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~手記より
黒い夜空に映える月がとてもとても綺麗な夜のことでした。
月の光を受けて綺麗に輝く湖の近くに少年が倒れていたのです。
近づくとまだ息があるようで、呼吸音が聞こえてきます。放っておけばやがて死ぬでしょう。
そのまま放っておいても良かったのですが、連れて帰ることにしました。
彼が可哀想、という理由ではなく純粋に彼に興味を持ったからでしょう。
ここ幻想郷へ迷い込んでしまう人間は彼だけではないのですが、彼からは他の人間とは違う
「ある意味ではこちら側の」力があるようなのです。
そこで彼に問いかけました。「生きたいか」と。彼は答えました。「生きたい」と。
私の手をとった彼の瞳は蒼色でした。