ただの親切
俺「そんなに積むと危ないですよ」
そう言って、持っていた荷物の半分を自然に持つ。
女性「え……っ、大丈夫ですから」
俺「気にしないでください。で、どこまでですか?」
少し戸惑った様子のあと、女性は小さく頷いた。
女性「じゃあ……あそこの緑の屋根の家まで」
歩きながら、他愛のない話を少しだけ交わした。
目的地に着き、荷物を渡すと、女性は軽く頭を下げた。
女性「ご親切にありがとうございました。」
俺「いえいえ。次は無理して一度に運ばないでくださいね。」
それだけ言って、俺はその場を離れた。
しばらく歩いたところで、看板が目に入る。
俺「花の宿……」
宿と食事処か、ちょうどいいな。
(そういえば、まだ何も食べてなかったな)
そう思い出し、そのまま足を向ける。
店に入り、空いてる席を軽く見渡した。
すると端の席で、店員らしき少女の手を男性客が握っていた。
少女は明らかに困っていた。
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私「…あの、離してください。」
客「いいじゃん。もう少し話しようよ。ね?」
そう言いながら、私の手を気持ち悪い触り方をしてくる。
(どうしよう、埒が明かない…。)
そう思っていた矢先のことだった。
「何だか楽しそうですね。俺も混ぜ てくださいよ。」
そう言って、気づけばすぐ横に立っていた。
男性客の手が緩んだ。
その隙に、私はそっと手を引いた。
やっと開放された私は小さく息を吐いた。
助かった、という安心と同時に、状況がよく飲み込めないまま視線だけが動く。
(……この人、なにしに来たんだろう)
明るい声で間に入ってきた彼は、まるで最初からそこにいたかのように自然に立っている。
(……助けてくれた、のかな?)
視点変わってます。
分かりずらかったらすみません。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
また続きを書く予定です。




