表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
シーズン8-オルトス王国侵攻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/247

189-『蜂の巣作戦』(中編)

ストラクチャの至近距離に、Noa-Tun艦隊がワープアウトする。

そのすぐ背後に、主力艦がワープアウトした。


『て、敵襲! 前線基地付近に敵艦隊がワープアウト! 非常警報を発令!』

『主力艦に指令、敵ストラクチャ砲台付近を重点的に砲撃せよ』


主力艦の艦砲が一斉に王国前線基地の砲台を叩き、その手前でシールドに阻まれる。

しかし、シールドは明滅し、今にも崩壊寸前といった様子であった。

これではたまらないといった様子で、基地から小型艦隊が出現する。


「コンチェルト、スピードウェーブを投下」


インテグリティ艦隊が動き出し、小型艦に接近した直後に発砲する。

その一撃は、小型艦のシールドを突き破り、頭から尾まで貫通して撃沈した。

30隻のインテグリティが一斉に襲い掛かり、最初に出てきた小型艦隊はほぼ全滅した。

撤退する残存艦を支援するように、巡洋艦、巡洋戦艦の艦隊がドックから進み出る。


「インテグリティ艦隊、後退せよ。ミアプラキドゥス艦隊、包囲陣系にて射撃開始。ギャラハッド、前進。ブラックガード、電子戦装備を起動せよ、妨害ドローン投下」

『了解。インテグリティ陣形変更。ミアプラキドゥス、包囲陣系に移行。ギャラハッド、対射撃戦防御陣形に移行、ブラックガード、ギャラハッドに対して一定距離を保持、妨害ドローンは高速旋回行動に移行』


シンの的確な指示と、オーロラによる艦隊の一糸乱れぬ動きはまさに芸術である。

完全な自律統制よりは精度が低いが、人間の敵に対しては有効である。


『ブラックガード、被弾率増加』

「ギャラハッド、ECM起動」

『了解。コンチェルト、シールドエコー展開』

「シールドウェーブを展開しろ、インテグリティを再度突出させろ。B2に指定した対象を優先対象に移行」

『了解』


ブラックガードの被弾が増えたため、被弾したブラックガードは後退してクロケルに装甲修復支援を受ける。

クロケルは装甲/シールドを修復できる戦艦なのだ。


「ヴァーテックス、主力艦と合わせて破壊を続行しろ」

『了解』


ヴァーテックスは攻城戦艦である。

主力艦とほぼ変わらないため取り回しは悪いが...しかし、動かない対物に対しては凶悪な破壊力を持つ。

加えて、戦艦級の強固な装甲が、集中攻撃にも耐えるタフさをヴァーテックスに持たせていた。


『第三装甲、もうもちません! 貫通されます!』

『気密が失われる前に、各員搭乗可能な艦艇・航宙機・シャトルに乗って離脱せよ!』


装甲が破れれば、気密フィールドを失いかけている要塞は気密を保てなくなる。

空いた穴から空気が真空に向かって急速に吸い出され、要塞内に甚大な被害を齎す。

それが起こる前にと、大型要塞の内部から艦船が次々に飛び出す。


「全艦隊、後方に離脱! キルゾーンより離脱せよ!」

『了解!!』


その途端、全ての艦船が主力艦より後方へ離脱を始める。

対象が逃げたことで、指揮系統が混乱中の王国軍はそちらに向けて追撃を始める。

推力を最大にし、獲物を追った。


『アルファ・コール、攻撃形態に変化』


エフェクトスフィアと呼ばれる兵装を使用するため、アルファ・コールの外装が変化する。

艦載機用の低重力滑走路が収納され、二対の影響波生成フィールド発生器が突き出す。


『っ...全艦隊に通達! 今すぐ追撃をやめてワープアウトせよ! 敵の主力艦の外装が変化している! 強力な超兵器の使用の兆候と予測される!』


司令部より、王国艦隊に指令が飛ぶが、基本的に艦船は横滑りワープなど出来ない。

方向を指定し、そちらに向けて指向性を持たせたワープベクトルを生成しなければワープアウトできないのだ。


『攻撃範囲内に想定される敵の総数、全体の26%に相当』

「エフェクトスフィア、まずはワープ妨害! 足を止めろ!」

『了解!』


アルファ・コールの影響波生成フィールド発生器が、赤い光を放つ。

直後、円形に一瞬発生したワープ妨害フィールドが、逃げようとしていた王国艦隊を捕らえた。


「続けてヘル、ECMエフェクトスフィア投下!」


アルファ・コールの陰に隠れていたヘル級軍事力補強旗艦が、その姿を露にする。

エフェクトスフィア生成時のアルファ・コール級に注目を集め、自分もエフェクトスフィア投下の準備を行っていたのだ。

ECMを受けた艦隊のセンサーが乱され、ロックオン機能に障害が出る。

その真上で、何かが煌めいた。


「今だ! グレン-ライカ艦隊、クラスターボム一斉投下!」


迎撃のできない状態で、冷酷に王国艦隊を爆弾が焼き払う。

数百を超える船が、数万を超える命がその一瞬で散った。

爆風で混乱する艦隊の内部に、ワープアウトしてきた別の艦隊が襲撃を行う。

シュナイデン級要撃型フリゲート艦隊である。

同じ要撃型フリゲートのウェーブライナーの上位種に当たる艦船であり、剣による斬撃のように素早く、確実に混乱した艦隊へと迫り、小型艦には単独でとどめを、大型艦には集団でとどめを刺していく。

そして、王国艦隊が統制を取り戻したころには、グレン-ライカ艦隊も、シュナイデン艦隊もいなくなっていた。

そして、撤退中のNoa-Tun主力艦隊に問題が起きた。

アルファ・コールが立ち往生したのだ。


「状況報告」

『エフェクトスフィアの過剰電力使用により、キャパシターが枯渇。推力維持が出来ません』

「分かった、全主力艦隊と、アルファコール以外の護衛艦隊は離脱せよ。直ぐに増援を送る」


主力艦一隻と、護衛が孤立。

これを逃す手はないと、もう一つの意思が動き出す。

それは、カルの子飼いの中隊。

彼らは結果を出すため、悠然とワープアウトする。

そして、姿を現した大艦隊に対して、シンは。


「相変わらず、搦め手に弱いな――――流歌」


目が笑っていない状態のまま、歪んだ笑みを浮かべるのであった。


面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ