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騎士に成りて王国を救う。  作者: いこいにおいで
騎士になりました。
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戦争再開

 戦争の狼煙が上がったのは以外にも最西からだった。


 死の大地と化したシンドリアにて、闇法師が魔物の軍勢を率いて辺境伯ベルリングの一族に襲撃をかけた。迎え撃つは現当主であるリロード・ベルリングであった。

 強襲されたことで、一時闇法師のモンスター軍団が押していたが、辺境伯の領内中心部まで進軍した闇法師はその歩みを止めることとなった。

 リロードがとった策は、迅速な逃げの一手だったのだ。自らの領内に住む者をできるだけ王都側に逃がし、戦える者は辺漂伯が立てた砦内に籠城戦を取った。

 自らの領内であったこともあり、備蓄は多く。また王国側は新体制になり第二軍が力をつけつつあったこともあり助力は早かった。辺境伯領内は第二軍総大将ランスが故郷であったことも早急な行動がとれた要因と言える。


 第二軍の迅速な援軍により、劣勢だった辺境伯領は盛り返すことができた。


「第二軍将軍が一人、ルッツである」


 ランスと共に出世を果たしたルッツが別動隊として辺境伯の救援に現れた。ルッツも一度辺境伯領に任務できたこともあったので、白羽の矢がたった。

 ルッツもランスと共に成長し、今では一軍の将にまで出世していた。本来であればランスが行きたかったのだが、中央に黒騎士がアリルーア砦にて陣を構えているので、王都との境目に新たに砦を建造した。建造された砦はランスと名をつけられ、ランスはそこから動けなかったのだ。


 辺境伯領では、資源が豊富にとれるため重要拠点の一つとされている。シンドリア行われた兵器は大地を死地へ変えてしまうため帝国側としても望ましい結果ではなかったということだ。今回、闇法師がモンスターを連れてきたのも彼らならば死の大地で死んでしまうことはないという、闇法師の行動も理解できる。


「と、いうのが今回の報告です」


 俺は自らの知識が正しかったことを思い知る。敵が責めて来る日時や場所は合っていた。しかし、ゲームの中ではランスの戦いが中心であり、辺境での戦いは正直わからない。

 それもこれから帝国との戦いが本格的になる以上、少しでも情報を思い出したい。俺は部下たちが成長を遂げる間に自分の記憶を書きだした。それは戦闘に使われる地理や八魔将の能力、そして生き残る術を……


 サクの報告を聞くために、執務室には主要メンバーがそろっていた。


「こちらに来るのも近いうちか?」

「そうだと思います」

「精霊領に人を回す必要があるな」

「はい。誰を向かわせますか?」


 サクの言葉に集まったメンバーを見る。第二軍ほど人手に余裕があるわけではない。第三軍では誰を出しても人数の制限がかかってしまう。


「アイス、とりあえずは偵察のために行ってくれるか?」

「承知しました」


 狩人であるアイスならば調査に適任だと判断した。元々南のツリーハウスはアイスがいなくても完成しつつある。何より兵士たちの家族も移住し終え、住人の問題もなくなってきている。

 すぐにガルガンディアまで攻めてくることはないため防備を固める必要はない。それでも、万が一を考えなければならないため兵士は残す必要がある。


「そうだ。アイス、今回はミリーは置いておいてくれ。五千の兵を連れてゴブリンの砦を経由して、国境の街に入る」

「かしこまりました」


 アイスの返事に頷き、ライスを見る。


「ライス、畑はどうだ?」

「開拓は進んでいます。しかし、すぐに成長は望めないためまだまだこれからとしか」

「そうか、続けて開拓を頼む。セリーヌ領の様子は?」


 セリーヌ領近くで演習を行ったのには意味がある。サクがセリーヌの味方だとはわかっているが、それでも俺は隠すことはしない。


「現在は動きはありません」


 サクの報告に頷く。セリーヌ領には、ランス砦とは別にセリーヌを大将とした第二軍別動隊が滞在している。巨人族襲撃から、物資の運搬は行われなくなった。しかし、アリルーア砦への襲撃や、第二軍の作戦を手助けする上で重要な拠点なのだ。

 さらに、こちらへのにらみを利かせているので、こちらとしても警戒せずにはいられない。


「そうか、なら問題ないな。ジェルミー、リン。後は頼むな」

 

 二人の忠臣にガルガンディアの事を頼み。俺はアイスと共に精霊領へ向かうことを決意した。


「防衛はライスとミリーに頼むので、何かあればサクに相談してくれ」

「はっ!」

「以上だ」


 ゴブリン達、オークたちには独自の生活を送ってもらっている。もちろんこちらとの連携連絡係は、いるが本格的な戦争にならない限りは自由を許した。

 シェーラの家族であるエルフたちもガルガンディアではなく。精霊領へと住まいを移してもらった。シェーラは今もガルガンディアで狩りをしながら伝令役をしている。

 ガルガンディア式軍隊訓練の時は、死人が出ないように監視役などもしてくれた。


「シェーラはどうしてる?」

「今は影の指導をしてもらっていますよ」

「そうか、なら今回は護衛に着いて来てほしいと伝えておいてくれ」


 俺は影たちにも指示を伝え、全員の行動を決めると自分の旅の準備をするために執務室を後にした。

いつも読んで頂きありがとうございます。

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