小人は精霊?!
すみません。読み返していて少しおかしなところがあったので、前話を少し修正しました。
「あの、本当に29歳なんです。むしろ、今年30歳になります。」
「嘘だろう……。私と3つくらいしか変わらないじゃないか……。」
エルがこっちを見てそう呟いている……。
エルは私の3つ年上か年下ってことか……。
「そうか、すまない。私の孫と背丈がそんなに変わらないから、同じくらいかと思ったのだ。」
「いえ。」
確かに、二人を見ていると身長は高そうだから、こっちの世界の人は高身長なのかも……。
私、153cmしかないから、子供に見えたのかな……。
あれ……?でも、大伯父さんの孫は13歳ってことだよね?おばあちゃんが妹なのに……。それに、おばあちゃんのお兄さんなのに、全然衰えた感じがしなくて、むしろお父さんくらいの年齢に見えるんだけど……。見た目と年齢が良くわからなくなってきたぞ……?
こっちとあっちの世界では時間の進み具合が違うってことなのかな……。
そんな事を考えていたら、目の前に小人がドアップで飛んできた!!
「うわぁ!」
突然、目の前に来たので、変な声が出てしまった。
「どうした?大丈夫か?」
「どうしたのだ?」
部屋にいるエルと大伯父さんが声をかけてくれた。
小人を目の前から右手でどかしつつ、返事をした。
「あの……さっきから小人?が目の前を飛んでいるんですけど……。」
「うん?どういうことだ?」
大伯父さんか聞いてくる。
「目が覚めた時から、目の前に光っている小人がいるんです……ほら……ここに」
小人を指さしながら聞いてみる。
「うん……?もしかして、精霊が見えるのか?」
大伯父さんが聞いてくる。
「まさか……。」
エルガードが驚いている。
「精霊……?あっ、これが精霊なのですね。ただの光の玉じゃなかったんだ……。おばあちゃんに飛んでいる光は精霊だと言われたけど。よくわからなかったから……。あれ、精霊が見えるのって、珍しいのでしたっけ?」
「あぁ、珍しい事だ。ただ、アンナも同じ力を持っていたから……。しかし、信用できるもの以外には言わない方が良い。」
「はい。わかりました。」
「それと、精霊のことだが、精霊と話すことは出来るか?」
「はい。目が覚めた時に「大丈夫?」って話しかけられましたから……。」
「そうか……。」
リーヴェスさんはそう呟いて悩むように黙ってしまった。
私はその間に精霊に話しかけてみることにした。
「あの、もしかして向こうの世界でよく見えていたのってあなた?」
「うん。やっとこっちを見てくれたね。ずっと側に居たのに話しかけても無視するし……。でも、許してあげる。僕もやっとこの姿になれたしね。」
「あれ?もしかして、向こうの世界では小人の姿になれなかったってこと?」
「うん。あっちは魔力が少なくて……。でも、ここでならこの姿でいられるよ。」
「そう……。もしかして、こっちの世界でも一緒にいてくれるってこと?」
「うん。君の側はとても心地いいからね。」
「そっか。」
「僕の名前は「ヒュー」だよ。ユーカ、よろしくね。」
「うん。よろしく、ヒュー。」
ヒューと右手の人差し指で握手したら、何故か自分が白く光った。
「まさか……。精霊と契約したのか……。」
リーヴェスさんがとても驚いた顔でこちらを見ていた。
「やはり、アンナの血を引いているのだな。精霊と契約するとは……。ますます、家で保護しなくては……。ユーカ、この世界では精霊が見えるものはとても少ない。我が家は、魔力の高い家系だが精霊が見えるものはいない。それに、精霊と契約するもは見えるものの中でも一握りだ。その者たちは国で保護されている。ユーカのことはウチで保護するつもりだが、手続きが必要だからそれが終わるまでは精霊のことは言わないようにしてくれ。」
なんか、ヤバそうな感じ……とにかく、ここは言うとおりにした方が良い気がする。
「わかりました。誰にも言いません。」
「あぁ、この屋敷ではそんなに構えることはない。この屋敷には信用できるものしかいないから。」
「はい。」
ギュルル――。
やばっ!お腹がなってしまったぁ――。
「フフッ。治療で体力も使っているしお腹が減っただろうに気が付かなくてすまない。すぐに食事の用意をさせよう。もうすぐ晩餐の時間でもあるし、もし大丈夫なら家族と一緒に食事をしないか?」
「はい。大丈夫です。よろしくお願いします。」
「では、準備がいるな。まずは、着替えるといい。手伝いの者を呼ぶから待っていなさい。」
「はい……。」
「クスッ。食堂で待っているな。」
俯いている私の頭をポンポンとしてからエルが大伯父と一緒に部屋を出ていった。
うわぁぁぁぁぁぁ――恥ずかしい――。
しばらく、羞恥で悶えていたら、コンコンとドアを叩く音がした。
「はい。どうぞ。」
「失礼いたします。」
そう言って、60代くらいの女性が部屋に入ってきた。
「はじめまして。私、ヘルマと申します。ご主人様にお世話をするように言われてまいりました。まずはお召替えをいたしましょう。それから、皆様が集まる食堂へご案内いたします。」
そう言ってお辞儀をして挨拶をしてくれた。
「えっ、あの、私はユーカと申します。ヘルマさん、よろしくお願いします。」
「ヘルマと呼び捨てでお願いします。ユーカ様。」
「えっと、年上の方を呼び捨てなんて……。それに、私に様は付けなくていいです。私のこともユーカと呼び捨てでお願いします。」
「いえ、呼び捨てで構いませんよ。もし難しいようでしたら呼びやすいように呼んでくださいまし。しかし、申し訳ございませんがユーカ様を呼び捨てにはできません。ご主人様に叱られてしまいますので、どうか、この呼び方に慣れてくださいませ。」
「えっと、はい。では、ヘルマさん、よろしくお願いします。」
「まずは、お召替えをいたしましょう。こちらへどうぞ。」
そう促されて、鏡の前のふわふわな絨毯が敷いてあるところへ案内された。
私が移動している間に、ヘルマさんはクローゼットの方に行って、服を出してきてくれた。
「こちらは、急遽用意したもので、着心地が少々悪いとは思いますが、ご容赦くださいね。」
そう言って、紺色の長袖のロングワンピースを出してきた。
裾の方に不思議な模様の刺繍がしてあって、派手過ぎずいい感じだ。
ちなみに、後ろファスナーで絶対に一人では着られない作りになっていた。
「いえ。用意していただいて助かります。着ていた服が見当たらなかったので、貸していただけるだけで十分です。ちなみに、私の服って……どうなったかわかりますか?」
着替えを手伝った貰いつつ、さっきから気になっていたことを聞いてみる事にした。
荷物は渡してもらったけど、自分の着ていた服がどこにあるのかわからなかったんだよなぁ。
「お召しになっていたお洋服は、汚れていたのでこちらでお洗濯させていただいています。まだ、乾いていないようなので、仕上がりましたらお持ちしますね。さぁ、出来ましたよ。あとは、御髪を整えますね。」
そう話ながら作業する手は止めていなかったので着付けが終わった。
まぁ、シンプルなワンピースだったしね。
最初は裾が長いかなと思ったが、ヘルマさんが上手くウエストベルトで裾上げをしてくれたので丁度よい長さになっていた。
プロはすごい!!
「靴はこちら履いていただき、あちらの鏡の前にお願いします。」
「あっ、はい。ありがとうございます。」
そう返事をして、鏡台の前に移動した。
鏡台の椅子に座ったが、椅子が高くて足がブラブラしている。
やっぱり、こっちの世界だと私の背は低いのか……。
確かにヘルマさんも170cmくらいはありそう……。
まぁ、もう身長は伸びないし、気にしてもしょうがない。
そんなことを考えていたら、ヘルマさんが櫛を持って後ろに立った。
「御髪を整えさせていただきますね。」
「お願いします。」
「どのような髪形が良いかご希望はございますか?」
「あっ、あの、お任せでもいいですか……?食事会に失礼じゃない髪形でお願いします」
「特に決まりがあるわけではないのですが、こちらでユーカ様に似合う髪形をさせていただきますね。」
「おねがいします。」
その後、ヘアセットだけでなく、軽くメイクもしてもらった。
初めて見る化粧品もあったので、色々質問していたら私の準備が終わった。
ちなみに私の支度中、ヒューは左手に嵌めてある指輪にくっ付いていた。
5㎝の小人が指(指輪)に乗ってる……。手を動かしてもいいのかな……。
指輪のある左手の人差し指を軽く動かしてみたが、小人は落っこちなかった……。
普通に指を動かしても大丈夫そうだ……。
「後でゆっくり話そうね。それまで大人しくしていてね。」
こっそりとヒューに声をかけたら、うなずいてくれた。
そういえばこの指輪、さっき指から抜けなかったな……。
でも、ちゃんと抜こうともしてないから……後で試してみよう。
「それではこれから食堂へご案内いたします。」
「はい。」
そう言われて、ヘルマさんと一緒に移動した。
食堂は一階にあるみたいで、階段を下りて行った。ちなみに、私がいた部屋は二階みたい。
廊下はシンプルだが豪華な調度品があった。
壊したら高そう……。気を付けよう……。
窓から景色を見ようと思ったが、もう暗くなっていて何も見えなかった。
ヘルマさんに食事はご家族の皆さんが揃っているのか聞いてみたら、大伯父さんの次男さん以外は揃っているみあたいだ。
ちょっと緊張するな……。
でも、大伯父さんとエルは優しかったから大丈夫かな……。
そんなことを考えていたら、食堂に着いたみたいだ。
よし、お世話になるんだから、ちゃんと挨拶しないとね。
頑張るぞー!




