表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀  作者: 黴男
シーズン4-ビージアイナ侵攻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/247

097-ロマンス詐欺

「どうだ?」

「えーと....はい、美味しいです」


二日後。

俺はデーヴァを、食堂に連れてきていた。

せめて最後の日ならと、ルルとネムを外周部に避難させ、ナージャを軽くあしらって追い出して、施設の生活を体験させてやることにした。


「それにしても、いいのですか? こんなに多くの人の中で(・・・・・・・)....?」

「大丈夫だ。それに、今日はノーザン・ライツは視察に出ていていないはずだからな」


デーヴァには着ていた服や装飾品を外してもらい、今日だけ子供サイズの職員服を着せている。

そして、周囲ではオーロラのホログラムの職員が、食事をしている映像が流れている。


「それに.....よく食べるのですね」

「ああ」

「羨ましいです」

「.....そうか?」

「そんなに食べられなくて、もっと食べれば大きくなれると、よく言われるのですが」

「別に食べる事だけが重要ではない。バランスよく様々なものを食べて、休息をとり、運動すればいい」

「では、いつかのために、よく食べます」


その命も、俺が侵略の手を止めない限りはそう長くない。

心は痛むが、まあ仕方ない。

接待みたいなものだ。


「ここがトレーニングルームだな」

「広いんですね.....」

「ああ」


俺はデーヴァを誘って、暫くトレーニングコースをこなす。


「こんな事、やった事もありませんでした」

「そうなのか?」

「はい」


お嬢様のようだし、貴族云々の話であまり大きく体を動かさないのだろう。


「まあ、俺もそこまで鍛錬に勤しむわけではない」

「そうですか....」

「俺が使うのは、ここだからな」


頭を突いて見せる。

その時、奥のサウナエリアから、一人の女性が出てくる。


「アインスか」

「あっ.....司令官、何か御用事ですか?」

「特にはないが....これからトレーニング再開か?」

「イエス、サー」

「成程......デーヴァ、行こう、邪魔をしてはならない」

「はい」


俺たちは更に階を降り、普段あまり行かない場所へと向かう。


「.....ここは、何ですか?」

「ここが脱出艇のある場所だ。既に物資の積み込みは終わっている――――今すぐにでも、帰りたいか?」


俺は、デーヴァにそう問いかけた。

そもそも明日帰るという話は、ノーザン・ライツが帰還するうえでもっとも警備が絞られているタイミングという説明をしているからだ。


「.....一つ、聞いてもいいですか?」

「なんだ?」


その時。

質問を質問で返された。


「私と一緒に、帝国に行きませんか?」

「何?」

「貴方はとても、能力が高いですし....あんな非道な男に仕える理由など、ないはずです」

「..........」


いい子だ。

とても。

だからこそ、俺はこいつを騙さなければならない。

Noa-Tun連邦の真の支配者として。


「俺は、好きでノーザン・ライツに仕えているわけではない。妹を人質に取られているんだ」


悪い、流歌。

ちょっと存在を借りるぞ。


「だったら、助ければ.....」

「場所すら教えてもらっていない。だから俺は、お前を信じている」

「.....私を?」

「もし俺が死んでも、お前は俺のことを覚えていてくれるだろう?」

「そ、そんなこと.....」


彼女はしばらく俯いていたが、すぐに顔を上げた。


「お別れしても、連絡手段は確保してくださいね」

「....考えておこう」


これで、伏線を張り終わる事が出来た。

俺は内心ほくそ笑みつつ、自分の最低さを改めて嚙み締めるのだった。


面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ