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【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
終章

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217-オルトスプライム最終決戦(後編)

『敵シールド戦略、パターンNに変化。こちらも予測式をリザーブRに変動させることを提案します』

「んー? 承諾すればいーんでしょ」

『了解。”マグパイ”全機対ショック態勢に移行』


シールド防御の厚い大型艦を前に出すことで小型艦を防衛し、間隔を開けて小型艦が飛び出して帰還するスタイルに切り替えた王国艦隊に対し、ドローンは一斉に帰投する選択肢を取った。

そして、オレブ=ザラクからバアルの慈雨が照射され、大量の光子魚雷によって大型艦が一挙に撃滅され、照射停止と同時にドローンが一斉に襲いかかる事で小型艦を壊滅させられた。


『敵艦隊の数に比べてマグパイの数が不足、続けて第二、第三カートリッジを解放することを提案します』

「承認~♪」


ソファに寝転がりながら、ズィーヴェンはバランスゲームで遊んでいた。

慣性制御によって、シールドを抜かれない限り振動はない。


『第二、第三カートリッジ展開』


カートリッジとは、マグパイを三機収納したコンテナを十個収納したものである。

格納庫から運ばれたそれは、発進口に装填される。

オレブ=ザラクは一度に左右両舷から六機ずつマグパイを射出できるため、カートリッジ一つに付き五回の射出が可能なのである。

オレブ=ザラクの左右両舷の一部分がスライドし、左右それぞれ三機ずつマグパイが姿を現す。

ガントリーが解除され、重力の楔から解き放たれたマグパイは、後部に二機あるスラスターと機体各部にあるスラスターで加速しつつ、一挙に王国艦隊に迫る。


『王国艦隊、プライマリをA-21に決定した模様。収納することを提案する』

「承認」

『了解』


マグパイは小型パルスレーザー砲を装備しているため、攻撃能力は低い。

しかし、数がいればそれは暴力になるのである。

小型のターゲットが分散したことで、王国艦隊はオレブ=ザラクではなくマグパイに優先ターゲットを設定せざるを得ず、くわえてターゲットになったマグパイは即座に帰投するため、イタチごっこと化していた。


『何を遊んでいるのですか?』


その時、通信がブリッジに響く。

直後、王国艦隊の背面に連邦艦隊がワープアウトし、その中心にネツァクがワープアウトする。

X状の機体を持つネツァクは、四基のスラスターから光を纏った粒子を噴射させ加速、マグパイによって集中攻撃を受けていた艦を狙い定める。

二連装シャードキャノンを上下に六門を装備したネツァクの一撃は、至近距離にて凶悪な力を持つ。

あっという間に二隻を撃墜したネツァクは、直掩機の近接型ドローン、ζオーバーマインドを率いて、彼女らを追ってきた王国艦隊に対して反転攻勢を仕掛けた。


『遊んでなどいません、ノルン様』

「遊んでるじゃん、ねーノルン」

『御嬢様、本機は効率的に敵艦隊の排除行動を行っていただけであり....』

「それもこれも、戦ってる本隊をぜーんぶネム様に押し付けてきたからでしょ? あたしそういうの嫌いなんですけどー」

『その通りです、ネム様は偵察任務を課されているのです、如何に作戦行動上問題があるからと言って、損耗を減らしてまで遅延を致命的なものにする必要はありません』

『では、直ちに』


マグパイは一斉に帰還し、オレブ=ザラクはすぐにバアルの慈雨を浴びせかけた。

バアルの慈雨は相応に電力を消耗するため、増援があった場合に備えて使用を控えていたのだが、今この場には予備戦力が存在する。

それ故に、使用を控える必要はないとメメントモリは判断したのであった。


『敵増援艦隊、殲滅完了。.....全艦、本隊に合流せよ』

『言われなくとも既に行っています』


残骸の海を前にして、ネツァクとオレブ=ザラクはワープアウトした。







『友軍の被害甚大』

『こんなの勝てるわけないだろ』

『もう逃げ場はない...こうなったら自害するしか』


オルティアンハルティスム上空。

そこでは、フォースフィールドを展開する四隻のブリザード級コルベットに囲まれたビナーが居た。

インフォモーフ・フィールドが展開され、ビナーによって王国の情報が盗まれていた。

人の表層・深層意識を読み取るインフォモーフ・リーダーによって、作戦は完全に筒抜けであった。


「あら、皇太子も乗っているのですのね.....愚かな事ですわ、前に出ようと後ろに居ようと、運命は変わらないのに.....」

『インフォモーフ・ディスラプターは使用できますか?』

「無理ですわね、数が多すぎますわ.....わたくしが潰せる精神は数十人程度、ディスタブで妨害を試みますわ!」


ビナーから放たれた精神波が、オルティアンハルティスムの全体に伝播していく。

この精神波は、発狂とまではいかないが呆然自失状態にすることはできる。


「シン様、オルティアンハルティスムには王族が乗って居りますわ。どうされますの?」

『無視しろ。ディーヴァ、A.O.I連続発射! オルティアンハルティスムの艦橋、両翼を破壊し無力化する!』

『了解じゃ!』


ビナーによって情報収集は終わった。

最早オルティアンハルティスムから得るべきものは何もない。

かつてビルジアイナディートが持ち、その鉾で王国を打ち破らんとしたA.O.Iが発射され、艦橋部を消し飛ばす。


『王国の....未来......頼んだぞ.....カル...』

「....ッ、これは!?」


死の直前に最も強まる意思、それは託す想いである。

それを読んでいたアハトは、何かを察したようでシンに直接テレパシーで呼び掛けた。


『どうした』

『....皇太子が死ぬ直前に、カルに王国の未来を頼むと想っていましたわ。....これは』

『ああ、もう”知っている”』

『なら...発進場所を...』

『最後の準備を進めるだけだ、惑星への降下準備をしておけ』

『.....畏まりましたわ』


アハトは、インフォモーフ・フィールドの中でシンの真意を知った。

しかし、シンに嫌われたくない彼女は、その異常な思考を咎める事が出来なかった。

旗艦を失ったオルトスプライム防衛艦隊は瓦解、崩壊を始めた。

だが、まだ終わっていない。


「アバター回頭! 傭兵共がこっちに来るぞ」


ネムが抑えていた傭兵艦隊が向きを変え、オルトスプライム軌道上へとワープしたのである。

艦隊は配列を整え、向かってくる敵に対して構えるのであった。


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