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いざダンジョンへ!!

* * * * *

ダンジョンへの新規参入者を確認しました。

ステータス及びスキルの付与を実行します。

………完了しました。

個体名〔夜上陽向(やがみひなた)〕のステータスを表示します。

* * * * * 


 ダンジョンに入った瞬間、頭の中で女性のような無機質な声が響いたと思ったら、目の前に半透明な板が現れた。


――――――――――――

夜上陽向(やがみひなた) LV.1


HP:30/30

MP:10/10


攻撃力:14

防御力:16

魔 力:3

精神力:28

敏 捷:11

幸 運:8


スキル:トレード(U)

――――――――――――


(これがステータスってやつか。さっぱりわからんが、初期値としては良い方なのか?)


「ステータスは確認できたかしら?」


 宮前の問いかけに頷き修斗を見れば、得意そうに頷いて親指を立てていた。


「まずはステータス獲得おめでとう。基本的にステータスは他人から確認出来ないけれど、開示するという意思があれば他人にも確認可能になるわ。パーティを組むのに、開示を要求されたりすることもあるから、覚えておいて。ちなみにこんな風に一部分だけを開示する事も可能よ。ステータスオープン」


 彼女は手本を見せる様に、自身のステータスを見せてくれた。


――――――――――――

宮前花蓮 LV.81


HP:1760/1760

MP:2040/2040


攻撃力:627

防御力:723

魔 力:1360

精神力:847

敏 捷:1381

幸 運:43


スキル:風魔法(S)・剣術(C)

――――――――――――


「ちなみに私の切り札となるスキルは開示していないわ。念じながらステータスオープンと言えばこうやって他人にもステータスを見せる事ができるけど、貴方達も見せていいものとそうでないものはきちんと考えるようにね。ダンジョンの中では何が起こるかわからないから」


 彼女の言葉に嫌なニュースを思い出してしまった。半年前に宝箱から出た【万能薬】を巡りダンジョン内部での殺人事件が起きた。この事件は大々的にニュースで取り上げてられ、犯人はハンター資格剥奪のうえ、徴兵付き終身刑の判決を下された。今ではダンジョン関係の法律が整備され、件数が少なくなったが、ひと昔前までは、かなりのダンジョン犯罪があったらしい。

 そんな事件があったばかりなので、彼女の忠告は俺たちの気を引き締めるのに充分過ぎるほどの効果があった。


「はいはい。そんなに強張らなくていいわよ。今日は私が守ってあげるから、さっさとモンスターを狩に行くわよ」


 パンパンっと手を叩き、場の雰囲気を切り替えた彼女は、ザ・洞窟といった様相のダンジョンを歩き出した。

 

 ダンジョン内は、義務教育で観た映像と同じように、岩壁自体が青白く微発光しており、少し薄暗いながらも先まで見通す事ができた。たまに大岩があり死角になる箇所もあるが概ね問題はないように感じ大きく息を吐いた。


「全然いないな〜」


 モンスターを探しはじめてから十五分ほどがたったが、いまだ発見することができず、修斗は緊張が切れたようで頭の後ろで手を組み、通路に転がっていた石を蹴飛ばした。


「あれだけの人数がダンジョンに入ったのよ?一階層は多分狩り尽くされてるわよ」


「え〜!じゃあ二階層まで行かなきゃいけないの?」


「そうよ。二階層への階段に向かう途中でリホップしたのがいればラッキーぐらいの競争率になってるはずよ」


「それなら早く二階層に行って狩った方が効率がいいな」


「慌てる必要はないわ。どうせ他の受講者は二階層にはほぼ行けないから」


 他の受講者が二階層に行けないなら、効率はグンと上がるが、どうして行けないのかが気になる。


「なんで、他の受講者は二階層に行けないんだ?」


「単純な話しよ。スキルの連発でMP切れを起こして動けなくなる。それをフォローするのに、担当者もその場に留まる。その繰り返しで二階層まで来られる初心者がほぼ居ないのよ」


「なるほどね〜。なんか子供みたいだね〜」


「ほんと、それ!いくら注意しても言うこと聞かないバカが多くて困るのよ!こっちはやりたくもないお守りをやらされて、怪我なんかされようものなら、文句は言われ、ギルドからの評価は下がるしで踏んだり蹴ったりなんだから!」


「「た、大変だったんだね…」」


 鬼気迫る彼女の愚痴に、珍しく修斗が引いている。かくいう俺も彼女の苦労を理解しながらも、引いてしまった。


「ま、まぁ、貴方達はちゃんとわかってるみたいだから助かるわ」


「いや〜、そもそも俺たちスキルの使い方もわかんないし」


 フイっと赤く染まった顔を背け、取り繕う彼女に追い討ちをかけたのは修斗だった。俺には無理だ。お前が勇者だ!


「えっ?わかってて聞かなかったんじゃないの?」


 修斗の言葉にウンウンと頷く俺を見て、自分の勘違いに、ますます顔を赤らめた彼女は年相応に見える。


「お、落ち着くのよ!こんなのレッドワイバーンを狩った時に比べればなんともないわ!だから落ち着くのよ!」


 (いやいや、聞こえてますよ?というか、キャラが壊れてきてないか?)


「ん、んんっ。スキルの発動にはMPと想像力、そして発動の意思が必要よ。例えば私の風魔法ならこんな感じで風の"球"を"想像"して、"造る"という"意思"で発動するわ」


 彼女が(てのひら)を上にむけると、説明とともに直径10cmほどの球が浮かんだ。


「え〜っと、こんな感じかな?」


 そんな声に横を向けば、同じように(てのひら)を上にむけた修斗が、水の球を浮かべていた。


「あら、水魔法を取得してたのね。よかったじゃない。」


 2人が簡単にスキルを発動させていたので、俺も使ってみようと【トレード】に関する事柄を思い浮かべ、発動を念じるが…。


* * * * *

当該スキルの発動はキャンセルされました

* * * * *


(つ、使えない!?)


「どうかしたの?」


 スキルの発動がキャンセルせれ困惑する俺に、宮前が尋ねてきた。


「い、いや、スキルの発動がキャンセルされたってアナウンス?が…」


「あー。たまにあるのよ。貴方のスキルってスキル名の後に"U"がついてるでしょ?」


「そういえば…」


「それ、スキルのレアリティって言われてるんだけど、上からS・A・B・C・D・E・Fとあって、そこまでは普通に発動が確認されてるんだけど、Uだけは何故か発動が確認された事がないのよ。ギルドの統計では、Uランクのついたスキルは名称から超有用なスキルとは言われてるのだけど、世間じゃ発動すらしないゴミスキル、ハズレスキルなんて言われてるの」


「え?それじゃ俺ってスキル無しでモンスターと戦うって事?」


「まぁそうなるわね。元々スキルを使わせるつもりはなかったからいいんじゃない?どんなスキルがあっても、それに頼りすぎても強くはなれないし、戦い方、身体の使い方を覚えれば、それに関するスキルを覚えたりするから、気にする必要はないわ」


 スキルを使用しない戦闘っていうのは初耳だか、言ってる事は間違ってないように思う。


「スキルの事は一旦忘れて、早くモンスターを狩ろうぜ!」


 修斗の言う通り、早くモンスターを狩らないと、今日中に講習が終わらないし、お金も入ってこない。スキルの事は後で考えるとして、今やらなければならない事をしなければいけない。


「それじゃあ、先に進むわ…っ!二人とも早く構えて!敵よ!」


 宮前の言葉に反応した修斗は、素早く構えをとると、いつものチャラけた雰囲気が消えていた。やる時にはやるヤツだというのは知っていたが、こんなに真剣な姿は初めて見た。


 数拍遅れて俺も構えをとったところで、通路の奥からモンスターが駆け寄ってくるのが見えた。


「ジャイアントラットか」


 初遭遇のモンスターは、体長50cm程の黒毛の鼠型モンスターで、初心者ハンターの試金石と呼ばれる弱小モンスターの代表だ。それが三匹も固まってやってきた。


「おい!どうする!?」


「焦るな!動きをよく見ろ!そこまで素早い動きじゃない!ヒナタは左の一匹をやれ!俺は右の二匹をやる!」


「わ、わかった!」


 こんな時には、本当に頼りになる。修斗の動じない姿に、落ち着きを取り戻した俺は、初めての戦闘に突入した。

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