男だらけの小一時間!
穂積さんと鈴木、水卜さんを残してオフィスを出たので松本や丹波と流れで外に飯を食いに行くか…となった。
歩いていると、水海道先輩と大神課長がやって来た。
「大神課長もご飯ですか~?」
「うん。水海道君とね。美味しいとろろそばの店を見つけたって言うからね。連れていってもらうんだ。」
大神課長とろろ好きだもんなぁ。
なんか聞いてたら蕎麦食べたくなってきた…
「俺達もご一緒させてもらってもいいですか?」
「聞いてたらとろろそば俺も食べたくなりました。」
「かまわないよ。水海道君人数増えても良いかね?」
「構いませんよ。」
「水海道先輩…」
丹波が真剣に言った。
「蕎麦屋って肉系ありますか?俺はガッツリ食べたいんですけど。」
「カツ丼でも食っとけ。」
今聞くなよ、空気読めよ。
我々は丹波に背を向け歩き出したのだった。
★★★★★
「会社から五分もしないでこんないい店に行けたんですね~」
店をキョロキョロしながらはしゃぎ気味に松本か言う。
あー、こいつ寺とか神社とか日本家屋や建築物が好きだもんなぁ。中学の頃からの趣味だから若いのにじじむさいってよく言われてたな。
ここの蕎麦屋…なんか京都にありそうな蕎麦屋さん的な雰囲気。
ちょっとした非日常だ。
「松本はこういう系の建家好きなんだよな。」
「はい。この前も彼女に付き合ってもらって鎌倉に行ってきました。
まとまった休みが取れたら奈良とかも行ってみたいんです。」
「御朱印帳も集めてるんだよな。松本。」
「いやぁ、まだまだだよ。六冊目だし。」
「すげーっすよ!!
あの、お札みたいなの書いてもらうやつですよね!かっこいいやつ!!」
丹波が物凄く尊敬した目を松本に向ける。
「丹波君は興味あるの?」
「俺集めるのけっこう好きですけど、敷居が高くて…
今はGOで育成と捕獲頑張ってますよ。面白いっす。」
「あー、あれやってるんですね。彼女もはまっていてお寺でレアなやつ見つけたって喜んでましたね。」
「うちは子どもが夢中でね。休みの時はよく付き合って探してるよ。」
「うちも娘がねぇ、はまっているよ。色々歩くから体にもいいって言ってたねぇ。」
水海道先輩は小学生の子がいるからわかるけど、大神課長の娘さんまではまってしまうほどのものなのか…すごいなぁ…
全くやっていないので分からんが…まぁ楽しいんだろうな。
小型ゲーム機の頃は夢中でやってたしなぁ。
「あれー?丹波だ!」
声に振り向けば、水卜さんと一緒に挨拶に来てた…磯…磯…なんだったか、とりあえずボンボンが居た。
「あ!磯崎じゃん!どうしたの?」
「馬場課長とご飯食べに…って、あ、すいません話に割って入ってしまって。いつもお世話になっています。営業一課の磯崎 柊です。」
あ、磯崎だったか。
近くに来て、我々に気付くときっちり頭を下げる。
「磯崎君~
いっぱいだから別なとこにぃ…っておや大神課長と部下のみなさんが居たんですねぇ。こんにちは。」
後から馬場課長も来る。
「満席なら、よければご一緒しますか?」
大神課長の一言で、男7名でご飯を食べることになったのだった。