フードファイター!
「みゆちゃん、マジか。」
「壮観ねぇ…」
私とさや先輩は社食に居た。かわいこちゃんと評判の受付嬢な紫苑みゆきちゃんことみゆちゃんとご一緒にだ。
びっくりしないでくださいね…ともじとじしながら言った彼女が注文したものを持って戻って来たのだか…
めっちゃ大盛り!!!!!
青椒肉絲定食は二人前盛りでご飯も超大盛り、そして焼きそばパン二つ付き。あと、もうボールのままだしたん?って思うくらいのでっかいサラダボウル。
すごいな、みゆちゃん!
サラダ系デリしか食べない系に見えるのにまさかの大食い!!ギャップすごい!でも可愛い!!
「…ひ、引いちゃいました…?その、ほんとはおしゃれ系のカフェとかでご飯食べたかったんですけど…私、足りなくて…」
なんだか暗い顔で、しょんぼり言うみゆちゃん。
おいおい何かあったのか?いっぱい食べる君も好きだぜ?
「いっぱい食べられるのは幸せだと思うけど。」
ふんわり笑ってさや先輩が言った。
「いっぱい食べる君も好きだぜ?」
親指を立てて私も続く。ぱあぁっとみゆちゃんは顔を明るくさせた。
「じゃあ、いただきましょうか。」
さや先輩の一言で、私達は食べ始めたのだった。
★★★★★
「お隣失礼するよ、おー、紫苑ちゃん相変わらずの食べっぷりだね。」
ご飯を半分ほど食べた頃、ミトサンがやって来て流れるようにさや先輩の隣に座った。
そのお盆には山菜そばのみだ。
「どうしたんですかミトサン、ダイエットですか?
心配しなくてもお腹出てませんよ?傍目から見た感じ。」
「してないよ、つーか鈴丼よく今日も元気に…お前、ほんと丼ばっかで大丈夫?
紫苑ちゃん見習えよ、量はすごいがバランス考えてるよ?」
私のカツ丼(肉のみマシマシ)を見てミトサンが引いた顔をする。
「え~?ほら夏バテしないように豚肉は体にいいんですよ。野菜は紙パックの青汁持ってきてるから大丈夫!」
「千佳ちゃん…ほうれん草、少し食べて。」
「千佳先輩、トマトとレタスもどうぞ。」
「山菜で悪いけど食っとけ。」
それぞれからどんぶりの蓋にお裾分けがなされる。
なんかすいませんね。ありがたくいただきまする。
「昨日の晩のお好み焼き、あれが効いたわ…食べ過ぎた。
鉄板マジックすごいのな。」
「そーですか?余裕でしたよ?」
「さすが二十代は違うわねぇ…」
「昼中華食べたのもあるんだとは思うな、まぁうまかったけどね。」
しみじみミトサンとさや先輩が言う。
昨日、ドラッグストアに連れていってもらったとき、隣のお好み焼きチェーン店に惹かれてそこで夕飯を食べたのだ。
さや先輩もそういやきつねうどんとほうれん草のおひたしとわりかし軽めの昼食だ。
「あ!さや先輩、ミトサン、昨日の中華今度みゆちゃんも連れていきましょうよ!
量もたくさんあるし!色々頼めそう!」
「俺はかまわないけど、紫苑ちゃんは俺がついていっても大丈夫?」
「はい。平気です。水卜さんが居た方が虫除けになりますし。
あと、水卜さんは私が好みでないの知ってますし。私もそうですけど。」
大量の食事をほぼ食べきりながらみゆちゃんが答えた。
へぇ…ミトサン紫苑ちゃん好みじゃないんだ。みんなときめくもんだと思ってたよ!私もときめいちゃうしね!
「行くのとりあえず来週でもいいかしら?
今週もう一回中華はさすがにきついかもしれないし。」
「う、嬉しいです!約束ですよ?約束しましたからね!!」
さや先輩の言葉にものすごく念押しするみゆちゃんだった。
ちょっとした執念すら感じるけど、まぁ、可愛いからいいか。




