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ルール中毒

 わたしは日常の細かな動作を自分が決めたルールに従って行うことが好きです。本の並べ方や、歯みがきの順番など――。特に小さい頃はそれが顕著で、不合理な謎のルールが生まれてしまうことがよくありました。いくつか紹介します。


①左右対称じゃないと気に入らない

 最古のルールだと思います。主に体に関することです。

 どうにも鼻の下――男性で言う鼻ひげに当たる部分――の産毛が左右同量ではない気がして、幼児の頃はそれがものすごく気になっていました。

 この部分です。


挿絵(By みてみん)


 日によって右側が多かったり左側が多かったりする気がするんです。そんなときは、真ん中の毛が一番多いと思っていましたから、真ん中から左右の少ないほうに産毛を移植していました――もちろんほんとに植えつけていたわけではないです。指でトントンと撫でながら、イメージでやっていました。産毛が左右対称になるまでは気になって眠れません。

 もうひとつは、指を左右同じ感覚に保ちたいということ。指をどこかにひどくぶつけたとします。すると片方の指だけが熱を持って、それが非常に気になるんです。そういうわけで、もう片方の指もどこかにぶつけます。これでスッキリ。

 なんともない指をわざわざぶつける行為はさすがにアブなすぎるので、のちには同じくらいの温度に温めるだけに落ち着きました。


②新しい遊び

 一時期、黒板を先生が書いたのと全く同じように写す、ということにはまっていて、ノートの見開き二ページを黒板に見立て、完全に黒板と同じ配置で写せるようにしていました。先生が使っているチョークと同じ色のペンを揃え、文字の色を合わせるばかりか、誤字脱字まで正確に写し取っていました。先生が文字を消したときは、わたしもノートの文字を消さなければなりませんでした。ペンで書いたところは修正液で消します。

 しかし、どうしても黒板とちがうことを書かなければいけない場面というのが幾度かありました。例えば、教科書の問題を自分でノートに解くときなどです。わたしはそれがいやだったので、解いているふりをして、先生が黒板に書くのを待ってから、やはり全く同じように写していました。


③汚したくない

 小学四年生のとき、新しい筆箱を買いました。わたしが小学生の頃は(今でも?)磁石つきの箱型の筆箱が流行っていて、わたしも例外なく箱型だったので、わたしはずっと布製の筆箱に憧れていました。ついに手に入れた布製の筆箱は、いちご柄のとてもかわいいやつです。あまりにかわいかったので、わたしは汚さないように、筆箱がちょうどすっぽり入るサイズのお菓子の箱に詰めて持ち運んでいました。「チョコあ~ん◯ん」の箱だったと思います。

 毎回箱から出し入れしていたのでクラスメイトにからかわれましたが、めげずに使い続けました。


 あまりにもこういったことにこだわりすぎると日常生活に支障が出てくるので、高校あたりで心を入れ替えて、あえて「テキトー」にすることを選びました。おかげで今では人一倍テキトー人間になれた気がします……むしろテキトーすぎるほど。

 しかしときどき「ルール欲」が再発してきて、ルールをつくってしまいます。例えば、なろう内ではいかなる場所――活動報告やコメント等――でも「…」を偶数単位で使用すること、(笑)のカッコは全角にすること、()内に「笑」を書きたいときは全角スペースのあとにカッコを入れずに書くこと、など(このように 笑)。

 このへんはおざなりにはできないのです。

 きっと誰しもこのような欲求は持っていると信じているのですが、どうなんでしょう?

 ルールを守って動いているときって、妙な高揚感があるんですよね。雑然とした動きばかりしていると、心が不安定になります。しかしあまりにもルールをつくりすぎるとがんじがらめになってそれはそれで憂鬱な気分になるので、その兼ね合いが難しいところです。

写真は「写真AC」からいただきました。

http://www.photo-ac.com/

わたしの鼻ではありません。(笑)

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