荒ぶる者
5トルス近い将軍ゴブリンやゴブリン王、将軍オークやオーク王に囲まれた少女を見守る少年がいた。
「シェイラの奴ぅっ、何処に隠れてやがる!!オレを倒そうとするなんて雑魚が舐めたことを!!」
「中級氷山ーッッ!!」
将軍ゴブリンや将軍オークの5体ずつに地面に氷山を形成し、右半身と左半身が裂けた将軍ゴブリンと将軍オークが地面に崩れ落ちた。
氷山で裂けた仲間を見たゴブリン王やオーク王の群れが怯みながらも少女を囲み、襲おうとしていた。
棍棒や大剣を振り下ろそうとする魔物を憐れむように見つめるベリル。
「今日も荒れてますね、ロゼさんは……」
「低級アイス斬ッッ!!」
ゴブリン王やオーク王が武器を持っている腕を氷の刃物で斬られ、断末魔をあげた。
「「「「「ウギャャーーッッ!!!!」」」」」
「火葬がお望みか、お前ら!灰にしてやる!」
「中級火墓ッッ!!」
呻くゴブリン王とオーク王の立つ地面がマグマのように煮えてきて火の十字架が真っ二つにしていった。
火の十字架に焼かれたゴブリン王とオーク王の群れが灰に変わっていく。
樹々まで、火墓の被害が広がる。
灰が舞い散る森でまだ荒ぶるロゼ・マールベは愚痴を吐いていた。
「カルナに習って強いくせして、オレと闘おうとしねぇッッ!!オレを舐めたことを後悔させてやるのに隠れるとは許さねぇ!!ベリルぅっ、生意気なシェイラは何処だ!?怒りが収まらねぇ!!」
隣に来たベリルに迫ったロゼだった。
「カルナさんって規格外のS級冒険者でしょ?あの方に弟子が居たことなんて未だに信じられないよ、ロゼ。あの方に稽古をつけてもらっても死んでない人が居るなんてとても……」
「私がシェイラと会った時、カルナさんが居たんだ。カルナさんの覇気に顔すら上がらなかった……シェイラは私を前に手加減をした。私が負けた人間はシェイラただ一人だ、ベリル……」
「ロゼが一人の少女に負けた……まったく信じらんないよ。今日はこの辺にして、食事を摂りましょ」
ベクラーガの森に7トルス近い氷山が4つ聳えて、火の十字架が現れたが周辺の住民はロゼが暴れたのだと周知して驚きもしなかった。
ベクラーガの繁盛する酒場で、ロゼとベリルが食事を摂っていた。
「ロゼェ〜また森で暴れたそうじゃねぇか?大技ぶっ放す魔物なんてあそこにゃいねぇだろ。そろそろ大人しくだな……」
「うるさいな、酔っ払いがぁ!」
「ロゼ、ロゼすぐ喧嘩しようとすんのやめよ。マックさんも酔っ払いすぎだよ。太陽が出てる頃から飲み過ぎだって」
喧嘩になりそうなのを止めたベリルだった。




