表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
シーズン8-オルトス王国侵攻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

190/247

184-英雄と愚者たち

アドアステラを先頭にした艦隊はゲート前で戦列を組み直していた。


『カル殿、指揮をお任せします』

『構わない。 これより主力を敵構造物の破壊に使う、行くぞ』


アドアステラのワープに、王国艦隊が連動させる。

ワープコア同士が接続されたことで、ワープ速度と距離が大きく伸びる。

艦隊は一斉にワープ空間へと飛び込み、一分もしないうちにクライスト・ジークに設置された『城塞(カスティオ)』の眼前へとワープアウトした。

カスティオから少数の防衛艦隊が出てくるものの、大した戦力差にはならない。


『どうやら、このような僻地では守る気もないようですな』


王国艦隊の指揮を執るジオ将軍は、その防衛戦力の少なさに嘲笑を浮かべた。

だが、カルは何も言わない。

艦隊の砲撃がカスティオに集中し――――そしてシールドによって阻まれた。

誰も驚かない、この規模の構造物ならシールドが張られていて当然だ。


『全艦隊に告ぐ。艦船同士の距離を離せ、左右翼に展開して半包囲の陣を敷け』

『何故、そのような事を.....?』

『いいから、やれ。どのみちシールドは一点のダメージよりも、より多くの範囲からのダメージに弱いのだから』


カルの言葉に将軍は引き下がる。

勲章を何十個も持つ大英雄である、口答えすることは、王の権威そのものに唾を吐く行為であった。

艦隊は弧を描くような形に展開し、その密度を減らしていく。


『....ッ、なんっ!?』


そして、その時は突然訪れた。

シールドが消失したかと思えば、カスティオが薄い光の膜に包まれた。

強化状態に入り、攻撃が効かなくなったのだ。

それと同時に、艦隊の背後に大艦隊が出現した。


『....来たか』

『まさか、知っておられたのですか!?』

『逃げるぞ、全艦ワープ準備! ワープ先はクライスト・ジークⅡの惑星軌道上!』

『....はっ!』


王国艦隊は一斉にワープアウトする。

Noa-Tun艦隊は、それを追うでもなく再びどこかへとワープアウトしていった。


「な? 判断が早いだろう」

『そうですね....』


その光景を見て、シンはアインスに向けて発言する。

現場指揮官のアインスはそれに頷く。


「追撃しますか?」

『やめておけ、あっちももう迎撃準備を整えている。正面からぶつかるのは今じゃない、艦隊を回収ポイントに誘導しろ』

「はっ」


そして、惑星軌道上にワープアウトした王国艦隊は、軌道上にあった採掘設備を攻撃していた。

採掘用の構造物は、もともと防衛用に作られていない。

数十分でそれは陥落する。


『次はどうされるのですかな?』

『他にも構造物があるはずだ。それを今から探す、ここで待機だ』

『わかりました』


アドアステラは探査プローブをばらまく。

それをスキャンで捉えたアインス達は、急いでジャンプポータルで離脱する。


「敵は索敵を行っているようです」

『分かっている。どのみち増援は向かわせない、計画に従え』

「はっ!」


クライスト・ジークから艦隊は完全に離脱する。

数時間後、燃料切れのカスティオは集中攻撃を受けて沈んだ。

物資は既に運び出されており、コアもなくなっていたため残骸は回収されたが、王国軍はそれから情報を殆ど得る事が出来なかった。


「どうされるのですか、司令官?」

『クライスト・ジークに敵を誘い出す。まずは胃袋の中に入ってもらわないとな、そうだろう?』

「はいっ!」


シンの言う意味を理解したアインスは猛烈に頷く。

戦いは未だ始まったばかり。

犠牲も敗北も厭わない、シンの戦いのカーテンコールはまだまだ先である。



面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ