じわじわと。
「ほー、さっぱりしたー」
綾城さんの店で飲み食いして帰宅後、シャワーを浴びてベッドに寝転んだ。
そこそこ飲んだからお風呂はやめて、今日はシャワーのみ。
なんとなくテレビを流し見しながら今日の出来事を思い返す。
さや先輩と…ミトサンが…結婚…かぁ…
付き合ってるとか思いもよらなかった。
いつの間にせまったんだミトサン…
「色々暗躍したんだろうなぁ。」
普通に考えるとバーベキュー大会前にいいなーと思ってガンガンいったようにも見えるけど、ミトサンの事だ。
けっこう前から目をつけてじわじわと手を伸ばしていたに違いない。
あれだよね、さや先輩けっこう天然でうまくかわしてるけどミトサン一歩間違うとヤンデレ入りそうな追い詰め方してると思うんだ。
めでたいけど…めでたいけど…なんかもやっとするわぁ…
いつから狙ってたんですかとか怖くて聞けない!昨日今日ロックオンした感じじゃないよ!
私がさや先輩と知り合う前から…ではないと思いたいけど。
普通に営業もするけど、搦め手で外からじわりじわりと相手に知られることなく追い詰めてくの上手だし…
まぁ、ちょっとの間だけど一緒に仕事してきてえげつないやり方することも知ってるから余計になんだろうけど。
「来週、職場に激震はしりそう…」
ちょっとだけ樋口部長がどんな反応するか見てみたいかもしれないな。きっと口ポカンするぞ、絶対!
みんな祝福するだろうけどビックリするだろうなぁ~。
ん?樋口部長まさかちゃんとおめでとうは言えるよね?まさかね。結婚したら色々フォローしてくれなくなるとか言ってきたりして…?
い、いやぁそんなドン引きな事はさすがに言わないよね?
あんまり信用ならないけど、まさかね?
「とりあえず、早めに寝よう。明日はさや先輩の指輪取りに行くついでに美味しいパン屋のモーニング連れてってもらえることになったし!」
樋口の野郎を思う時間がもったいない!
それにしてもあんだけイチャイチャしようぜってアピールしてたのに私も連れて指輪取りついでにショッピングしてくれるなんてミトサンけっこう太っ腹だなぁ。
これが愛ってやつかよオイオイ…なんて考えながら眠りにつこうとした瞬間私は気付いてしまった…!!!
さや先輩に言うだけだと流される事や断られる事も私がいるとオッケーになるからだと…!!!
絶対そうだ!
さや先輩恥ずかしがりだからってうまいこと考えたな!
潤滑油にされてる!!
くっ、デート邪魔しちゃったかな…なんて思う必要ないじゃない!
それなら遠慮なく、美味しいものおごってもらって多分ミトサンのお家でさや先輩が腕をふるってくれる予定の夕食を堪能するんだ!!!!!!!!
と、まぁ、そんな決意をして私は眠りについたのだった。