ディルカンに帰ったはいいが……
私はトールサダーグの薬屋を建て終え、ディルカンに戻ってきた。
幌歩竜車を降り、ディルカンの街に帰った。
冒険者ギルドに赴くのは明日にでも良いかと宿屋に帰った。
服屋から男女の二人組が出てきて、驚いて声を掛けてきた。
「あれ!シェイラさんじゃん、帰ってきたの?」
「ほんとだ、シェイラだ!トールサダーグの暮らしは良かったか?」
「あぁ、フクトゥスにビョルンか……あれ、トールサダーグに行ってたこと伝えたっけ?」
「ギルド長から聞いたよ、早速だけどダーツで勝負しねぇ?」
「私から毟り取ろうって魂胆だろ、嫌だよ。あっちも暮らしやすくはあったよ。依頼を受けた方が早いだろ」
「なんだなんだ、俺たちに負けるのが怖いのかシェイラぁ〜!!」
「その手にはのらんって。他の《冬の木枯らし》の二人はどうしてるんだ?」
「さぁ。酒場にでも呑みに行ってるんじゃないかな。俺はフクトゥスの荷物持ちで一緒なんだよ」
「私も知らない。二人に何か用でもあるの?」
「いや、ないよ。それにしても冷えるな」
彼ら以外の《冬の木枯らし》にも特に用はない。
首を左右に振って否定した。
「冷えるわね、今晩はスープを飲もうかな」
「冷えるな。寒さで身体壊さないと思うが気をつけてな」
「ありがとう。じゃあまた」
「おう、またな」
「またね、シェイラさん」
手を振り合って、別れた。
宿屋へ歩み始めた私だった。
宿屋の前に到着すると、レグニッグが佇んでいた。
「あれ!なんでレグニッグが宿屋の前にいるの?」
「えぇ!シェイラさんこそなんで宿屋に?」
二人して驚いた。
「私はトールサダーグの薬屋を建て終えたから帰って来たんだよ、君こそ宿屋に何の用だい?お兄さんなら会ってないよ」
「会ってませんか……僕もシェイラさんみたいに強くなりたいです。稽古つけてくれませんか、お願いします!!」
「これ以上稽古をつけるの……大変だなぁ。お兄さんに稽古つけてもらったら?」
「兄貴は弱いっす。それに兄貴が称賛しまくってんですシェイラさんのことを!」
「ははぁ……お兄さんを倒してからだったら稽古つけても良いよ。リラも待ってるだろうしね」
「そうですか……では明日、兄貴と戦うので家に来てください」
「そうきたか。わかったよ、明日行くから頑張ってね」
私は後頭部を片手で掻きながら面倒なことになったと思い、応えた。
レグニッグと別れ、6ヶ月ぶりの宿屋のベッドに背中から倒れて、ベッドに身体を沈め、深い息を吐いた。
なんで私にばっかり稽古をつけてもらいたがるんだ皆。
リラに……け、稽古を……つけな……きゃなのに……眠い……あぁー、寝てい……寝ていくよぅ〜……すぴぃ、すぴぃすぴぃ——。
私はリラに会う前に寝てしまった。




