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ライア~誰も知らない物語~  作者: 凛彩 ri-sa
第1章 記憶とペンダント
5/21

5.ソラとの出会い

この物語で初めての、青年と出会います。

 ミーナは目を覚ました。そこはふかふかのベッドの上で、隣りのベッドではロゼが寝息を立てている。カーテンの隙間から光がもれる。

 ミーナは物音を立てないよう気をつけながら体を起こした。キッチンの水道で顔を洗うと、髪を束ねてそっと外へ出た。


 そこには茶獅子が伏せていた。なにかの葉の束を食べた様子があり、水も添えてあった。茶獅子はミーナに気がつくと顔を上げ、鼻をならした。


「トト、心配かけてごめんね。もう大丈夫。村に連れてきてくれてありがとう。」

 ミーナはトトを抱きしめた。


「その茶獅子、本当に君に懐いてるんだね。驚いたよ!」

 突然後ろから声をかけれ、ミーナが驚いて振り返ると、そこには青年が立っていた。精悍な顔をして、茶色の短髪と黒い瞳をもつ。邪気のない笑顔が優しさを醸し出していた。


「あの…?」

「おはよう!俺はソラ。君のことは村中知ってるよ。小さな村だしね!ロゼさんに小麦をもらいに来たんだけど、いるかな?」

 ソラは持っている麻袋をミーナに見せた。


「初めましてソラさん。私はミーナです。ロゼさんはまだ寝てて…」

 ミーナが少し緊張しながら話すと、ソラは少し驚いた顔をしてから、笑った。

「はははっ。そんな畏まらないでよ!ソラでいいし、敬語もいらないよ!年も同じくらいじゃない?」

 ソラの笑顔につられて、ミーナも笑った。


「ありがとう、ソラ。そうさせてもらうね。」

「なーんだ、喋りやすくて安心したよ!俺まで緊張するとこだった!」

 ふたりは顔を見合わせるとまた笑い合った。トトはその様子を静かに見ていた。


「楽しそうな声がすると思ったら。おはよう。ミーナ元気そうで安心したわ。ソラ、待たせてしまったかしら。寝坊してしまったわ。小麦ね、こっちへいらっしゃい。」

 ロゼが玄関から、昨日のような優しい笑顔で出てきた。


 ロゼとソラは家のすぐ隣にある倉庫へ歩き出した。

「じゃあ、ミーナ、またな!」

 ソラが言うと

「ミーナ、朝食にするから待っていてね。」

 ロゼも声を掛けた。


「はい!」

 ミーナの声は、今までのそれよりも明らかに元気になっていた。



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