ディルカンの散策
私はようやくディルカンに到着した。ディルカンを敵の襲撃から守る街壁を見上げる。
入国料を払って、入国した。
賑わっている街中だった。
冒険者らしき格好の少年少女と通り越す。
幼い男児や幼い女児も何人も見かけた。
風船が飛ばされないように紐を握っていたり、ボールを胸に抱えていたりするのを見かける。
大通りの両側は何十軒もの露店が出ており、賑わいがすごい。
大通りを歩いていく私は露店の一軒一軒をじっくり物色していく。
豊富な果実を売っている露店や串に刺さった肉を売っている露店、しわがつかないように衣類を畳んで売ってる露店などが連なっている。
指輪やネックレスなどを売っているアクセサリー露店があったが露店なので安い品物だらけだった。
軒のところにパンが描かれた看板が下げられている店に入り、ショーケースに並べられたパンを幾つか色んな種類のパンを買って、店を出た。
出来立てと言われて買ったパンを紙袋から取り出し、齧りながら冒険者ギルドに赴いた。
二つのパンを腹におさめた頃、冒険者ギルドに到着した。
冒険者ギルドは何処の都市や街でも同じ造りをしている。
私は冒険者ギルドに脚を踏み入れ、カウンターへと進んだ。二組並んでいたのでその後ろに並ぶ。
私の番が来て、受付嬢に挨拶をされる。
「ようこそ、ディルカンの冒険者ギルドへお越しくださいました。どういったご用件でしょうか?」
「魔物の換金と魔核の換金、出来そうな依頼を一つ提示してほしい」
「まず冒険者証をご提示して頂きたく——ああ、お預かり致します。ええ……C級でしたか。パーティに属していたとありますが……」
「意見のくい違いがあったりして、抜けろという感じです」
「そうでしたか、これはどうも失礼しました。使えるのは火属性で間違いまりませんか?一応の質疑ですのでご機嫌を損なわれませんように」
「実は三つ扱えます。火属性に水属性、あと土属性を」
「そうなんですか!?現在ギルド長が不在でして、明日シェイラさんが扱える三属性の魔法を拝見したいのですが、明日は控えたご用件は有りますでしょうか?」
「見てないところを散策しようとしてみるつもりでしたので問題無いです。明日にはギルド長が戻って来れるんですか?」
「えぇ、明日には。あとは依頼の方と魔物の換金と魔核の換金でしたね。少々お待ちください」
紫色の髪の受付嬢は奥へと姿を消した。
私は戻ってきた受付嬢から依頼書を受け取り、引き連れて来た筋骨隆々なオジさんへ魔具鞄から7トルスはあるサンドリザード二匹とサンドリザードの魔核二つとサンドゴーレムの魔核四つを取り出し、渡した。
「一人でサンドゴーレムとサンドリザードを倒したっていうのかい!?たまげたわー!?あぁーっと……1限程経ったらおいで、お嬢さん」
「たまげた?どういう意味です?まぁ、その頃に戻って来ます」
「ホウゲンってやつで、驚いたって意味さ。おぉよ!」
冒険者ギルドに酒場のコーナーが設けてあるが、街中の酒場に食事をすることにして、冒険者ギルドを後にした。
大通り沿いの酒場に脚を踏み入れ、空いてる席へ腰を落ち着けた。
後ろの席から沈んだ声とため息が漏れたのが聞こえた。
冒険者パーティらしき4人の少年少女に声を掛けてみた。
「どうしたんですか、皆さん?困ってるようですが私に出来ることであれば手助けしますよ」
「困ってます。その失礼ながら、C級以上ですか?」
級が限られている厄介そうな依頼を抱えているようだった。
「私はC級です。級が下すぎて助っ人がいる感じですか?」
「そうなんですか。そうです……将軍ゴブリンが数体いるゴブリンの巣をたたくって依頼なんですが——」
《冬の木枯らし》というパーティはD級パーティでC級冒険者以上がディルカンに居ないらしく彼らに困った依頼が回ってきたとのことだった。
私は《冬の木枯らし》に臨時助っ人として共に行動することにした。
スウェーデン語でディルカンは崇拝です。