愛ゆえに!!
火曜日からお近づきになったみゆちゃんがめっちゃ可愛い。
朝とか会うと満面の笑みでこちらに小走りでかけてくるとか半端無くときめく。
私の周囲に居る男性陣が流れ弾に当たって悶えてるよ。
わかるわー、あんな可愛い子が走ってきたらときめくしかないわ。
さや先輩を見つけるとどちらが先につくかなんとなくチキンレースが始まるのもなかなか楽しい。
さや先輩に対してはみゆちゃんすごくでれでれだ。とろけてる。
昼は社食でおしゃべりしながらのごはん。
なんだかずっと前から仲良しな気がするほどに打ち解けていると思う。
「ミトサンに松本先輩、よかったら一緒に食べます?」
週末の社食はなかなか混み合っていた。
食べ始めた頃トレイを持ってキョロキョロするミトサンと松本先輩を見つけて声を掛けた。
言ってから、ハッとしてみゆちゃんを見ると、心得たようにぐっ!と親指を立ててくれたので大丈夫なはず。
「仲良く食べてるところお邪魔してしまって申し訳ない。」
すまなそうに私の向かいに腰かける松本先輩。
そんな遠慮しなくていいのに。
「お気遣い無く。松本さんは彼女が一筋と聞いてますので安心です。」
クールモードでみゆちゃんが答えると、松本先輩が笑った。
「えっ?ちーちゃんへの愛がそんなに溢れてます?
それならちょっと話しちゃおうかなぁ…」
スイッチが入った松本先輩はいかに千里子さんが素敵かノンストップで話続けたのだった…
★★★★★
「松本さん、なかなかの狂気っぷりな愛情ですね…」
「いやいや、それほどでも…」
「松本君、誉めてないと思うわよ?」
全てを聞き終え、感心しきりでみゆちゃんが言う。
うん、大好きなのは伝わるけどけっこう怖いね!相思相愛だから許される感じ!!ん?微妙なラインかな?
「話はガラッと変わりますが、紫苑さんはよく食べる方ですよね。」
「ええ。」
「紫苑さんなら生ハムはどのくらい食べられますか?」
真剣な顔で松本先輩が言う。
「松本、何でまた生ハム?」
ミトサンが尋ねる。
「ちーちゃんが連日の夜勤でお疲れで、生ハムお腹いっぱい食べて飲みたいってよく呟いてるから用意してあげたくて…」
「看護師さん大変ね…」
「肉不足なのか、田中ちゃん。」
「そう思って連日肉料理出してるんですけど、生ハムが食べたいみたいで…でもけっこう高いから思いきってコストーコに買いに行こうかと思ってるんだけど…どのくらい食べられるもんなのかなぁと思って。」
「それでよく食べる紫苑ちゃん、そこそこ食べる鈴木、平均的なさやちゃんにどのくらい食べられるか聞きたいってことだな。」
なるほどなるほど。
松本先輩って普段遠慮しがちだけど千里子さんが絡むと人が変わるよね。愛ってすごいなぁ、いろんな意味で。




