手術中、麻酔が切れた話
只々、イタイ話です。そのまんまの意味です。
私のエッセイ「子宮頸がん検診は絶対必要!!女性だけでなく、男性の皆様にも読んでほしい」はお読み頂きましたでしょうか?有り難い事に私の想像以上の反響を頂き、やっぱり「検査」ってあまり重要視されていないのかなあと思ったりもしました。
その後書きにちょこっと予告しましたし、タイトルを見ても分かる通りなのですが、チョコレートのう腫(卵巣の病気の一つです)の手術中麻酔が切れました(笑)
いや、もちろん笑い事ではないんですけど、今は笑い話で済んでます。
実はですね、私自身「麻酔効くのかな~」って少し不安だったんですよ。
あれは、私がまだ保育園の時でした。
幼かった私は、恐怖というものを知らず、滑り台を「滑る所」から登って行ったんですね。そうしましたら手が滑ってしまい、ゴツンと顎をぶつけてしまったわけです。(決して、滑り台で手が滑るというオヤジギャグではありませんよ!滅茶苦茶つまらないですし)
その後、何故か周りにいた皆が私をじろじろ見ているんです。「何でだろう?」と思ったら、顎がぱっくり割れていたみたいなんですよ。「みたい」というのは、自分自身全く痛みを感じなかったので気が付かなかったんです。
その後病院に行き、即、縫合手術となりました。
その時ももちろん麻酔をしたんですが、何故か手術の最中目が覚めてしまったんですね。痛くは無かったので麻酔は効いていたと思うんです。
手術する時って、とっても強い光を当てられますよね?あの光が私を照らしていたのを今でも覚えています。目を開いた私は、先生が「あー何かやってるな~」って考え事していました。
その後記憶が途切れるので、その後再び麻酔をされたのか、それとも自分自身で眠りに入ったのかは覚えていません。
ただ、このような体験があったので少々チョコレートのう腫の手術にも不安はあったのは事実なんです。ですが、顎の手術の時は目は覚めてしまいましたが、痛みはありませんでした。ですので、その時も「大丈夫だろう」とあえて深く考えないようにしていました。
のですが……
こんな事ってあるんですね。思いっきり麻酔が切れましたよ!!それも2回も!!
手術する前に麻酔量を決める為に、身長やら体重やらを測ったような覚えがあるんですね。それで、患者にとって適切な量を決める事になる訳です。そちらも、しっかりやってもらいました。
時間にして30分程度で済み、「手術」と言うよりも「処置」という部類であると説明を受けたので、それもあってあまり不安にならずに挑む事が出来たんです。ここでは便宜上、「手術」と表記させて頂きます。
手術台に横になり、まずは問題の麻酔を受けました。それが、またとーーーっっても痛かったんです!!
いわゆる「筋肉注射」というもので、肩にぐっとされました。あまり直視できませんでしたが、刺された感覚としては、普通の注射の3倍くらいの太さと痛みを感じました。普通の注射は、なるべくそーっと刺されますよね?それが筋肉注射の場合、私自身の感覚では「ぶすり」という効果音が聞こえてきそうな程肩に強い衝撃を感じました。
注射で「衝撃を受ける」という表現自体がおかしいのですが、正にそんな感じだったのです!
それから次第に意識が遠のいていきました。「意識が戻った時には終わってるんだなー」って、そんな事を考えていました。
なのですが……
「痛み」はありませんでした。ですが、「意識」は確実にあった気がするんです。私もうろ覚えなのではっきりとは思い出せないのですが、恐らく、意識が戻ったり眠りに入ったり……そんな感じの事を繰り返していたのだと思います。
こんな状態でしばらくいたら、先生たちの声が薄っすらと聞こえ出したんですね。「あれ~?」と不思議に思っていると、それは突然襲ったのです!!
ここで、その時の私の状態を簡単に説明しておきます。
卵巣からどろどろの血を抜く手術をしているので、子宮の入り口から中の方へ器具を入れ、それを卵巣にぶすりと刺して血を抜くという手術だったんです。
正にですよ。その最中に麻酔が切れたわけです!!!
読者の皆様も想像がつくとは思うのですが、それはそれはとんでもない激痛が襲いました。
で、私は咄嗟に思ったのです。「この痛みを先生たちに知らせなければーーー!!!」と。でなければ、その激痛でショック死してたかもしれないです。
私は、「痛い!痛い!痛い!」と、痛いを何度も連呼しました。眉間に皺を寄せて、それくらい痛いんだアピールもしました。
そうしましたら、すぐ先生が気が付いたようで、麻酔科医さんに「何やってるんだ!!」と少しお怒り気味の様子でした。
その時の私は「そんな事より、早くあの注射してーーー」と、あれ程痛かった筋肉注射を一刻も早く打ってほしいと願っていたのです。とにかく「早く、早く~」と頭は半ばパニック状態。
麻酔科医さんが慌てて筋肉注射の準備をしているのを横目で確認できてしまえる程、私はあまりの痛みで意識は覚醒しっぱなし。その上、子宮の中に器具入りっぱなしの状態……。
麻酔の準備が完了した麻酔科医さんに再びぶすりと、それはとんでもない勢いで打たれました。麻酔科医さんもちょっとパニックみたいになってましたし、麻酔が切れるなんて想定外だったんじゃないかなと……。
ですが、筋肉注射の痛みなんて比にならない程お腹の痛みは激しかったので、とにかく頭の中は「早く注射して~、早く注射して~」と、祈り続けていました。
そして、しばらくすると痛みがすーっと引けていくのがわかりました。「痛いアピールして良かった~」とホッと胸をなで下ろしました。(誇張ではなく、本当にそう思っていました)目を瞑り、「2度も麻酔されたのだから大丈夫だろう」と思いながら眠りに入ったのです。
しかーーし!!
それでは終わらなかったのです。
手術終了間際、またあの痛みが……。その時私は「あ、来た」と変に冷静になっていました。ですが、直後再び我慢できない程の痛みが襲い、「痛い」連呼と眉間に皺アピールで再度筋肉注射してもらいました。
それから、しばらくして無事?手術終了。
私は麻酔が効きづらい体質なのでしょうか?
短編エッセイにも記しましたが、この病院の院長は婦人科で有名な先生で、県を跨いだ遠方から手術しに来られた方も大勢いらっしゃるようなのです。
もしかしたら、麻酔科医さんが不慣れな方だったのかもしれません。麻酔が切れた時、ものすごく慌ててましたし……。(当たり前だとは思いますが)
とにかく、「あー、痛かった!!」という話です。