なれそめは?
「はい、紅茶。
とりあえず落ち着いて?千佳ちゃん。」
綾城さんに紅茶を渡され、座って一気にあおる。
「おかわりお願いします!」
ちょっと頭を冷やすのに冷たいソフトドリンクは必要だ。
綾城さんは苦笑いで二杯目を提供してくれる。
「来週には職場にも報告するから…その前に、千佳ちゃんにはちゃんと話しておきたかったの。
なかなか言い出せなくてごめんね。」
しょんぼり気味にさや先輩が言う。
「良いんですよ、さや先輩!
その…思い返すと何度か言ってくれようとしましたよね?タイミング悪かっただけですからお気になさらず!
それにしてもいつから…いつからだったんです?」
「ええと…バーベキューの次の日…お料理教室もどきの帰りに付き合うことになって…。」
「タオルケットを干しっぱなしにした自分が憎い…!!!」
私がきっかけか…!
というか、思い返すとミトサンどこから口説いてたんだ…?
だめだ、なんかもう最初から計算通り的な気もしてきたよ!
「さや先輩宅最後に送っていってましたもんね…
何言われて付き合うことに?本当に弱味とか握られてとかじゃなく…?」
「水卜君の信用の無さが半端無いわね。」
綾城さんが笑って言う。
「いや、職場の先輩としては頼りになるし信頼してますけど、あの、一度狙いを定めたら絶対離さない的な執念深さとか側で仕事してた分知ってますし…
いつから狙われてたの?さや先輩?!間違いなく、幸せにはしてくれるとは思います。
思いますけど…天然で可愛い所につけ込まれた感が拭えない!
というか、綾城さんミトサンと会ったことあるんですか?」
「さやちゃんに相談何回か受けて…本人も付いてきたこと何度かあるから会ってるわよ。
愛想は良いし、面白いけどまぁ千佳ちゃんが言う執念深さ的なものはそこそこ感じる子ではあったわね。
まぁ、さやちゃんに塩対応されてもめげずに可愛がり倒して赤面させたりしていてメンタルが凄い強いことははっきりと分かったわ。」
「あー、確かにミトサンはハートめっちゃ強いですよね。」
心臓に毛が生えてると思います。
「さやちゃんもさやちゃんで可愛いって言われて目が腐ってるんですかとかえすからほんと面白かったわよ。
じゃあどれだけ可愛いか説明するって手をとって口説きだしてねー
千佳ちゃんにも見せてあげたかったわ。」
見たいような、見たくないような…というか、さや先輩ミトサンに口で勝とうなんて無理ですよぅ。