魔物を倒すまでの過ごし方
翌日になり、私は酒場で朝食を摂り、仕事に向かう。
アーレンと顔を合わせ、挨拶をした。
「おはようございます」
「おはようさん。今朝に食事処らの店の者がなんか興奮してたが知ってるかい?」
「シーサーペントが卸されたからでしょ」
「そうだよ。あのシーサーペントだぞ!!あの身長より大きい魔物なんてそうそう倒せるもんじゃあねぇ!!それが卸されたら、興奮するってもんよ!!シェイラは何を目的に建築の仕事をしてんだい?」
「自分の家を建てたくて。宿屋暮らしは宿泊代はいちいち払わなきゃだし安全とは言えないですから。シーサーペントなんて興奮するものじゃないですよ。話題に上がったS級建築士はいつディルカンに戻って来るんですか?」
「そうかい。アールスカさんならセングクレードル皇国に行ってるからなぁ……4ヶ月は掛かるかもな、戻って来るまで。海が荒れたら、船は出せんから」
「セングクレードル皇国ってどういった国ですか?」
「さぁな。俺はセングクレードルに行ったことないから知らん。冒険者でもない俺が船を出してセングクレードル皇国まで行く用事はないからなぁ。シェイラこそ冒険者なんだから色んなとこに行ったことあるだろ?行ったことないのか?」
「えぇ、海を渡ったことなんて数度しかないですよ。前にいたパーティは海に渡る依頼を受けたこと無いですもん」
「パーティに居たのかい、今まで?そうか……級は?」
「B級です。昼食はレッドブルのハンバーグはどうですか?」
「レッドブルのハンバーグ!!食べたい、良いのか?」
「勿論!!」
「おぉい、そこ!!口を動かしてないで、手ぇ動かせよぉー!!」
「「はぁ〜い」」
現場監督のS級建築士のバンレーヌに注意を受け、仕事を再開した私とアーレンだった。
太陽が傾き、沈んでいく夕方。
仕事を終えた私は宿屋でベッドに仰向けに横たわり、マニュアル本をペラペラと捲っていた。
借りている部屋の扉がノックされ、「はぁーい」、応答した。
「師匠、入るよぅ!!」
エリスが飛び込んできた。
ベッドがぎぃぎぃと軋んだ。
「汗かいてるんだよ、抱きつくな!!」
「汗をかいてても良いよ。昨日の続き、早く早くしよ」
部屋を飛び出そうという勢いで連れ出そうとする彼女を嗜めた。
「そんな急かすなって。食事くらいさせてくれ」
「嫌だ嫌だ!!」
私は片腕の手首を掴まれ、彼女に部屋から連れ出され、階段を降り、宿屋を出た。
宿屋を出て、彼女の手が手首を離れ、距離を取る。
エリスの稽古を渋々始めた。
「やれやれ、困ったもんだ。始めるか」
「うん!!早く早く!!」
私は魔物を倒す夜を迎えるまで彼女の稽古を続けた。




