夜行バスで大惨事!
これも10年から15年程前の話なので相当記憶が曖昧なのですが、私と友人二人で大阪にあるUSJへと夜行バスで遊びに行こうという事になったんです。USJが出来て、それほど経っていない頃です。
出発は確か深夜0時前後だったと思います。朝方に大阪へ到着するという行程でした。
バスは順調に運行しており、徐々に他の乗客たちも睡眠に入る人が多くなってきていました。そんな中、観光バスで寝るという事が苦手な私は、その時もあまり深い睡眠に入る事が出来ず、うつらうつらとしていた状況だったんです。
2~3時間程度走った頃だったでしょうか。それが起こったのは……。
急にぐぐぐーーっと体が前方に投げ出され、前にある椅子に押し付けられるようになってしまったのです!脚のすねあたりに圧迫感を感じました。
「何なのーー!?」と思っていた矢先、ガシャーーン!!ととてつもない衝撃と爆音が車内を襲ったのです!!
そしてバスは急停車しました。
私や友人を含め、他の乗客たちも「何だったの?」と只々呆然……。
夜行バスだったので、その時窓のカーテンは完全に閉められた状態だったのですが、ある乗客が気付いたのです。外にオレンジ色の光があったのを……。
それは、車が炎上していた光だったんです!!
正に今、私たちが乗っていたバスが前方の乗用車へと突っ込み、炎を上げていたのです!!
「車が燃える」という非現実的な出来事が目の前で起こっていたとしても私たちには成す術もなく、ぼーっとただ座席へと座っているしかありませんでした。「車の中の人は大丈夫だったのだろうか?」――そんな不安は私を含め、他の乗客たちにもあったと思います。
それからの記憶は非常に曖昧です。深夜だったため疲れていたという事もあったのだと思いますが、これほど大きな出来事のほとんどを覚えていません。
ただ、最寄りのSAへ他の乗客たちと共に向かった事は覚えています。それ程距離が離れていなかった為徒歩で向かったのか、バスをそのままSAへと向かわせたのか、その辺りはほとんど記憶にありません。恐らくですが炎上している車をしっかりと見た記憶は無いので、後者の手段を使ったような気がします。
SAで足止めを食らった時に分かった事なのですが、炎上した乗用車は始めに別のトラックと事故を起こしていたのだそうです。その為、一番左側の車線の隅で停車していたところを私たちの乗っていたバスが突っ込んでしまったという状況だったようです。
幸いにも、乗用車とトラックのドライバーは車外で待機していたため無傷でした。本当に不幸中の幸いだったと思います。
また、バスの左前方(乗客が乗り降りするところ)がぐちゃぐちゃに潰れてしまっていて、その衝撃の大きさを再確認しました。当然、警察もやってきて物々しい雰囲気に……。
結局代わりのバスを再び同じバス会社が手配することになりました。つまり、今までバスに乗っていた時間――2~3時間ほど暇をもて余すことになってしまったのです。
そのままバスの中にいたのか、SA内で時間を潰していたのか、その辺も覚えていません。かなり記憶がとびとびになっています。
ですが、疲れは確かにあった筈なのに何故かそれが苦だったというようには感じていなかった気がします。皆、妙な興奮状態のようになってしまっていたのだと思います。
最終的に大阪へ到着したのは大分明るくなってからでした。お昼近かったような気がします。
その日は一日市街で遊んで、次の日USJに行くことになっていたので本当によかったです。さすがに体力・気力共に疲れきったその日にUSJへ行く気にはならなかったですから。
とにかく、バスの乗客、ドライバー、乗用車とトラックの運転手……誰も大きな怪我をされた方がいなくて良かったです。
もし、乗用車の運転手が車内に残っていたら……そう思うと未だにゾッとしますね。
さすがに死傷者が出ていたら、このような場でエッセイとして書くなんて出来ませんから。