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十刻ノ月  作者: 牧田紗矢乃
参ノ日
23/50

第参刻 〈待ち焦がれたあなた〉

 ついに、来てくれたんだね。

 ずっとずっと待ってた。

 会いたくて、でも、会えなくて……。

 どこに居るんだろうって考えて、あちこち旅してみたこともあったけれど、それでも見つけられなかったアナタ。

 どれだけ待っても姿を見せてくれなくて、もしかしたら一生このまま一人なんじゃないかって不安だったんだよ。


 でも、運命の赤い糸って本当にあるんだね。

 アナタの方から会いに来てくれるなんて、思ってもみなかった。

 だから、最初は見間違いかもって……。

 でもね、アナタを一目見た瞬間に分かってたんだ。


「あ、この人が運命の人なんだ」って。


 でも、声をかける勇気は出なかった。

 手も足も震えて、その場に立ち竦んじゃって。ホントみっともないよね。馬鹿らしくって、笑っちゃうよ。


 だからこそ、アナタが声を掛けてくれた時は嬉しくて嬉しくて、声も出ないくらいだった。

 その間も、目だけはアナタから離れなかったんだよ。

 その動きも声も、一つ一つが愛おしくて、(まばた)きする時間も勿体無いくらいだった。

 だからこれからは、二度とアナタと離れないで済むように、その手をずっと握っていよう。どんな人込みでも解けてしまわないように、何重にも赤い糸を巻き付け合って。


 もちろん、近くにあるのは体だけじゃないよ。むしろ、心の方がすぐ近くに居る。

 何でも話そう。嬉しいことも、悲しいことも。

 全部分け合おう。楽しいことも、辛いことも。

 全部全部共有して、二人で幸せになるんだ。

 ね? 素敵でしょ?


 アナタに会ったら話そうと思ってたんだよ。きっとアナタも喜んでくれると思ったから。

 でも、その前に聞かせて欲しい。

 アナタがやりたいことや、なりたいもの。

 それを叶えるためならいくらでも力を貸すよ。


 ほんの些細な支えだけれど、それでもアナタが笑ってくれるならいくらでも頑張れる。

 だから、遠慮なんてしないで。ね?

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