サンドゴーレムとサンドリザードは硬いだけの魔物
太陽が昇りきるまでに305ナバァッツィ街道を抜けて、目指す都市近くまで到着しておきたい。
私は簡易テントを魔具鞄にしまい、一夜を過ごした痕跡を残すことなく、腰にさげた短剣の柄を握り、感触を確かめ、柄から手を離し、走り出す。
足首から下の脚に波照を纏わせ、地面から数ヤヴィトルス浮かせて滑る。
幌歩竜車が何台か通り過ぎて行く。7ロィストルス程走ったところで雑草が生えてない砂が広がる岩が幾つもある街道の外れにサンドゴーレムが4体もうろついており、サンドリザードが2匹歩行しているのを見掛け、一番近くにいたサンドゴーレムに飛び付きしがみ付く。
「ウゴゥゥォオオォォォ」
「【鑑定】ッッ!そこか!うりゃぁああ!!」
5トルス程の全長があるサンドゴーレムに鑑定して、魔核が埋まった箇所に鞘から抜いた短剣を突き刺し、魔核を破壊した。
魔核を破壊されたサンドゴーレムは動きを止め、自然と崩壊した。
私は尻尾で叩き落とそうとしてくるサンドリザードの尻尾を上手く避けながら、残りのサンドゴーレムを倒して行く。
並の冒険者が使う剣などでは、サンドゴーレムやサンドリザードに刃を通すことは出来ないが私は波照を刃に纏わせ強化していて、可能なのだ。
10刻も経たずにサンドゴーレムを倒して、残りはサンドリザードが2匹居る。
背中を覆う体を突き刺さない岩も、私は難なく波照を纏わせた短剣で破壊出来る。
サンドリザードの腹の部分は脆いが戦いが早くに終わることはなんだか気分が沈む。
私はサンドリザードに喰われないように、周りを走り続け、不意を突く作戦を実行した。
岩も使い、岩を走ったり岩陰に隠れたりを続け、サンドリザードの背中を覆う岩を砕きながら楽しんでいた。
木製の水筒から水を飲みながら、サンドリザードの反撃を難なく躱す。
鋭い爪も短剣で受け流し、20刻も掛け、サンドリザード1匹を倒す。
波照で握力を強化して、倒したサンドリザードの尻尾を掴み、サンドリザードを振り回し、残りのサンドリザードにぶつけ、仲間の下敷きになったサンドリザードに一撃を喰らわせ、倒した。
サンドゴーレム4体の欠けた魔核を魔具鞄にしまい、全長7トルスはあるサンドリザードとその魔核も魔具鞄にしまう。
サンドリザードにくっついている岩は換金出来るし体毛も衣類の素材になるので幾らかお金になる。
魔法は使えるが、波照の方が消費量は抑えられる。
街道に戻り、波照を脚に纏わせずに走る。
夜に差し掛かる前に目指していた都市近くの村に到着した。