表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
シーズン8-オルトス王国侵攻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

186/247

180-フィナーレへの序曲

幸いにも、通信はすぐに繋がった。

俺は接続中の画面を見ながら、帽子を正す。


『ブッ――――』


ノイズと共に画面が映り、近未来的な仮面を付けた男が映った。

正体の知れなさはノーザン・ライツ並か。

ファースト・コンタクトは慎重に.....


「お初にお目にかかる。王国軍所属、不明艦に向け、Noa-Tun連邦指揮官、シンが.....」

『えっ....お兄ちゃん?』


何?

俺は掛けられた声に、信じられない思いを抱いた。

男の仮面が、小さな音を立てて開く。

そこから現れたのは、俺の妹の顔だった。

....いや、有り得ない.....事は決して有り得ない事は、俺が一番よくわかっていた。

出来過ぎている。

もしここにいるのが妹ならば、あのグローリー級は『アドアステラ』。

俺が、Per aspera ad astra.....『苦難を乗り越え星々へ』というラテン語から付けて妹に渡した、SNOの艦船の一つである。

思えば、さっきの仮面も、SNOの一周年イベントで貰ったものだった気がする。


『お兄ちゃん.....どうしてそっちに居るの!?』

「..........」


なんて答えるべきか。

いつものように格好つけて誤魔化しても、妹に対して理由付けにはならない。


「.......お前こそ、何故そちらにいる?」

『お兄ちゃんが言うなら、そっちに付くよ』

「そういう事を聞いているんじゃない、何故この世界にいるんだ!?」


妹はスタンスが弱い。

俺が妹と会いたかったのも、そういうスタンスの弱さからの事だ。


『えっと.........お兄ちゃんが自分から来たのと違って、私は気付いたらこの船と一緒に居たんだけど......』

「そうか」


なら、遠慮は要らないな。

俺は頷くと、妹....流歌に向けて顔を上げた。


「なら.......流歌」

『今はカルって名乗ってるんだけど...』

「カル。....お前は我がNoa-Tun連邦の憎むべき怨敵である。お前も、俺と再び出会いたければ、俺が王国を滅ぼすのを止めろ」

『ま、待って! どうして王国を――――』

「お前の――――お前の役割は何だ」

『..........王国を守る事、だけど』

「俺との事を天秤を掛けるのなら、お前はまず王国を優先しなければならない。これは俺の....兄としての、お前への命令だ! Noa-Tun連邦と戦え! そして――――俺を倒してみろ!」


俺はまくし立てる。

妹はスタンスが弱い。

お前は俺の敵でなければならない。

何故ならお前は、お前は――――より高い場所へ向かうべきなのだから。


『お兄ちゃんがそう言うなら.....私は、いつか必ず。お兄ちゃんと戦う!』

「いい決意だ....オーロラ、爆撃艦隊の遮蔽を解け! アドアステラを撃墜しろ!」


俺は接近させていた爆撃艦隊に、アドアステラを襲わせた。

油断すれば死ぬだろう。

だが、それなら所詮はその程度だったという事。

通信が切れ、アドアステラは回頭して宙域を離脱していった。


「ゲートがないから、離脱には時間を要するはずだ。すぐに追撃艦隊を編成しろ」

『.....何故ですか?』


その時、オーロラが恐る恐るといった様子で尋ねてくる。

疑問を抱くようなことがあったか?


「何がだ?」

『貴方はずっと、妹さんと会いたいとオフタイムに漏らしていた筈です』

「.....ああ、それは建前だ」

『だとしても、妹に対する仕打ちとは思えません』

「俺の命令が聞けないのか?」

『これは個人的な疑問です』

「なら、なかったものと思え」

『承知しました』


オーロラだけにして正解だった。

この矛盾は、矛盾しているように見えて実はそうではない。

俺の『計画』は今始まったんだ。


「始めるぞ.....」


さあ、すべてを終わらせよう。

これこそが、俺の人生の最終決戦だ。


面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ