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【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
終章

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216-オルトスプライム最終決戦(前編)

シンが目覚めると、四時間後だった。

彼は時刻表示を見るや否や飛び起き、叫ぶ。


「いけない、遅刻遅刻! じゃなくてだな!何で起こしてくれなかったんだよ!」

『起こしましたが...起きなかったのでしょうがないじゃないですか』

「....まあいい、ジャンプブースター起動!」


オリジン・スターに格納されていたジャンプブースターが飛び出し、ジャンプドライブの増幅波を放つ。

それがアバターに到達すると同時に、アバター級は戦域へとジャンプする。


『ジャンプ終了』

「どこだ?」

『ラグナロク横です』

「成程、本陣か」


シンは呟く。

場所はオルトスプライム軌道上であり、マーケット・ハブの周囲に凄まじい数の艦隊が展開している。


「各指揮官は?」

『それぞれ、惑星軌道上で戦闘しています』

「分かった、C.C.C.ネームレスの使用を許可する」

『了解です、艦載機編隊を下がらせますね』


マーケット・ハブが未だ擬装が解かれていないという事は、戦況はアインスによってわざと硬直状態に持ち込まれている。

そう気づいたシンは、即座にC.C.C.ネームレスの展開を許可した。ラグナロク級の周囲から白く細い艦が出てくる。


『C.C.C.ネームレス、最終(ドゥームズデイ・)兵器(デバイス)『スキャットルミナス』、エネルギー充填100%、発射態勢に入ります』


直後、破滅の光がラグナロクの周囲より放たれる。

直線状に飛んだ光は、ある一点で炸裂・拡散して王国艦隊に襲い掛かった。

シールドを貫通した光に呑まれ、数多の戦艦が沈んでいく。


『第二波装填完了、発射します』


そして恐るべきはここからである。

最終(ドゥームズデイ・)兵器(デバイス)の使用は艦体に大きく負荷をかけるほか、再使用には長い時間が必要となる。

しかし、ネームレスは違う。

エネルギー導管を交換式にしたことで、最大六回の連射が可能なのだ。


「くぅ~やっぱ拡散兵器は強いな」

『最大照射回数に達しました、冷却開始――――プランBを発動します』


圧倒的な範囲攻撃によって、初撃で王国艦隊は数を大きく減らす。

しかし、すぐに後方のマーケット・ハブから本体が出港してくる。

これまでの戦闘は前座に過ぎない。


『擬装解除、敵艦出ます』


マーケット・ハブの各所で爆発が連鎖的に起き、残骸を置き去りにして前進してくる。


「来るぞ」

『ブレスト・ゴスペル・シールドモードで展開』

「アイギス・ワスターレ充填開始、まだ撃つな」

『了解』


オルティアンハルティスムの全二十五門の十二連装超大型レーザー砲が、連邦の主力艦隊に向けて放たれる。

しかしながらその前に防備を固めた連邦艦隊には、レーザーが到達しても無意味である。


「ナグルファー、攻撃開始、プライマリ....β」

『了解』

「アインス、聞こえているな? オペレーション・アサルト始動」

『了解』


五隻のナグルファーが一斉に攻撃を開始し、それと合わせて王国艦隊のレーザー砲がラグナロク級に集中した。

だが、伊達に大陸級(グランドオーダー)を名乗る船ではない。

シールドの出力も、そこらの主力艦とは比べる事すらできない程に高い。


『ラグナロク級、シールド容量97%に低下。自動回復分と合わせてプラマイゼロです』

「了解。ヤンキー・ズール編隊、ジャンプイン!」


アインスの指示に合わせ、深宇宙に潜むムト級超大型艦載機母艦二隻から、次々とVIGILANTSが発進する。


『ヤンキー・ズール各ウィング全機展開完了、ジャンプフィールド展開します』


ムト級に装備されたジャンプフィールド・ジェネレーターにより、二つの艦載機編隊が王国の本隊の左右に迫る。


『全機ミサイル発射! のち、離脱せよ』


艦載機編隊は左右からクロスするようにオルティアンハルティスムの上部へと迫り、ミサイルを撃ち込んでから交差、上方向へと離脱する。


『敵のプライマリ、ズールウィングに集中』

「ウィスキー・エクスレイウィング出撃開始」

『了解です』


その通信を聞いたシンは、立ち上がって命じる。


「聞こえたな? アイギス・ワスターレ発射!」

『ヤンキー・ズールウィングのキルゾーンからの離脱を確認。アイギス・ワスターレ照射開始』


ラグナロクによるシールド消滅波が王国艦隊に到達する。

それは、オルティアンハルティスムにも影響を与える。


『ウィスキー・エクスレイ編隊ジャンプアウト』

『全機、オシレーションボム発射!』


次にジャンプしてきた編隊は、全て重爆撃仕様であり、それぞれボムを一つ係留している。

それらが一斉に放たれ、編隊自体は交差せずそのまま180°反転、連邦艦隊側に軸を合わせて逃げ出した。


『ボム炸裂を確認。敵装甲に甚大な損傷を与えたとみられます』

「よし、アバター級ドゥームズデイ、『スカイスラッシャー』エネルギー充填開始!」


アバター級の上部武装が展開され、そこに膨大な熱量が収束されていく。

それは、エミド主力艦が使用していた武装の劣化版である。


「薙ぎ払え」


熱線の斬撃が、王国艦隊を横一文字に薙ぎ払った。

シールドがあったとしても、P.O.Dはシールドごと薙ぎ払っただろう。

切り裂かれた装甲部分が、白熱化したのちに爆発。

オルティアンハルティスムも同様に、しかし前部装甲だけが破壊された。

内部装甲が硬いわけではない。

シンが意図的に範囲を絞ったのである。


『大将同士のタイマンと行こうじゃないか? 騎士らしくな』


その時、アバター級が動いた。

短距離ワープで、王国艦隊とオルティアンハルティスムの間にワープインする。

それと同時に、本陣からフリゲート艦隊が分離、残存艦隊にワープし一斉攻撃を仕掛ける。

連邦艦隊自体も攻勢へと移行し、膠着は一瞬にして破られた。


『騎士が逃げるな、チェーンデスマッチでどうだ?』


その時点でオルティアンハルティスムは軌道を変え、ワープ準備に入った。

だが、アバター級からワープ妨害が発動され、同時に主力艦用のトラクタービームが二基同時照射される。

これで、オルティアンハルティスムとアバターの運命は共同体である。


『全軍に発令する、チェックメイトだ』

『『『『『『『了解!!』』』』』』』


現在指揮官級としてオルトスプライムにいる全ての人間が、シンの通信に返答する。

キングは押さえた。

後は――――ポーンとルークを取るだけであった。


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