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【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
終章

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225/247

219-電光石火の発進!

『アルゼンスキー造船所、放棄されてより221年経過していますが、現在内部に複数の熱源反応を確認しています』


ジャンプアウトすると、前に大きいシップヤードが見えた。

殆ど廃墟同然だが、サーマルビューを見れば内部に人間やアクティブな機械が存在するのは明白だ。


『どうされますか?』

「攻撃を開始しろ」


艦隊が攻撃を開始する。

シップヤードに攻撃が集中するが、どうやらフォースフィールドがあるようだ。

射撃が弾かれている。

強度が相応に高いようだな。


「......スカイスラッシャーを起動しろ」

『しかし、それではルカ様を巻き込むのでは?』

「知らん、やれ」

『はい』


赤黒い閃光が、フォースフィールドごとシップヤードを斬り払う。

爆発炎上するシップヤード。

そこに、容赦なく追撃を仕掛けていく。


『次元振動を感知、ワープドライブが起動する際特有のものです』

「両舷増速、シップヤードの出口に向かえ」

『了解』


アドアステラを逃してはならない。

あいつは必ず、他国に逃げてでも復讐に来る。

だが、他国に逃げさせてはいけない。

彼女は俺と直接戦わなければならない。

それが「計画」なのだ。


『アドアステラを確認』

「インターディクション・ランサー発射」

『インターディクションフィールド収束、照射します』


主力艦専用のワープ妨害装置で、アドアステラの動きを止める。

ここで撃墜する事も出来るが、それは違う。


『では、「煽り用ムービー1」を再生します』


煽り用ムービー1とは、ローカル通信での王国兵の断末魔の叫び声をコバルトが収録し、オーロラが繋げたものだ。

俺たちへの憎悪、王国への憎悪、母や友への懇願。

これを聞かせれば、流歌は怒るだろう。

そして、ムービー2に移る。

徹底的な調査により調べ上げた、彼女の親友、仲間、戦友、知己。

その全てが死ぬ様を、死んだ後の無様な死骸を。

全て集めたものを再生する。

実はさっきまで編集中だったが、王太子が死んだので最後のページを埋める事が出来た。


『お兄ちゃんッ....!』

「ああ」


そして、映像の再生は終わった。

ああ、流歌が怒っている。

お前は終ぞ、その顔を俺に向けなかった。

本物の怒りを、憎しみの混じったその顔を。

向けてほしかった、俺が本当に欲しかったその顔を。


「さあ流歌、これでも俺と戦わないと宣うか?」

『でも.....』

「迷うな、それともお前の仲間たちは、その程度の存在だったか? ......ある兄弟は、お前が無事だったことを喜んで死んだぞ。お前の友人だと譲らなかった傭兵は、ただの一撃で死んだ。この星系を治める――――お前を愛していた矮小な男は死んだぞ。最後まで騎士を演じて、殉じたな」

『......貴様ぁ!! ブライトエッジ子爵を....!』

「間男は黙って居ろ」


確か彼女の仲間の筈の男....ケインといったか?

どういう関係か知らないが、兄妹の会話に口出ししないで欲しいものだ。


「さあ、再びお前に問おう。俺と戦え、反論は許さない。お前は――――」

『戦うよ、お兄ちゃん。私は――――お兄ちゃんを止める』

「いい覚悟だ、お前を本拠地で待つ」

『アドアステラ、亜光速に到達。ランスを振り切られます!』

「追うな、今は逃がせ」

『はい』


ワープ妨害ランスを振り切ったアドアステラは、そのままワープに入りどこかへと消えた。


『良かったのですの?』

「ああ」

『妹君なのでしょう、司令官』


ジャンプで追って来たらしいビナーから、通信波が飛んでくる。

この反応、俺の真意でも覗いたか?


「俺の心を読んだな」

『申し訳ございません、つい』

「良い。他言無用だぞ」

『その慈悲に感謝を』

「知ったのならいい。帰還後、ツヴァイとドライ、ノルンを呼べ。それとなくだ。彼女らにも手伝わせる」

『はい』


俺はそう言った後に自分の手で通信を切り、オーロラに命じる。


「進路をユグドラシル星系へ。これが最後の戦いだ」

『分かりました、貴方の傍に』


アドアステラに備えるため、アバターはジャンプドライブを起動。

帰りはジャンプブースターは無い。

複数のストラクチャを経由しながらの帰還になるだろう。

いよいよ「計画」も大詰めだ。

俺がこの世界に来てから、ずっと布石を置いてきたそれ。

妹と会うか、元の世界に侵略の手を伸ばしたときに行うはずだったそれ。

それが、ついに終わる。


「空虚だったな」


俺は呟き、自室へ戻るのであった。


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