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騎士に成りて王国を救う。  作者: いこいにおいで
騎士になるには兵士から
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山賊討伐 終

ブックマーク、評価頂きありがとうございます。

大変励みになっております\(^o^)/

 右手に炎を、左手に風を生みだした俺は、時を待った。


 ドシッドシッドシッと奴の歩く音が聞こえてくる。


 確実に奴が近づいている。いくら強い相手でも俺達二人ならば倒せる。ランスが横にいるだけで、俺はそう思えた。


「来るぞ!」


 俺の声にランスが翔る。俺の中で閃きが生じ、火と風が合わさり稲光を作り出す。

オーガの影が現れ、稲光がランスの剣に吸い込まれ、ランスが振り下ろす剣はイカズチの輝きを持っていた。


「ユルサヌ!」


 オーガも叫び、ランスの剣を受け止めようと、二本の剣を交差させる。

三つの剣がぶつかり、ランスとオーガがすれ違う。


「ランス!」


 俺の叫びが引き金になったのか、ランスの剣が折れた。

ランスは負けたのか?一瞬俺は次の魔法を発動させようと右手に土を左手に水を生みだしていた。


「勝ったな」


 そんな俺の叫びに応えるようにランスが勝ち名乗りを上げて右手を突き上げる。

オーガの体は真っ二つに切り裂かれ、倒れて行った。何が起きたのかわからなかったが、フリードが美女を連れて出てきた。リンやメイまで姿を表した。ようやく戦いは終わったのだ。


「ヨッシャー!」


 俺も気付けば叫んでいた。圧倒的な強さの鬼人族を倒せたのだ。

ギリギリだっだ。ランスの剣が折れて、魔法も効かなければ勝てなかった。


「喜び過ぎだ。まだ俺達の任務は終わってないだろ」


 山賊狩りはミッションコンプリートだ。最初に出会った5人組が山賊の生き残りだったのだろう。メイを連れていたのは、オーガから逃げてお金を作るためだ。ランスが言っているのは。


「そうだったな。二人をちゃんと国まで送り届けよう」


 獣人の姉妹が感動的な再会を果たして抱き合っている姿に、仕事は終わっていないと思い直した。


「彼女達の話もあるからな、できれば本国まで送り届けたいが」


 ランスはメイの話に出てきた。影に襲われたということを言っているのだろう。


「いや、獣人国の国境沿いに行けば多分大丈夫だ」

「どういうことだ?」

「まぁ言って見ればわかるさ」


 俺は姫様を助けた後のシナリオを知っている。彼女達を探していた捜索隊が国境沿いまで来ているはずだ。ゲームではその捜索隊に引き渡せば問題なかった。

 メイの存在やオークは想定外だったが、なんとかランスが姫様を助けるミッションは達成したのだ。

これでゲームのシナリオ通りならば、戦争は回避できるはずだ。


「改めて自己紹介させてください」


 俺とランスの話し合いに先程の美女が話しかけてきた。


「ええ。助かります。俺は冒険者をしているヨハンです」


 俺は魔法師団所属であることをあえて隠した。ランスにもそうするように、脇腹を小突いておく。

しかし、心配するだけ無駄だった。ランスは固まって言葉が出てこないようだ。


「こっちの固まっている奴が、俺と同じ冒険者でランスといいます。どうにも美女に弱いもので」


 一向に名乗らないランスに代わって自己紹介してやる。

美女は、ランスを見て可笑しそうに笑っていた。やはりヒロインは主人公に惹かれるものなのだろう。


「お二人が勇敢に戦ってくれたこと、心より感謝いたします。勇敢なあなた方には私の本当の素性を知っていただきたいと思います。私はエルドール王国が第一姫、キングティア・キングダムと申します。あなた方にお願いがございます。どうか、私達をエルドール王国まで連れて行ってはもらえないでしょうか?もしもエルドール王国まで来て頂けるのなら、格別のお礼をさせて頂きます」


 獣人の姫さんは礼儀正しくお辞儀する。

俺は知っていたが、姫だと知らなかったフリードやリンまで唖然としていた。


「どうか、私のことはティアとお呼びください」


 ティアはランスと俺に愛称を呼ぶことを許してくれた。

これは獣人にとって最大限の親愛の情が込められている。求愛の一歩手前、友人としてあなたを愛していると告げているのだ。


「長い名前だったから助かるよ。俺のことはヨハンでいい。さっきから固まってる、こいつもランスで」


 俺はランスに代わり、軽い挨拶をしておく。ヒロインに嫌われたいとは思わないが、好かれようとも思わない。

 ヒロインだけあってミリューゼ様もティアも絶世の美女なのだ。だけどかかわってはいけないと俺の勘が告げている。


「元々メイを見つけたときから、あなた方を王国に送り届けるつもりでしたよ。ご安心ください」

「ありがとうございます」


 俺の言葉にホッとしたのか、ティアの顔に疲労が見て取れた。


「ずっと捕まっていて、疲れたでしょう?まずは食事としばしの仮眠をとってください。出発はそれからで」


 俺の気遣いにティアはすまなそうに頭を下げ、俺達は拠点にしていた洞窟へと戻った。

オーガに関しては倒した証拠として、角を切り取り持って帰る。


 出発の前にしばしの休養をとっている間、ステータスを表示する。


 名 前 ヨハン

 年 齢 14歳

 職 業 冒険者(ランクC)戦士、エリクドリア王国第三魔法師団所属

 レベル 38

 体 力 130/320

 魔 力 56/208

 攻撃力 198+10

 防御力 253+10

 俊敏性 254+10

 知 力 221


 スキル 

 斧術 5/10

 投擲 2/10

 攻撃力上昇

 防御力上昇

 敏捷性上昇

 体力自動回復

 魔力消費半減

 経験値アップ

 アイテムボックス


 魔 法 

 ヒール       5/10

 ウォーターカッター 4/10

 ファイアーアロー  2/10

 ファイアーボール  1/10

 ストーンエッジ   1/10

 ウィンドーカッター 1/10

 ライト       1/10

 サンダー      1/10

 アイスカッター   1/10 


 兵 法 背水の陣


 協力技 雷神剣


 スキルポイント 25


 オーガを倒したのは相当な経験値だったらしい。レベルが一気に上がっている。

戦闘中に閃いた複合魔法、氷と雷も使えるようになっているし、オーガを倒した一撃は協力技だったらしい。

 ステータスを見ると段々とチートになってきていると思うが、魔法は1ばかりだ。

攻撃力や防御力も、やっと人並みの兵士クラスになった。騎士を目指すなら、この倍は必要だろうな。

 それにしてもオーガのような上級の魔族を倒せたのは大きい。ランスの活躍は国中に轟くぞ。


 オーガを倒した成果を改めて実感した。



いつも読んで頂きありがとうございます。

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