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「だいだらぼっち」は本当にいると信じてる話

地震について触れている記述がございますので、苦手な方はお引き取り下さいませ。

 あれは確か私が小学校低学年の頃の事です。夏から秋にかけて――そのくらいの時期だったと思うのですが、はっきりとは思い出せません。

 実家は山と山に挟まれた田舎で、近くにはゴルフ場もあります。

 自宅で漫画を読んでいたような気がします。とにかく、テレビやラジオなど音を出す類のものは何もつけておらず、父や母も不在で一人部屋で過ごしていました。


 おそらく夕方5時前後だったと思います。ちょうど外の暑さが和らいで来て、陽も落ちてきたくらいの時間帯だった事を覚えています。


 それは突然起こったんです。


 ドーーーン!!!

 ドーーーン!!!

 ドーーーン!!!


 とてつもなく大きな音の直後、家が揺れるほどの地響きが起こったんです。それが、3回程度続いたのです。山の中だったので、その巨大な音は木霊(こだま)のように反響していました。そして、窓はカタカタと音をたてていました。

 「地震?」始めはそう思っていたのですが、「何かが違う……」そんな風に感じたのです。


 最近は地震が起こる事は珍しくはありませんが、それとは全く異なる揺れ方でした。その当時も今ほどではありませんが、もちろん地震が起こる事はありましたし、その度に家も揺れました。


 けれど、その時の揺れ方は地震とは違う揺さぶられ方だったと幼心にも感じたのです。


 地震が起こる時、まず始めに家からピシッと音がして、やがて大きな揺れへと発展していきます。当時住んでいた実家は平屋建ての古い建物でしたし、余計にそういう揺れ方でした。


 しかし、その時に起こった揺れは、本当に何の前触れもなく「ドーーーン!!!」という音の直後に家が揺さぶられる、そんな感じだったんです。イメージとしては、「巨人が体当たりしている」みたいな感じでしょうか……。

 でも直接家に体当たりする訳では無くて、巨人が大木に体当たりして、その反動が土を伝って我が家を揺らしている――そんな感じでした。


 その時、なぜか私は「だいだらぼっちだ!!」と思ったのです。「だいだらぼっちが大きな足で山の中を歩いている音なんだ!」と思ったんです。


 実はその当時、ある図鑑にはまっていまして、そこに妖怪について書かれていたのです。

 「巨大な体をした妖怪で山に住んでいる」

 そんな事が書かれていた覚えがあります。


 今考えても、後にも先にもあんな揺れ方をした事がありませんでしたし、それから私はだいだらぼっちを信じているわけです。


 このエッセイを書くにあたり、少しだいだらぼっちについて改めて調べてみたんです。


 各地に伝承があるようですが、多くは関東周辺の地域に集中しているようなのです。私の実家も関東の山中にあります。それを見て、ますます私は「だいだらぼっちを信じよう!」と思いました。単純ですよね(笑)けど、そんな事を大人であっても考えていいのではないだろうかと思うのです。

 また、「もののけ姫」に出てくる半透明の巨人?もだいだらぼっちのようですね。(作中ではデイダラボッチと表記されているようですが)そちらは「神」という存在で描かれています。


 不思議ですよね。「妖怪」でもあり「神」でもある。

 どうやら、大昔は山や湖を創ったと言われる「神」としての意味合いが強かったようですが、それがだんだんと大きく恐ろしい存在=「妖怪」として認識されていったようです。



 今でも、ふと「あれは一体何だったのだろう……?」と思う事があります。

 もしかしたら、とっても現実的な理由がそこにはあるのかもしれません。(たまたま近くで大木を切っていたとか。当時そんな事実は無かったと思うのですが、子供だったので全てを知っているわけではありません)


 けれど、私はだいだらぼっちを信じたい。


 そんなロマンチックで夢見がちなもの……そんなものを大人になった今でも、また、これからも信じ続けていきたいと思うのです。


 読者の皆様は、妖怪に出会った事がありますか?また、妖怪らしきものに遭遇した事がありますか?

 一読者として、そんなお話を読んでみたいものですね(*^_^*)






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