男だらけの小一時間!2
「そういえば穂積ちゃん大丈夫かねぇ?
無理させるなら営業でもらい受けるよぉ?」
馬場課長がおしぼりで顔を拭きながら言った。
「はっはっは、寝言は寝て言いたまえよ。
穂積さんは他所にはやりません。少なくとも私が居るうちはね。そもそもとして営業なんぞに渡した方が倒れるよ?馬場君。」
笑ってるけど目がマジですよ、大神課長。
「高頭先輩が全力で守るから大丈夫ですよ。穂積さん来てくれてら俺もやる気出るな~
営業のお姉さま方は綺麗だけどみんな鋼鉄メンタルでつけいるすきがゼロなんですよね~」
高頭さんって、あの、美人だけど有能すぎて会社の不正暴いてクビになって中途採用された女傑…!!!!
穂積さんがお気に入りだなんて。
というか磯崎よ、営業の女性陣ほぼ既婚者ばっかだからぐらりとさせちゃうのは不味いだろ。
「ふざけるなよ磯崎!そんなことはさせない!!」
珍しくキッパリ丹波が言った。
「穂積先輩居なくなったら俺に優しくしてくれる人居なくなっちゃうだろ!」
「優しくしてもらえるよう頑張れよ。」
「丹波、優しく言っても分からない所を棚にあげるのはよくないよ。」
俺と水海道さんがそれぞれ言う。
「あわよくばよしよししてもらえるかもしれない可能性があるのは穂積先輩じゃないですか!
鈴木先輩はなにやってんだよって言って足踏んでくる想像しかわかない!ぎゅっとしてよしよししてほしい。」
「水海道さん、お願いします。」
「うむ。」
水海道さんは丹波の首を小脇に抱え、ホールドすると全力で頭を撫でてあげた。
「よーしよしよし!!ちゃんと仕事しろよー」
「なんか違う!俺、犬じゃない!あと頭に柔らかい感覚が当たるけど、俺は女の人のおっぱい当たるのなら歓迎ですけどおっさんのはけっこうですしたい!」
「ワガママ言うなよ。丹波。抱き締めあげてやろうか?」
「抱き締めてくれるじゃなくて締め上げるって辺りが怖い!」
「丹波は相変わらず胸派なんだね。俺は腰周り派だな。」
「磯崎君、何言い出すの。」
「何って女性のどこにエロスを感じるかですよ。那珂さんはどうですか。」
ナチュラルに聞かれて言葉につまる。
「那珂はムッツリだから聞かないであげてね、磯崎君。」
「そういう松本さんはどうなんですか?」
松本が間に入ってくれるがターゲットが変わっただけだった。
しかし松本はさらっと返す。
「一般女性には全くときめかないけど、彼女限定でいうとふくらはぎとか脚かなぁ。」
え、なににこやかに答えてるの?!
「嫁さん限定なら、二の腕かな。」
み、水海道さん?!
「断然、お尻だね。」
馬場課長まで?!!
「指先かなぁ。あの髪を耳にかけたり押さえる仕草もグッと来るね。」
にこやかに大神課長まで答える。
えええええええええーーーー!!!!???
「ほら、白状するといいよ。那珂君。」
そういってみんなに、にっこり微笑まれたのだった…