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美味しさは世界を救う。

「良かったじゃないですか、二人とも理想の部下ですね。

以前、廊下のど真ん中で『ちゃらちゃした格好や化粧で仕事より媚を売る事に重点をおくしか能が無いのか女は』って言い捨ててた樋口部長にはうってつけだ。」



「は?俺はそんなことは…」



えー!!?忘れてんのか!!酷いこと言ってさや先輩のお洒落心とロングヘアー奪ったのに!!

あっ、でも言った方ってそんなもんだよね!腹立つけど!!



「言ったんですよ、穂積さんに向かって。十年以上前に。

俺は見てたんで覚えてますよ。ちなみに…あの場に今の課長以上や将来期待され現役活躍中の連中がゴロゴロ居ましたからね。なので貴方の女性に対する侮蔑感を上や周りは知ってるんですよ。

会議でなんで君が…まさかそんな…って態度とられなかったんじゃないんですか?またかよって思われてますよ。

忠告しときますよ、樋口さん。

富久山にのみ甘い態度をとって他に厳しいだけの態度や思いやりの無さを発揮していると、近いうち足を掬われる。

大神課長と穂積さんが庇ってくれなくなったらどうなるか。

有能なのに勿体ないことしてますよ。

…はい、俺が言いたいことは言った。反論や自己弁解あるなら聞きますよ?俺は威圧かけられても平気ですから、なんとでも言い返してきたらいい。」



い、言ったぁぁぁぁぁぁ!!!

す、すごいよミトサン!!居てもらって正解だった…!

かっこいいなぁ。私もそのくらいビシッと言えたらいいのになぁ…

そのためにはまず実力つけなきゃだけど。

言えるほどの実力あるからなぁ。ミトサンは。

樋口部長と対立して、万が一首になったって他にすぐ就職して返り討ちにしてきそう…いや、するな。

まぁ、ミトサン首にするってなったら営業部が反乱起こす気がする。怖いわぁ…



「そんなつもりは…」



「どんなつもりでしたか?

気付いてないと思いますが、都合が悪くなるとすぐそれだ。人に社会人としてなんたるか説いた言葉を思い出したらいい。

お、飯が来た。今すぐ反論できないんなら今回は終わりにしましょう。

好きなようにとればいいからさやちゃんも鈴丼も取り分けしなくていいからな。

じゃ、いただきます。」



そういってご飯に好きにおかずを乗っけていくミトサン。



「わーい!エビチリだ!いただきます!!」



「いただきます。」



我々も食べ始める。

しかし樋口部長は動かない。なんか目が虚ろ。

あれか?エリートで叱られたこと無くて、色々言われてへこんでる感じ?人にキツイのに案外打たれ弱いんだなぁ。



「樋口部長、とにかく食べる。

あのね、腹がすいた状態でなにか考えてもろくなこと思い付かないよ。うまいもん食べて、それから考えたらいい。

有能なんだから解決できる手を思い付くかもしれないからな。」



そういって樋口部長のご飯の上に青椒肉絲をドサーッと乗せてあげるミトサン。

あれですね、麻婆豆腐とエビチリは食べたいやつだったからあげたくないんですね。いいぞもっとやれ。



色々言いつつも樋口部長にも気を配ってあげるミトサンは素晴らしいと思ったのだった。

ちなみに、樋口部長は一口食べ終えたあとは無心で食べ続けてたから美味しかったんだと思う。

杏仁豆腐まで頼んでたし。

おごると言われたがおごられる義理は作りたくないのできっちり割り勘にしてオフィスに戻ったのだった。








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