《葬儀屋》の攻撃
私がハンドラレ達と幌歩竜車に乗り、アウグストに向かって10日が過ぎた。
漸くアウグストが見えてきた。
3ロィストルス以内の距離でアウグストが近づいてきたと同時に、アウグストの端から敵意を放つ3つの生命体を感知した私だった。
「ハンドラレさんっ望遠鏡はありますか?」
「はいよ。なんだい、そんな殺気だって?」
私は望遠鏡をハンドラレから渡され、受け取り、望遠鏡を覗く。
「アウグストの冒険者で強者ってどのくらいいます?」
私はハンドラレに聞いた。
「強者って……10人は居るが戻っていないから分からんよ」
「緋髪を逆立てている槍使い……薄い紫髪の魔法使い……青髪の魔法使い?は分かるか?」
「《葬儀屋》という冒険者パーティの強い冒険者の3人だ!!シウテクトリにパテカトル……ヴィンセントだ。彼らが何じゃ!?」
「青髪の女が膨大な魔力の魔法を放とうとしてる!!私達に向かってね!」
「何じゃとぉ!!」
ハンドラレが唾を飛ばして叫んだ。
同行者の冒険者もハンドラレと共に慌てふためく。
「私がこの幌歩竜車を守るから!!死なないように身を守っといて!!」
私はそう言い残し、扉を開けて外に出て、幌歩竜車の箱の上に登って立ち上がる。
「無抵抗の私らを攻撃するって、どういうつもりだ!!《ベール・ビロイス》っていう冒険者パーティーーーッッ!!!」
アウグストまで2ロィストルスまで距離を縮めた幌歩竜車だが、アウグストの冒険者パーティのメンバーは魔法をまだ放とうとしない。
近距離でぶつける気か、クソっ!!
私は幌歩竜車が無事のような規模の防御魔法を唱える。
「■■■■■、■■■■■■■、■■■■■、——アイツサルズィーバッッ!!!」
幌歩竜車がアウグストまで1ロィストルス近づいた頃、森まで焼き尽くすような火炎の柱が幌歩竜車を包み込んで後方まで被害を出す。
「あじぃぃいいぃぃぃ〜〜〜〜っっっ!!!!!!アウグストの冒険者は馬鹿かぁホント!!!!」
幌歩竜車には被害は出ておらず、ひとまず一安心だ。
普通なら焼け死んだだろう火力の火炎を喰らったのに、シェイラは肌に火傷を負わずにいた。
幌歩竜車内にいるハンドラレや冒険者達は無事だろうかと不安になり、停まった幌歩竜車の天井にあたるところを降り、幌歩竜車の中を見ようとまだ熱い扉を脚で開けて、無事かを確認した。
「ハンドラレさん、皆さん、攻撃は防ぎましたけど大丈夫ですか?」
「……あぁぁ、うぅぅっっ……」
ハンドラレが呻き声で返事をした。
《葬儀屋》が防御魔法を解いていないところ、反撃があるとみているらしい。
私はムカついたのでアウグストが滅びそうな大きさの氷塊を防御魔法が展開しているアウグストに放った。
アウグストに張られた防御魔法は私の放った氷塊を粉々にした。
苦笑している緋髪の青年がアウグストから出てきて、私達の幌歩竜車に歩み寄ってきた。
「オレの仲間の火墓を受けて無事とは驚きだぁっっ!!高回復薬を持ってんのか、あんた?」
「防御魔法で無事だっただけだ。ロゼと同等かそれ以上の攻撃だった、冷や冷やしたよ」
「ロゼぇ?知らねぇ名だぁそりゃ。歓迎するぜ、あんた!!」
青年が片手を差し出し、握手を求めた。
私は青年と握手を交わさなかった。
アウグストにいる冒険者の派手な歓迎を受けた私達だった。




