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十刻ノ月  作者: 牧田紗矢乃
参ノ日

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26/50

第陸刻 〈始まったカウントダウン〉

 二人が出会ってから、止まっていた時間が再び動き出した。

 それは同時に、自分たちが終わりへと向かって進み始めたということでもある。


 終わってしまうのは怖いけれど、なくなってしまうのは寂しいけれど、それもまた運命だと言うのならば、甘んじてそれを受け入れよう。

 運命がなければ、アナタとは出会えなかったのだから。

 多少の悪戯だって、許せてしまう。


 優しいアナタに抱かれていると、色々な感情が流れ込んでくる。

 それがアナタの感情なのか、それとも時間が進み始めたことで自分の中に生まれ出たものなのかはまだ分からない。

 けれど、それがあるおかげでこれまでモノクロだった生活が華やかに生まれ変わった。


 楽しさというものを知り、悲しみと言うものを知った。喜びというものを学び、同時に憎しみというものも学んだ。

 世の中にはまだまだ知らないものがたくさんある。

 これからももっともっと色んなことを知って、経験して、成長していくのだろう。その全てがいいことであるとは思ってもいないし、いいことばかりであって欲しいとも思わない。

 様々なことがあるからこそ、人生は面白いのだろう。


 但し、アナタと別れることだけは例外だ。アナタと別れることは考えたくもない。その日が来たら、自分もすぐにその後を追うだろう。

 そして、またアナタと出会える日を思い描きながら新たな旅に出るのだ。

 これまでだって幾度となくそうしてきた。


 中には、アナタと出会うことすら叶わずに時間切れを迎えることも数多くあった。

 別れの後、どんな姿をしているかも分からないアナタを探すのはとても骨の折れる作業だ。それでもアナタを求めてしまうのは、悲しい性というものだろうか。


 出会うまでが大変なだけに、出会えたときの喜びは筆舌に難い。

 アナタも、無意識のうちに体が反応する。

 お互いに惹かれあい、気がつけば一緒にいる。

 そこに、言葉は必要なかった。


 ああ、これが永遠――。


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