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ライア~誰も知らない物語~  作者: 凛彩 ri-sa
第1章 記憶とペンダント
6/21

6.ホロじい

ミーナを助けてくれたおじいさん、やっと現れます!

「おいしい!」


 ミーナは焼きたてのロールパンを頬張りながら笑みをこぼした。食卓には、他にカブのサラダやいものフライが並んだ。


「それは良かったわ。主人の育てた小麦なのよ。」

 ロゼはミーナにミルクを差し出しながら言った。

「このミルクもこの村でとれたのよ。みんなで協力して、やっと安定して自給自足できるようになってきたの。」

 ロゼは少し目を伏せ、微笑んだ。

「…?ロゼさん。どれも、とてもおいしいです。」


 その時、玄関の扉が開き、見覚えのある老人が現れた。白髪混じりの茶色の髪に、顎髭の生えた、そう、ミーナを助けた老人だった。ゆっくりと部屋の中に入る。

「ただいま。おはよう。ソラから、お嬢さんが目覚めたと聞いてね。ああ、美味そうな匂いがするな。」

「あなた、おかえりなさい。いまあなたの分も用意するわね。」

 ロゼは席を立つと、キッチンへ向かった。


 ミーナは立ち上がり、老人に向かって深く頭を下げた。

「おじいさん、ミーナと申します。助けてくださって、本当にありがとうございました。ベッドまで…」

 老人は微笑みながらミーナの向かいの席に座った。


「おぉ、ミルクは久しぶりじゃな…。ミーナさん、元気そうで良かった。わしの名はホローじゃ。みんなホロじいと呼ぶでな。」

 ロゼに食事を出されると、ホローは手を合わせてから嬉しそうに食べ始めた。


 ミーナは最後の一口を食べ終えた。

「ホロじいさん、ロゼさん。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。」

 食器を重ねると、席を立ち、二脚しかない椅子をロゼに譲るとキッチンへ食器を運んだ。


「ミーナ、ありがとうね。その後なにか思い出したかしら?」

 ミーナは夢のことを話そうか悩んだが、うつむいて首を振った。

「ごめんなさい。」


 申し訳なさそうにする少女に、老夫婦が優しく微笑む。

「謝ることなんてないぞ。この後、とりあえずわしと村長のところへ行こう。ミーナさんがどうやってこの村にこられたのかもみんな気になっておる。」


「え…?」













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