飲み過ぎ注意。
「ただいま~」
「買ってきましたよ~」
さや先輩と丹波が帰還した。
さや先輩はフリッターとポテトの盛り合わせと袋に入った缶を持っていた。
丹波は顔より大きいエビせんとビールのカップを持っている。
「トイレから出た後、バッタリ穂積先輩と会ったんですよ。
エビせん買うの誘ったんですけど断られました。」
「揚げ物食べたかったし、エビせんの気分じゃなかったので。
缶ビール絵がかわいかったから買ってきちゃった。はい、どーぞ。」
さや先輩が缶をまず渡してくれる。
フクロウのロゴが可愛い。ビールではなくホワイトエールらしい。
「ありがとうございます!
いただきまーす!!」
早速、缶をあけて飲む。美味しくて飲みやすい。
そして白身魚と海老のフリッターも美味しい!!合間にポテト、そしてホワイトエール。
我ながら完璧な三角食べだ。
「素晴らしくおいしい~」
隣ではエビせんが変な風に割れたりこぼしたりと忙しいようでギャーギャーやっている。
あんなでっかいエビせんは片手で食べるには向かない。
丹波よ、ちょっとは考えろ。
「美味しいわ~」
私とさや先輩は見て見ぬふりをしながら三角食べにいそしんだのだった。
★★★★★
「じゃあ、行こうか。」
「そうですね。じゃあ、ミトサン達もおたっしゃで。
丹波は飲み過ぎないように。」
お腹もそこそこふくれたので立ち上がる。
さや先輩がウエットティッシュをくれたので手油ギトギトは回避された。ありがたい。
「おー、気を付けてな。
ではまた会社で。」
「では失礼します。」
さや先輩とミトサンはお互いに軽く礼をし合う。
丹波は真っ赤な顔で言った。
「穂積先輩と鈴木先輩いっちゃうんですかー!もっとのみましょーよー!!」
酔っぱらいである。
ビール二杯でヘベレケである。
「穂積先輩と鈴木先輩はー、そんなかっこうもできるんですねー!!
フェミニンー!!!ちょいセクシー!!!」
ケラケラ笑い出す丹波。笑い上戸と絡み上戸だ。
「豆っ子、ちょっと黙ろうか。な。」
ミトサンが止めにはいるが止まらない。
「もっと可愛い格好してくださいよー!!
女子がただでさえ少ないのに華がないじゃないですかー
まー、富久山の方が断然美人ですけど。
ちょっとは頑張ってくださいよー!!!せっかく二人とも可愛いんですからー!!!」
丹波、このやろう。
知っているが改めて言われるとむかつくわ。可愛いって言われても前半が失礼すぎて怒りしかわかないぞ。
スポーツ系のイケメンがデリカシーなくて許されるのは高校生か二次元の中だけだ!
「丹波君。」
さや先輩が言う。
うわっ、笑顔だけど、黒い!!笑顔だけど般若背負ってる!!!
「今のは聞かなかったことにしてあげるけど、人によっては仕事にも影響が出るから気を付けてね。
まぁ、酔っぱらいの脳みそは鼠レベルにまで下がるって聞いたことあるから、言ったことも言われたことも覚えて無いのでしょうけど。それじゃあ。」
そこまで言うとくるりと背を向けて去っていく。
「ミトサン、ちゃんとしつけてくださいね?じゃ。」
私も後について行く。
丹波よ、ミトサンはそういうところすごーく厳しい方なのでしかられるといいぞ。
バーベキューの時、飲ませ過ぎないようにしてほしい。