどな…!!!



「おっおめでとうございますっ!!!」



ちょっと吃りながらも祝福をなんとかのべた。めでたいけど…めでたいけど…いつの間に…!????



「ちなみにお相手は…?」



動揺しつつもたずねる大神課長。

なお、カップを持つのを諦めて下に置いている。

一方、言うこと言ってスッキリしたのか紅茶を一口飲んだ穂積さんはふんわり笑って言った。



「ありがとうございます。

営業の水卜悠馬さんと結婚します。」



「なんですとおぉぉぉ?!!」



それを聞き、俺は思わず動揺のあまり叫んでしまったのだった。




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