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あなたに「心の花束」を

作者: 夢飾

ところどころ読みづらいし、意味が通ってないところもありますが、未熟な今の私よりも未熟なのです。どうかお許しください。

また、当時はこれをノートにシャーペンを使って書いていました。


 ものを書く仕事をする。


 これを私のライフワークと定めるならば、一体それを通して何をしたい?


 考え続け、変わり続けることを己に課す私にとって、不変の解答などありはしない。だが、今、2023年11月25日の夜、体の芯まで凍えるこの一夜に一つの宣言をしたいと思う。



 誰かがこう言った。


 小説、絵、歌、これらすべては何もできない。けれど、これらは願いなのだと。


 私が思うに、願いが考えを変え、考えが行動を変え、行動が世界を変えるのだと思う。

 だから願いは一番重要で、絶やしてはならないのだと思う。

 誰でも人生で一度は願ったことがあるだろう。けれど本当に世界を変えたいのならば一人の願いでは変えられない。

 だからこそ、一般に広く伝わり得る小説・絵・歌は、一種の悲哀を帯びたその願いは、重要なものだと思う。


 頭でっかちで、夢見がちで、腰の重い私にはぴったりだと思わないか?

 だから、ものを書く仕事がしたい。



 終末が近い。私にはそう感じる。

 加速する排他主義。

 交錯する誤情報。

 人々の無関心。

 それによる軍拡と、そして異常気象。


 もう何をやってもどうにもならない事だらけで、悔い、悲しむことすらできずに消えた命も山のように積み重なっている。

 こうして私が何かできるようになったときにはもう何もかも手遅れで、目をそらしてしまいたくなるような、大きな大きな灰色の無力感がうずくまっている。


 それでも、その灰色に塗りつぶされたいか。

 何もできない、何もできない、やりたくないと言いながら、何も為さずに一生を終えるのか?


 愛も罪も、幸せも苦しみも。

 その全てが刺激的な刹那のしと生を、味わわぬのか?


 心が痛い。

 涙を流した。


 今もこうやって呑気にペンを持っている間にも、失われていく()()がある。

 ぽろぽろぽろぽろ。

 その何かと一緒に涙が落ちる。

 ある一人の人生が。ある一人の未来が。その過去と、物語が。

 すべて踏みにじられて。


 ああ、私も人のために泣けたんだな。

 ずっと、私は自分だけが大切な人間なんだと思ってた。

 けれどそれは間違いで、自己中心的で、なのに何も知らない誰かのために泣けるその自己矛盾こそが「ひと」なのだと。


 「ひと」は悩み考える生き物だ。

 己の中にある矛盾と戦える生き物だ。

 だからそこには、良い人も悪い人もいない。

 皆、等しく「ひと」だ。


 考え続け、悩み続け、それでもゆっくりと、だけど確かに前へと一歩を踏み続けるからこそ、「ひと」の尊厳は守られる。

 だから、その考える頭を、進むべき道を奪うことは「ひと」への冒涜だ。


 「ひと」は一人一人が別の「ひと」だ。

 だから時には対立し合うこともある。

 だけれど同時に「ひと」は、相手も理解しようとすることができる。

 理解できるかできないかじゃない。理解しようとするかしないかが大切なんだ。

 そして、理解しようと努力し続ける限り、「ひと」は変わり、相手も受容し、愛し合うこともできるだろう。

 今日の敵も、明日には友なのかもしれない。

 だから「ひと」なのだ。われわれは。


「ひと」はそれぞれの文化をもつ。それを基に、己が選択した道を進み、そして唯一無二の「ひと」が生まれる。

 それが互いに理解に努め、変容し、そうして世界は一つの輪、いや一つの「花束」を生み出す。


 「花束」にはたくさんの「花」があって、それらはそれぞれ全く違った美しさを持っているけれど、それらが喧嘩せず、一つの美を構成している。

 そんな「花束」に。


 けれど理解を忘れ、誰かを敵視し、相手を踏みにじることに無関心な私達には、その「花束」が「心の花束」がない。

 自らが「ひと」であることを忘れ、己の奥底、いにしえの野生に身を委ねている。


 だから。私は「心の花束」を送りたい。


 とても夢見がちで、叶いっこない「花束」だけど、多分不器用だからぐちゃぐちゃになってしまうかもしれないけれど。


 それでも届けたい。


 この真っ黒なペン先から伝わって、あなたの心に咲く花束。そんな夢のような、ありえないような世界を。


 今の私は無力です。また何もしていません。今までしたことといえば、ぐ〜たらして、マンガやアニメを観てきたことくらい。

 だけど考え続けた。私が何者なのか。どうして人は争うのか。


 己の欲望には逆らえない。

 それも「ひと」の一面だ。

 だから時には悪いこともしてしまう。

 だけど、「心の花束」だけは、心のどこかでぎゅっと握って大切にしてほしい。


 それが今夜流した一雫ひとしずくの涙とともに願うことだ。


 誰も読んでくれないかもしれない。

 誰にも届けられないかもしれない。


 だけど、こんな終わってしまった世界を変えるために。

 こんな無力な私にもできることを。


 明日の朝、起きたときにはもう何も想えなくなっているかもしれない。

 だけど、それでも。


 私は祈りたい。

 この胸の痛みとともに。

 どうしようもない現実を抱えて。


 そんな物語を私は書きたい。


 今日はもう寝る。

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