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第6話 色々あって次の相手と言われましても!

本当にお待たせしました!




前回、空を跳んだ。

あれ、俺はどうなったんだ?


深い微睡まどろみの中で俺はそう思った、どうやら俺はベットで寝ているらしい。


あぁ、そうだ、あの時、試練の終わる直前、ブーちゃんに追い詰められた俺は………んっ?



そこまで思考して俺は少しの違和感があるのに気付く。


<………>


「……ぅ、ぅん?」


………見られている、かすかに微睡まどろむ意識の中で俺はそう思った。


<………へへへ>


「………?」


徐々(じょじょ)に覚醒かくせいしていく意識の中でそんな声が聞こえる。


<ハァハァ……ジュル>


「!?」


なんかいるぅうう!なんかヤバいのが近くにいるぅううう!


とてつもない悪寒おかんによって一気に意識を覚醒させた俺!


しかし、あまりの恐怖心により目を開けれない!



<すっ、少しだけならばっ、バレないかなぁあ!?>



少しってなにぃぃい!?あと超近い!超怖い!誰か助けてぇぇええ!!!


ものすごい近くにいる気配!


てか、ほほに荒い息がかかってる!



<ハァハァ!つっ、爪1枚だけならぁ!>



右手に何かが触れる感覚!


「うわぁぁあああ!!」


瞬間!俺は勢いよく起き上がると同時に右手を振り回した!


「さっ、触るなぁぁあああ!!」


と、同時に俺は気配の正体をあばくべく周りを見渡す!


「ぁぁああ………へっ?」


が、どこにも人らしきものは見つけられず、あるのは本棚やテーブルやソファーなどの家具だけだった、………どうやらここは最初に案内された俺の部屋らしいが。


「あっ、あれ?今確かに、……あれぇ?」



何度見渡してもそこには俺以外の人は見つけられない。


「気のせいだったのか?………それとも夢?」


いや、それはないだろう、あれが夢だったらとんでもない悪夢だ、思い出したら鳥肌が立つのを感じる。


「確かに何かいたはずなんだが」


俺はベットから降りようと足を動かす。


………が、


「ッ!?」


動かした足に痛みが走った。


「なんだこれ、いってぇ~」


鋭い痛みが走る足に俺は顔をゆがませる。


身体にかかっていた布団をがして足を見てみるが傷らしきものは見つけられない。


「なんで足が……」


その時俺はフッと、意識を失う前の事を思い出した。


「いや、そういえばあの時……」


ブーちゃんに追い詰められた時のあの異常な跳躍力ちょうやくりょく、おそらくあれが原因だろう。


「あれはいったいなんだったんだ?」


いくら鍛えたと言っても俺は人間をめた覚えはない、人間は空を蹴ってジャンプなど出来ない、ということは………


「あれは魔法だったのかな」


自分からポツリと出た言葉に体温が上がるのを感じる。


だって………


「俺が魔法を………」


またポツリと出る言葉、体温急上昇。


「くぅぅぅ~~」


俺は両手をにぎめ、胸の前に引き寄せていくとあふれんばかりの声で………


「ヨッシy<ズキンッ!>!うぉぉお!いってぇぇえええ!!!!」


歓喜かんきの声を上げようとした……

…が、いきおいで動かした足に痛みが走り悲鳴を上げた。


その時、


<バァン!>


「うるさいぞ人間!!」


ヒルダ様が部屋の扉を勢いよく開けて現れた!


「あっ、ヒルダさm<ズキンッ>!いってぇぇええ!」


「ふむ、どうやら思ったよりは元気そうだな」


足の痛みであえぐ俺を見ながらヒルダ様はそんな事を言う。


今の俺のどこを見たら元気そうに見えるんだよ!そう思って俺は抗議こうぎの声を……


「いや、元気そうってこれのどk<ズキンッ>!ぁぁあ!やべぇー!」


上げようとしてまた悲鳴を上げた。


「ふむ、ブーちゃん!」


[ニョコッ♪]


ヒルダ様の呼び掛けとともに後ろからヒルダさんより小さめのブーちゃんが姿をあらわした。


あっ、ちょっと可愛いかも。


「やれ」


[ニョニョニョニョ♪]


「………やっぱり?」


合図とともに触手を伸ばしてくるブーちゃん。


………心なしか楽しそうだ。


「あっ、あの出来るだけ優しくお願いしまs[ニョビシュッ!ビチャビチャ!]ァァァアアア///」


俺が懇願こんがんの言葉を言い終わるよりも早く、ブーちゃんによってあえぎ声を上げてしまうのであった。


もうお婿にいけない!













それから20分後


「そろそろ大丈夫か」


<ビクンッ!ビクンッ!>


[ニョニョ♪]


強姦現場ごうかんげんばのような光景こうけいがそこにはあった、もちろん被害者ひがいしゃは俺だが。


「さて……」


<ピクッ!ピクッ!>


これはあれだ、もう抜け出せないわ、俺はブーちゃんのとりこになってしまった。


「いつまでほうけている!さっさと起きろ!」


<ドゴッ!>


「オブゥッ!」


地面に仰向あおむけになっていた俺の腹をヒルダ様が容赦ようしゃなく踏み潰した!


「足はもう動くだろう?立て!」


そう言うとヒルダ様は俺から足を退かす。


確かに足は動くがお腹が痛い。

俺は腹を抑えながら起き上がる。


「イテテテ、怪我人には優しくしてほしいです」


「甘えるな、時間の無駄だ!さっさと次の試練の説明を始める!」


相変わらず魔王以外には厳しい人だ、そこも魅力的だが、………ん?


「えっ?次?」


「そうだ」


えっ?次って事は………


「じゃあ俺は第1試練合格?」


「何を言っている、しっかり伝えただろう」


いえ、記憶きおくにございません。


おそらく気絶する前に言われたのだろうがまったく覚えていない。


………まぁしかし、合格というならそれはそれでよかった。


もう一度やり直しとかなら俺はストレスでどうにかなっていただろう。


そんな事を考えながらブーちゃんに追いかけられてた2ヶ月を思い出す俺。


………うん!本当に終わってよかった!



「まぁそれはいい、今は次の試練についてだ」


………まだ終わってないかもしれない。


「次……ですか?」


「あぁ、第1試練は持久力に重点を置いた試練なのは分かっているな?」


まぁ、24時間ぶっ続けで逃げてたしなぁ。


「そしてそれと同時に触手の動きを見る集中力、突発的な攻撃を避ける回避力、瞬発力を鍛えるのを目的としていたのが第1の試練だ」


「それは………はい」


あと明らかに精神的苦痛があった気がするが思い出すのも嫌なのでスルーした。


「では、お前に足りない他の要素はなんだと思う?」


「えーと、………攻撃力とかですか?」


やはり実際の戦闘には攻撃力がないとダメだろう。

俺はそう思って答えたのだが……


「ふむ、惜しいが正確には違うな」


違うらしい、ただ惜しいと言うなら……


「なら、………ま、魔法とかですか!?」


少し声が上ずってしまったが仕方がないだろう。

異世界に来たら魔法は使いたくなるのは男のロマンなのだ。

いや、多分試練の最後のジャンプが魔法だったのだろうがあの時は無我夢中むがむちゅうだったからな!

是非とも覚えたい!


「はぁ?」


「………すみません」


どうやら違ったみたいだ、ヒルダ様の視線が虫を見るような眼に変わった。

……………調子に乗って本当すみません。


「お前のような人間に魔法はまだ早い、舐めた事を言うのも大概たいがいにするんだな!」


「ひぃっ!舐めた事言ってすみませんでした!」


声の圧がすごいよぉおお、怖いよぉぉおお!!

気づいたら俺は全力で土下座していた!


「………はぁ、そもそも今のお前が下手に魔力を使おうとしたら……」


「…………したら?」


そこまで言ってヒルダ様は言葉を切り、少し考える素振りをしてこう続けた。


「………そうだな、そもそも魔法とはことわりを理解し、魔力を込め、唱える事で発動する、例えば……」


そう言いながらヒルダ様が右手を俺の前に突きだし、てのひらを上に向けてこう続けた。


『魔の理よ!我が魂よ!我が想いに応え、我が手に火を!』


『ファイア!』


そういうとヒルダ様の手に赤々と燃える火が灯った。


少し離れた距離で正座している俺にも、かすかに熱を感じる。


「おぉぉ」


俺は初めてまともに見た魔法に感動していた。


「このように魔法とは、自分の魔力と魂に適応する性質に魔力を変換し、それを特定の形で発現させる事を言う」


ヒルダ様は掌の火を見つめながら言う。


「個人の資質によるが一般的に火、水、土、雷、風、光、闇の7つの性質の中から1人につき1つずつ適正を持っていてな、これは見ての通り火の性質の魔法だ」


ヒルダ様は火属性なのか、…………カッコいいな。


「ちなみに魔法とは本来、適性さえあれば簡単なものなら誰でも使えるものなのだが………お前が使うには少し問題があってな」


そう言ってヒルダ様は手にある火をフッと吹いて消した。


あんな熱そうな火を息で消せるって………いや、おそらく魔法だからだな。


いや、今はそれよりも……


「………問題ですか?」


「あぁ、大きな問題は1つ、それはお前の魔力量だ」


魔力の量?………もしかして……


「少なすぎるとかですか?」


「その逆だ、むしろ多すぎるんだ、恐らく量だけなら魔王様に匹敵ひってきするくらいにな」


「!?」


その言葉に俺は驚愕きょうがくした!


魔王と互角とかどんだけだよ!?


「そして、その多すぎる魔力をお前が扱えないのが問題なんだ」


ヒルダ様がそう言ってタメ息を吐いた。


………ん?魔力を扱えてないって事は………。


「えっ、それなら魔力をコントロールするための修行が第2の試練ですか?」


「いや、それはまだ早い。そもそも今のお前が下手に魔力を使おうとしてみろ、そんな事したら………」


ヒルダ様がそこまで言って言葉を切り、真剣な表情でこちらに視線を向ける。


「………したら?」


「おそらく前回の跳躍ちょうやくと同様に暴発するだろう、下手したらそのまま身体が破裂する」


「ッ!?」


あまりにも予想外の言葉に俺は咄嗟とっさに言葉が出なかった。


あれは魔法じゃなくて魔力の暴発だったのか。


「言うなれば今のお前は身体に爆弾を抱えているようなものだ、加減1つでドカンとくような特大のな」


「………ゴクッ」


「それほどまでにお前の魔力は強大と言うことだ、前回は土壇場どたんばの集中力でたまたまあの程度の怪我けがで済んでいたという事だが………次も同じとは限らん」


その言葉に俺はどう言えばいいのか分からなくなって沈黙してしまった。


「………が、それなら身体が破裂しないように鍛えればいい話だ」


「ッ!?」


そう言いながらヒルダ様がニヤッとした!


ヤバい!ものすごく嫌な予感がする!


「それって、いった「よって!第2の試練はお前の肉体の耐久力を鍛える為にある者達と組手をしてもらう!」


ダメだ!もう俺の言葉は耳に入れてもらえない!


「…………えっと、あ、ある者達とは?」


せめてまともな人が相手である事を願って、俺は言葉を絞り出した。


「あぁ、お前の次の相手は……おい!待たせたな、入ってくれ!」


そう言ってヒルダ様は扉の方へ声をかける。

………外で待ってたのかよ。


そんなくだらない事を考えてた俺はそのあとに入ってきた相手を見て絶望をした。何故ってそれは………


『ガチャ』「オウ、勇者!生きてたか!」


「あ、あぁ、それより………」


どうか相手がこいつではない事を願いながら俺は続ける。


「俺の相手って………お前か?」


「ん?少し違うがそうだな!」


少し違う?

何が少し違うのか分からない俺はしかし、相手がこいつなのを知って自分の死期をさとっ……


「俺だけじゃなく、俺達オーガ10人が相手だ!」


「…………oh」







全長2メートルを軽々と超える巨体と、某格闘ゲームキャラ並の筋肉を持つ鬼、豪鬼(オーガ)


彼がそう言った後、後ろで控えていた残り9人のオーガが入ってきた現実を目の当たりにし、俺はこの世とのお別れを覚悟した。



…………ヒルダ様は楽しそうだ。

なんか微妙に盛り込みすぎた?


とりあえず地獄は続きます。





次話は出来るだけ早めに書けるように頑張りますので暖かい目で見守ってください。

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