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お屋敷探検 騎士団編その3

 うん。魔法は楽しい。そして、ヒューがかわいい。


「ユーカ、この人形僕に頂戴。部屋に飾っておこう。」

「うん。いいよ。」

 ヒューは土で作った自分の人形がよっぽど気に入ったらしい。

 土だから、置いたら汚れてしまいそうだな……。焼いたら陶器っぽくならないかな……。


「ヒュー、ちょっとその人形から離れて。だぶん、この土を焼いたら陶器みたいになりそうな気がするから。その方が長持ちするし。」

「陶器?よくわからないけど、離れるね。」

「うん。」


 ヒューが離れたのを見てから土人形を見る。

 たしか、陶器って高温で焼くはず……でも土が違うような気もするし……魔法はイメージって言ってたから、陶器をイメージして焼いてみよう。


 ゴォォ……。


 なんか高温すぎて青い炎になってるな……まぁ、大丈夫でしょう。


 しばらくしたら、大丈夫な気がしたので、炎で焼くのを辞めてみる。

 うん。なんか、成功したかも。

 陶器っぽく表面がツルツルした感じになった。


「ヒュー、待って!まだ熱いから!!」

 できた陶器人形にヒューが突進しようとしていたので、慌てて止めた。

「冷めたら触れるけど、急激に冷ますと割れちゃうの。だから、もう少し自然に冷めるのを待とう。」

「そうなんだ。わかったよユーカ。」

「うん。」



 ヒューとそんなやり取りをしていたら、エルがこっちにやってきた。


「ユーカ、今のはなんだ?炎が青くなっていたが……」

「あれです。あの人形を作っていたんです。まだ絶対触らないでくださいね。熱いので。」

「なんで人形なんだ?」

「魔法の練習です。水や炎で動物を作っていたので、土でも出来るかなと思って。それと、あれはヒューの人形なんです。」

「あれがヒューなのか。」

「はい。かわいいでしょ。ヒューそっくりです。」

「フフッ。初めて精霊王の姿を見たが、あんな感じなのか。かわいいな。」


 「そうでしょう。」

 エルには聞こえていないが、ヒューが自慢げにエルの前で胸を張って自慢していた。

 やっぱり、かわいい。


「それより、炎が青くなっていたが……炎は赤だろう?なぜだ?」

「えっと、炎って熱くなると青くなるんですよ。うーんと、説明が難しいんですけど……赤い色の火は不完全燃焼の状態で温度は低めなんですよ。その火に酸素を送り込んで完全燃焼させると青色の炎になって、温度が赤い火よりも高くなるんです。人形を丈夫にするのには高い温度の火で焼くといいと思ったので、高い温度の火を出して焼いてみたんです。」

「うーん。良くわからないが、青い炎の方が熱い……ルディ、わかるか?」

「いや。青い炎なんて見たことないからな……。」

「すみません。説明が下手で。」

「いや。あとで自分でも試してみるよ。」

 エルがやさしく言ってくれた。


「まぁ、あんまり高い温度の炎なんて使い道がそんなにないと思いますよ。青い炎でお肉を焼いたら黒焦げになりますし……。」

「いや。肉を焼くって……プフッ……ユーカ、炎の使い道は肉を焼くだけではないぞ。」

 ルディに笑われてしまった。

「そうですね。肉を焼く以外だと料理に使うくらいしか思い浮かばないんですけど……あっ、雑草とかを焼く焼畑とかですかね。」

「いやいや。思いつくのが料理と焼畑って……。こっちでは魔獣への攻撃に炎を使うこともあるんだよ。高温の炎なら攻撃力が増すかと思ってな。」

「なるほど。なら、炎の温度を上げるよりも、小さくして攻撃した方が良いんじゃないですか?あと、炎だと魔獣のお肉が焼けちゃうので水の方が良いと思うんですけど。」

「どういうことだ?てか、水は攻撃に使えないだろう。」

「えっ?水も攻撃に使えますよね?」

「いや、水は飲料用に水を出すだけだろう。」

 あれ?エルまで同じことを言っている。


「うーん。あっ、じゃあ見ていてもらってもいいですか。」

 そう言って土魔法で私サイズの土人形を作った。

「今からこの人形に攻撃しますね。ちょっと危ないので離れてもらってもいいですか?」

「わかった。」

「おう。」


 みんなが離れたのを確認して、自分も安全な位置に移動する。

 よし。高圧洗浄機をイメージすれば出来るはず。

 おばあちゃんが通販で高圧洗浄機を買って、使ってみた時は面白かったな。

 なかなか落ちなかった外のコンクリートの汚れとかも落ちたし。

 古い方のコンクリートは水圧に耐えられなくて、壊れちゃったところもあったし。

 あれより威力強めにしたら、魔獣だって倒せるよね。

 よし。やってみよう。


 高圧洗浄機の威力高めをイメージして土人形に当ててみる。

 

 ブオォォ――バン。


 うん。威力が強すぎた。

 長めに水を当てようかと思ったけど、土人形が一撃で壊れてしまった。

 恐る恐るエルとルディの方を見たら、目を見開いて驚いた顔をして固まっていた。

 やりすぎちゃった……まぁ、ここまでの威力とは思わなかったからしょうがない。


「おいおい、スゲーな。」

「これは……こんな攻撃が水で出来るのか。」


「あの~、こんな感じで水だって攻撃に使えますよね……。」

「あぁ。十分すぎる威力だよ。」

「えへ。ちょっとやり過ぎちゃいました。」

「ちょっとね……。」

「ユーカ、もしも魔法を使うときは事前にここで見せてくれ。君の魔法は威力が強いようだから。」

「はい。」

 

 そのあとは、エルにこちらので世界でよく使う魔法や攻撃魔法などを見せてもらった。

 ルディも火魔法が使えるらしく、火魔法と魔法を剣に纏わせて見せてくれた。

 うんうん。外で練習していた人たちよりも剣に均一に火魔法がいきわたっている感じだ。それに、維持しているときも一定だ。すごい。


 しばらくして、エルが時計を確認してそろそろ時間だといって、魔法の練習は終了した。


「ユーカ、この後は買い物だ。レナード兄上も来るようだから紹介するよ。」

「はい。」

 

すみません。事情があり毎日12時に投稿できなくなりました。

週に1~2話の更新が行えるようにしますが、何曜日と指定できなくて申し訳ありません。


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