表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士に成りて王国を救う。  作者: いこいにおいで
騎士になるには兵士から
6/240

戦争に参加します

 宿に帰ると案の定というか、ランスが戦争の話を持ってきた。


「なぁヨハンは聞いたか?」

「戦争の話か?」

「そうだ。なんでもそれに志願したら兵士に成れるらしんだよ」

「臨時じゃないのか?」


 ヨハンから臨時などの言葉出るなど、俺は勉強したかいがあったと泣けてくるね。

低スペックから中スペックへ、いつかは高スペックになって見せるぜ。


「それはわかんねぇけど、活躍すれば正規兵にしてもらえると思うんだよ」


 ランスの行っていることは正しい。

共和国との戦いでそこそこの活躍をすれば、兵士として取り上げてもらえるはずだ。


「まぁ、そうかもな」

「だろ。だから俺はこの戦争に参加しようと思う」

「そうなるよな。俺も行くよ」

「いいのか?」

「俺はお前と一緒に騎士になるんだろ?行かなくてどうするよ」

「そうでなくっちゃ。行くぜ、兄弟」

「おうよ」


 ランスと共に戦争に参加を決めて、夜が明けるのを待って、すぐに俺達は志願兵になるべく王都にある兵士宿舎へとやってきた。


「スッゲ~な」


 古ぼけた館を宿にしている俺達からは、かけ離れた立派な建物が立っていた。


「本当にここでいいんだよな?」

「お、おう」


 俺達は戦闘時に着るようにしている服と鎧を見に着けてやってきた。


「うん?お前達はなんだ?」


 立派な鎧に身を包んだ青年がこちらに声をかけてきた。青年は髪を短く切り揃え、好青年という感じの色男だった。


「私達は志願兵としてきました。ランスです」

「ヨハンです」

「おう。それは助かる。今は人手が足りないからな。とりあえず名前を書いてくれ」


 青年に連れられて、受付に行くとゴツイ顔をした男性が受付に座っていた。


「ドリー、どうしたんだ?」

「この二人が志願兵として来てくれたんだ」

「おう、その心意気は良し。俺がガンツだ。よろしくな」


 ゴツイ兵士は立ち上がり握手を求めてくる。

ガンツとドリーの名前に聞き覚えがあったが、モブキャラだったのか、すぐに思い出せない。


「よろしくお願いします」


 ランスは元気に挨拶をして握手を返す。


「よろしくお願いします」


 俺は冷静に返事をして、握手をした。


「とりあえずここに記入だな」


 志願兵に名乗りでた者の名前と得意な武器を書きこむだけの簡単な受付だ。


「第一陣はすでに出撃していて、今志願してくれた二人は第二人の兵士として出陣してもらうことになる」


 名前を書き終えると、ガンツがこれからについて説明してくれた。


 現在三将軍の一人が先陣として出陣しており、後続の第二陣として参戦する。

指揮官はこの国で一番有名な将軍で姫将軍の異名を持つ、ミリューゼ王女だ。

 王国始まって以来の才女であり、騎士としての腕も確かなものをもっている。ゲームでもメインヒロインだ。

 確か、最初の戦争で王女を見て、ランスが一目ぼれするのだ。


「「よろしくお願いします」」

「おう。出陣は明日早朝からだ。出陣式もあるので、なるべく早く集合していてくれ」


 ガンツの説明が終わり、俺達は一旦装備を整えるために宿へと帰った。


「よし!これで俺も兵士だ」

「おいおい。まだ気が早いだろ。活躍して初めて兵士だろ?」

「俺は絶対に活躍する」


 まぁ、ランスはこの戦争で活躍する。

ゲームではこの戦争で活躍しなければシナリオ上進めないから、絶対に活躍するようになっているのだ。


「そうだな。俺も頑張るよ。それよりも装備をちゃんとしておこうぜ。俺は死にたくないからな」

「そうだな」


 それぞれの武器の手入れをして、予備の武器とアイテムを買いに行く。

俺は手投げ斧や、魔力、体力を回復させるアイテムを買い。ランスにも予備の剣と回復薬を渡しておく。

 食料は支給されると思うが、念のために水と保存食の確保はしておく。

なんやかんやと荷物が多くなるが、何かの時には大切なのだ。


「心残りはないか?」

「俺、メリルさんに会ってくるよ」


 ランスは突然パンの、美女の名前を口にした。

こいつも主人公をしてるんだなとニヤニヤしてしまう。


「おう、行って来い」


 どんな美人かみたいが、今はランスのイベントを消化させてやる方が先決だと身を引いて、荷物を置いてからいつもの図書館に赴く。


「いらっしゃいませ。あっヨハンさん」

「アリスさんこんにちは」

「なんだか、今日はいつもより精悍な気がしますね」

「そうですか?ああ、俺志願兵に志願したんです」

「えっ!」


 俺の言葉にアリスが戸惑い驚いた表情をする。眼鏡のから見える瞳が潤んだようにも見える。


「わっ私が不安だって言ったからですか?」

「ああ、まぁそうかもしれませんね。アリスさんの不安を少しでも取り除けるように頑張ります」


 まったく考えてなかったが、上手いこと言っておけば好印象だろ。


「ヨハンさん!」


 いきなりアリスが立ち上がり、俺を抱きしめる。


「えっえっ」

「私、嬉しいです。私のためって言ってくれる人なんて初めてで」


 どうやら思った以上に好感触だったらしい。


「私、ヨハンさんの帰りを待っています。無事に帰れるように祈っています」


 そういうとアリスにキスされる。

アリスの方が歳上な筈なのに、不慣れなキスで歯と歯がぶつかって痛かった。

それでも眼鏡美少女にキスをされるのは悪い気がしない。


「頑張ります」


 俺は照れて、そんなことしか言えなかった。

いつもの通り勉強するなど、できるはずもなく嬉しさホッコリしながら宿へと戻った。


「ヨハン、お帰り」


 そこには部屋の隅で三角座りで蹲るランスの姿があった。


「どっどうしたんだ?」

「メリルさんに怒られた……戦争に行くなんて最低って……」


 ああ、そう言えばメリルイベントは戦争から帰ってからだったな。

まぁまだ次があるさ、気を落とすなランス。


「大丈夫だって、ちゃんと帰ってきたらメリルさんも許してくれるよ」


 確か喧嘩別れして帰ってきたら、心配してたって抱きしめてくれるはずだ。


「そうかな?」

「おう、だから頑張れよ」

「俺、頑張るよ」


 若干だが元気を取り戻したランスにホッとしながら、眠りについた。





 名前 ヨハン

 年齢 14歳

 職業 冒険者(ランクC)戦士

 レベル 18

 体 力 150/150

 魔 力 51/51

 攻撃力 108

 防御力 100

 俊敏性 132

 知 力 101

 スキル 斧術、3/10、経験値アップ

 魔 法 ヒール、1/10、ウォーターカッター、1/10


 スキルポイント 8


いつも読んで頂きありがとうございます。


現在のステータスを書いてみました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ