気ままに暮らしたい
私はベッドの上で脂汗をかいていた。
幼少の頃のことを夢にみた。
私の首や両腕、両脚に嵌められた硬く冷たい枷の感覚を——。
あの師匠は今、何処で暴れているのだろう?
パーティの面々は宴会で酔っている。
ギルドから受注を受けたクエストの報酬で宴会を続けているメンバー等に気付かれないように屋敷を抜け出し、憂鬱な気分を晴らす為、夜の迷宮に潜り、魔物を狩る。
迷宮の巨大な扉の前に佇み、片手を伸ばし掌をかざす。
迷宮の巨大な扉が淡く青い光りが発光した。
迷宮の巨大な扉が開き、這入っていく私。
4トルスもある棘が無数に生えたムカデやスケルトンを拳に波照を纏わせ、一発で倒し、魔核を外し収集し、5層でスケルトン騎士を胴に蹴りを入れスケルトン騎士の骨が崩れていく。
スケルトン騎士が崩れた鎧も回収していく。
1限を過ぎた月を仰ぎ見て、師匠に課せられた過酷な試練を思い出し、草原に腰を下ろした私だった。
「シェイラ、そんな泣いてたら強くなるもんもならんぞ!」
「師匠ぅ、みぃ水責めは……はぁはぁ、きぃキツいです……」
カルナが左腕を腰に当て、右腕で髪を掻き上げ、四つん這いになった私を見下ろす。
「弱音を吐いたって昔のままだ。ここで諦めたら自由は掴めない。ハハッ、妾はシェイラを見込んだ。あの心意気はどこいった」
「そう言いは言いますが、私には師匠のような頑丈さとか無いんですから。はぁはぁ……」
「弱音はもういい!さっさと次の修練に移るぞ!」
俊足で崖を駆け上がり、そのまま崖の上へ飛んで、崖を砕いて、巨大な岩をを私の頭上へと蹴ったカルナに悲鳴をあげ、どうにかカルナに習った波照を握った拳に纏わせ、圧死しそうな巨大な岩を破壊することに必死で腕を突き上げ、砕けきれなかった破壊された瓦礫が幾らか頭を掠めたり、腕や脚を掠めた。
崖から飛び降りてきたカルナに頭を撫でられ、褒められた。
師匠はS級のパーティに属した一人でカルナ・ナッツィで、奴隷として輸送されているところを救われ、助けられ、そういう経緯をへて、自由を得る為の力を習った。
今はダクロス・カッツォがリーダーのB級パーティに属している。
魔具鞄に明日換金する為の魔物の換金物を詰め込み、屋敷に帰宅する。