表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
シーズン8-オルトス王国侵攻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

171/247

165-忠誠に潜む思惑

「酷いな」


俺はそう漏らした。

だが、そう感じるのも仕方ない光景だ。

眼下に広がるドルドリークは、星の中核を失って引き裂かれていた。

エミドの兵器によって、星としての機能を完全に喪失したのだ。

まあ、少数の生き残りを残して人間のいない惑星ではあったし、砕けたことでより資源を採掘しやすくなったのはメリットだが。


「そして、もう一つは」


俺は画面の向こうに映っている星を見た。

そこはビルジースプライム、かつてビージアイナの首都だった星だ。

殲滅したので、今は人っ子一人いない都市の残骸のみが残存している。


「さあ、復興計画の始まりだ」

『はい』


ドルドリークはエキュメノポリス化して要塞代わりに、ビルジースプライムは地上の都市群を一掃してから、不要資源と化してきた黄金をふんだんに使って、ディーヴァのために宮殿を建てる予定だ。


「司令官、規律に反すると分かってはいますが、質問があります」

「聞こう」


その時、ツヴァイトが質問してきた。

アインスに目をやると、頷いた。

彼女もツヴァイトが何を言うか聞きたいようだ。


「現在、ドルドリークは資源採掘に適した場所になっていると思うのですが、そこを要塞化するメリットについてお聞きしたいのですが」

「いいだろう、教えてやる。答えは一つだ、そこに要塞は在るべくして在った。他に理由は無い」


資源を掘らずに要塞化するメリットについて問われたが、実は何も考えていない。

文句ひとつ俺の前以外でも漏らさず頑張ってくれているアインスに配慮して、多少は報いてやろうと思っただけなのだが、その整合性を問われると少し痛い。


「! 成程、理解致しました。愚問でございましたか?」

「いいや。ツヴァイト、お前の疑問はもっともだ、だからこそ、今から俺は二つの復興計画の概要を説明する」


俺は二人に、この計画でこちらが得ることのできるメリットを二つ提示した。

一つは、資源置き場としての利用法。

ビルジースプライムには、星の裏側に集積場を作り、帝国方面の資源集積場へと指定する。

ドルドリークには、普通に集まってきた資源を一時的に貯蔵する空間を作る。

次に、戦略的な利用法。


「主力艦の隠し場所を宙域に作ると、大幅なコストを掛けて作ることになる。だからこそ、普通にビージアイナ軍の信号に偽装したパケットを送信する施設に隠せば、敵はNoa-Tun連邦がビルジースプライムを放棄したと考えるだろう」


実際の戦争であれば真っ赤っかの条約違反だろうとんでもない行為だ。

だが俺は便衣兵(民間人に扮して敵勢力に紛れ込み、内側から攻撃行動を行う戦略)なども計画に盛り込んでいる。

いずれはビージアイナ人の遺伝子を持ったクローン体を送り込み、オルトス王国に対して疑心暗鬼を抱かせる攻撃を仕掛けていく予定だ。

それだけでは無い、敵勢力内を輜重隊で航行する場合、現地人に偽装した人間は恐らく有利に働くだろうからな。


「以下の理由から、俺はビルジースプライムを元帝国領の隠し拠点として、ドルドリークをホールドスターを超えた大戦略拠点として運用する」

「......畏まりました。...ありがとうございます、既に捨てたとはいえ、私とアインス...様にとっては、重要な場所ですので」

「構わない」


俺は頷く。

ツヴァイトは若干弱い理由で俺に従っているが、恩を売ったという意味ではそこそこいい結果になったな。


面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ