第二十二話 矢口藍久の魅了
第二十二話 矢口藍久の魅了
「うわわわっ!! どいてどいてーーっ!!」
「ん? 何かな――――ぐはぁっ(キラッ☆)!!」
「いたたた……。あっごめんね成瀬君。ポケットから落ちたビー玉を追いかけてたら、踏んづけて滑っちゃったんだ」
「大丈夫だよ。インパクトの瞬間に☆を飛ばして衝撃を弱めたから、大したダメージは受けてないのさ」
「? ちょっと何言ってるかわかんないけど、平気そうでよかったよ」
「ところで、十字君。少し僕の悩みを聞いて貰ってもいいかな?」
「僕でいいなら聞くよー。どんな悩みなの?」
「実は、僕はとても美しいのに何故か女の子にあまりモテないんだ」
「えっと…………」
「美しい物を人が好むのは自然の摂理だが、そんな美しい僕に好意を持って話しかけてくる女の子は少ない。どうしてなのか。僕の美しさを理解してくれる人はいないのか!!」
「……その性格のせいだと思うなー、僕は」
「そりゃあ、成瀬よりもモテるやつがいるからに決まってんだろ」
「相馬君、それは本当かい!? つまりこの僕よりも美しい男子がこの世界に存在すると!?」
「おいおい、知らないのかよ。矢口のこと。ほら噂をすればだ」
『重たそうだね、持ってあげるよ。資料室まででいいかな?』
『あっ藍久君、ありがとう///』
『確か大会が来週だったよね? 掃除は僕が代わってあげるから、早く部活に行きなよ』
『すまん、藍久。助かるぜ! サンキューな!!』
「ああいう風に男子女子問わず親切で物腰が柔らか。さらに運動神経が抜群で、ルックスもかなりイケてる。それに何と言っても秀才で、常に学年トップ。ほら入学式で新入生代表の挨拶してたろ。見覚えないか?」
「いや、僕は式中は僕のカッコイイポーズを考えるのに夢中だったから」
「当然、女子からの人気は校内ダントツだ。だから彼女がいる男子生徒はあまり矢口に関わらないようにするらしい」
「何で?」
「もし彼女が矢口と顔を合わせることになったら、取られちゃうからな。彼女のハートを」
「やあ、十字君、一君、守斗君。今日もいい天気だね。こんな日はお日様の光を浴びながら爽やかにテニスをすると、気持ちいいだろうね」
「僕の名前知ってるの!?」
「俺達の……いや学年全員のフルネームを覚えてるんだな、きっと」
「君が藍久君か……」
「うん、そうだよ。守斗君は格好良くて素敵だなと前から思ってたんだ。仲良くしようね」
「……(ポッ///)」
「「それはマズいよ!!」」
『好江ちゃん、急に立ち上がってどうかしたの?』
『今、BLの波動を感じたわ……!』
以前Twitterかなにかで、横軸に学力偏差値、縦軸に顔面偏差値をとった平面グラフで、描かれた線が二次曲線として描かれていたのを見ました。
要するに偏差値が低いほど顔は整い、中くらいになると最も顔が良くなく、その後は偏差値が高くなるにつれて加速度的に顔も良くなる、ということを示したグラフでした。
おそらく正確なデータに基づいたものではなく、「これって、わかるよね」というネタ画像だと思っていますが、確かに言われてみるとあながち的を外してないようにも思われます。単なる印象だけかもしれませんが、イケメン・美人なのにバカ、あるいはその逆で、イケメン・美人でかつ高学歴、みたいな人ってなんとなく多いような気がします。
むりやり理論をこじつけるなら、バカはバカゆえにファッションや美容に力を入れるし、賢い人は見た目を取り繕うためにファッションや美容を気にする、ということなのでしょうか。
ただまあ、普通くらいの学力偏差値の人でもイケメン・美人はもちろん数多くいるので、所詮は「まあ言われてみれば、そんな気もしなくもない」程度のネタなのでしょうね。




