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ヒューとの話し合い

「では、失礼致します。」

 そう言ってヘルマさんが部屋を出て行った。


 この世界、普通にお風呂があったし、シャワーもあった。

 パジャマはワンピースのネグリジェだけど、肌触りがいい。ただ、身長の問題なのか裾が床に着いているが、寝るだけだから気にしなくていい。


 やっと一人になった……。

 いや、一人じゃなくて精霊と私の二人だった。


 精霊のヒューとも色々話さないと……。


「ヒュー、お待たせしました。やっと二人で話せるね。改めて、よろしくね。ヒュー。」

「うん。ユーカ、こちらこそよろしく。」

「聞きたいことがあるんだけど聞いてもいい?」

「うん。なんでも聞いて。」

「あなたは精霊なのよね?」

「うん。そうだよ。ユーカが生まれた時からずっと一緒にいたんだ。向こうの世界でも見えていたでしょう?」

「うん。まぁ、光の玉にしか見えていなかったけど……。」

「まぁ、それは僕の力も弱ってたから、人型になれなかったんだ。だから、光の玉のように見えて正解なんだよ。」

「そう。もしかして、他の色の光の玉も精霊だった?」

「うん。そうだよ。向こうの世界の精霊は少なかったけど、いないわけではなかったから。」

「そう……。精霊って何が出来るの?」

「うーん。そうだなぁ……ユーカに力を貸してあげられるかな。」

「たとえばどんな?」

「うーん。僕は精霊王だから全ての属性の魔法を使うのに力を貸せるかな……。あとは、自然界でユーカが食べれる物と食べれない物を教えられるし、魔獣がユーカに近寄れないように出来るよ。」

「えっ!?ヒューって精霊王なの?」

「うん。元はこっちの世界で生まれたんだけど、アンナと一緒に別世界に渡ったんだ。それで、ユーカが生まれた時に、アンナがユーカに着いていてあげてって言ったから、ユーカのそばにいたんだ。」

「えっ!?そうなの?おばあちゃんにお願いされたの?」

「うん。まぁ、ユーカの魔力は心地いいから、アンナにお願いされなくても着いていたいとは思ったんだけどね。」

「そうなんだ。でも、魔法で力を貸すってどいうこと?」

「そうだなぁ。ユーカが魔法を使う時に少しだけ自然のエネルギーを貸してあげるってことかな。だから、魔力の消費は少なくなる感じなんだと思う。でも、これはアンナが教えてくれたことだから、僕にはちょっと説明できないかな。」

「そう。じゃあ、ヴェスおじさんかエルに聞いてみる。」

「その方がいいと思う。」

「でも、私が食べられるものを教えるって、ヒューが毎回「これ食べられるよー」って教えてくれるって事?」

「ううん。僕じゃなくて、他の皆んなが張り付いて教えてくれると思う。」

「えっ!?どういうこと?」

「うーん。これも見た方が早いんだけど、ここには食べ物がないからなぁ……。あっ、今ちょうどそこの水差しに水の精霊がいる。ユーカ見える?」


 うーん。あっ、よく見ると青色の光を纏った女の子の小人が、水差しの周りを飛んでいた。


「見えた。青色の光の小人のことね。」

「そう。今回は水だから水の精霊が飛んでいるけど、他の精霊も大丈夫なものの近くを飛んでいると思う。まぁ、わからなかったら僕に聞いてくれればいいよ。」

「わかった。頼りにしてるねヒュー。」

「うん。任せて!」

 なんか、精霊王とか言ってたけど可愛い。

「そうだ、ユーカには伝えておくけど、その指輪は必ず身に着けておいてね。その指輪が僕との契約の媒体になっているから、外すと力を貸すのが大変なんだ。まぁ、たぶん外れないと思うけど……。」

「そうなの?でも、これってヴェス伯父さんが作った異世界から転移してくるための指輪なんじゃないの?」

「そうだったんだけど、僕たち精霊と契約する時には媒体が必要なんだ。その媒体になるものは魔力が宿っている物じゃないといけないんだ。その指輪は、ユーカの血に流れる魔力を吸収していて、ユーカの魔力が豊富なんだ。だから僕はその指輪を媒体にして契約をした。そして。その媒体があることで、契約者に力を最大限貸すことが出来る。まあ、媒体が無くても全く力を貸せないわけじゃないんだけど、あった方が楽だから身に着けておいて欲しいってだけなんだけど……。」

「そうなんだ。わかった、この指輪は外さないようにするね。」

「うん。そうしてくれると助かる。」

「ヒュー、教えてくれてありがとう。」

「いいよ。僕、ユーカのこと気に入っているから、助けたいとおもったんだ。」

「そっか……。そろそろ寝ようと思うんだけど、ヒューはどうするの?」

「僕も休むよ。」

「精霊って寝るんだ。」

「寝るというより、休むかな……。ユーカの魔力が籠ってる指輪の中で休ませてもらうよ。」

「そうなんだ。」

「もし、僕に用があったら指輪に向かって声をかけてくれればいいから。」

「わかった。ありがとうヒュー。おやすみなさい。」

「うん、おやすみユーカ。」

 ヒューはそう言って、指輪に吸い込まれていった。

 それを見届けてから、私はベッドへ横になった。


「はぁー。なんか、今日はいろいろあったな。おばあちゃんが死んで、そんなに経ってないのに突然、色々と状況が変わっちゃったし……。まぁ、楽しむしかないか。やばい、独り言を言っちゃった。」


 おばあちゃんも前から言ってたけど、人生楽しまない損だよね。

 こんな、異世界に転移することなんて普通の人生だったら経験しないことだし、楽しまないとね。

 まずは、明日この屋敷の中を案内してもらって、こっちの世界の生活とかを確認しないとね。

 特に、食事……。ご飯を出してくれるだけでもありがたいけど、もうちょっと美味しいものが食べたい……。

 特にスープはもうちょっとやり方を変えれば美味しくなるはず……。

 料理は一通りおばあちゃんに仕込まれたし、趣味で料理の勉強とかもしたから食にはこだわりたい……。

 異世界ならではの食材とかもありそうだし、楽しみだな……。

 あと、魔法!私も魔法が使えるみたいだし、本当に楽しみだよ。


 よし、早く寝て、明日に備えよう!

 おやすみなさーい。

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