表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/19

この国とエルの家族

 エルと食堂に行ったら誰もいなかった。

 エルに聞いたら、昼食はみなバラバラで取るようだ。

 それぞれ仕事があるので時間を合わせるのが難しいらしい。


 それはそうだよね。みんな復興に向けて動いているんだもの……。

 むしろ、エルは仕事しなくていいのかな……。


 午前中は結局のところ厨房にしか行ってない……。午後は別のところに連れて行ってもらおう。


 昼食は素材の味を生かしたスープと硬めのパンだった……。

 うん。夜のスープを楽しみにしよう。


 

 昼食を食べながら、エルにこの国のことを教えてもらった。


 この国はキュルビスティア大陸にあるクノーブバラ王国という名前らしい。

 この国は王制で、王様がいて貴族が各領地を治めているらしい。

 そして、今いるところがレッテフォート辺境伯領というところ。

 ほかにも領地がいっぱいあるが、覚えらえそうもない……。年を重ねるごとに記憶力は衰えているので許してほしい……。

 

 ちなみに、ヴェス伯父さんが辺境伯……。

 やばい……辺境伯ってたしか身分的には上の方じゃなかったっけ……やばい……身分制度なんてよくわからん……てか、辺境伯をヴェス伯父さんって呼ぶのはまずい気がする……。

 

 めっちゃ焦ってエルに聞いたが、元をたどれば私も辺境伯家に所縁のある人物だから気にしないように言われた……本当にいいのかな……てか、辺境伯家のみんながフレンドリーすぎるでしょう……。


 驚いたが、細かいことは気にしないようことした。うん。これがポジティブに生きていくために必要な力だ。


 エルも身分は気にしなくていいと言ってくれた。

 そしてエルの仕事だが、レッテフォート領の騎士団長をしているらしい。

 騎士団長って暇なの?って思ったが、私(精霊の契約者)の護衛が最優先の仕事らしい。

 私の護衛には、騎士の中でも実力があって、秘密を守れて信頼できる人でないとダメだからエルが護衛に付いてくれている。

 あとは、監視の面もあるらしい。

 エルは包み隠さず話してくれたが、そもそも全属性の魔法が使える人はほとんどいない状況なのに、全属性の精霊との契約は初めてという状況で、それが異世界から来た使い方も知らない人物となると危険だ。

 力目的でさらわれることも危険だが、もっと危険なのは私自身が使い方もわからずに力を使うことだという。

 それはそうだ。もし、魔法や精霊の使い方を間違えたら大惨事になるはず……。

 その点、エルは得意・不得意はあるが全属性の魔法が使えるので、私に力の使い方を教えられるし暴走が起こっても止められる力がある。

 だから、側に付いてくれているらしい……。ありがたや~。(合掌)


 そして、エルの家族のことも教えてくれた。

 ヴェス伯父さんも全属性の魔法が使える人らしい。この国一番の魔法使いで、この国の中でも魔獣の被害が多いこのレッテフォート領の領主を任されているとのことだ。

 そして、ウィル伯母さんもすごい人で、元々は王宮で騎士をしていたのだが、魔法は使えないけど剣の腕前はこの国の中で5本の指に入るくらい強いらしい。ヴェス伯父さんと結婚して辺境伯夫人となったが、今でも魔獣と戦って剣の腕前を落としてはいないらしい。ちなみに、今回の魔獣騒動でも前線で戦っていたとか……。

 

 すごいな……。

 

 そういえば、ヴェス伯父さんとウィル伯母さんについて気になっていた年齢についても聞いてみた。

 ヴェス伯父さんは63歳でウィル伯母さんは60歳だそうだ。

 あれ?私のおばあちゃんは85歳で亡くなったんだけど……。なんか、年齢が合わなくない?

 もしかして、日本とこの世界では時間の進み具合が違うのかも……。

 エルに私のおばあちゃんの年齢を伝えると驚いていた。

 とりあえず年齢のことはヴェス伯父さんに話しておいてくれるらしい。

 

 そして、長男のルドさんは35歳で、今は次期辺境伯として領地経営の殆どを任されているらしい。

 ヴェス伯父さんは、魔法は出来るが経営は苦手らしくて、辺境伯になった当初は現在家令をしているオティリオさんに任せていたらしい。

 そのオティリオさんは領主の仕事を自分が代わりに行うのは違うと思ったのか、ルドさんが小さいころから教育に力を入れて、次期領主であるルドさんが領地経営を行えるように育てたらしい。

 ルドさんも経営の勉強が嫌いではなかったのか、どんどんと仕事を覚えていき、成人するころにはこの領地の経営を任せられるくらいにはなっていたとか……。ちなみに、この国での成人は18歳だそう。

 成人してしばらくは家令のオティリオさんが補佐をしていたけど、現在は殆どルドさんが担っているみたい。

 まだ、レッテフォート辺境伯はヴェス伯父さんなので、領主の許可がいるものとかはヴェス伯父さんがやっているみたい……。

 ちなみに、ルドさんは魔法が使えないそうです。剣の腕も貴族のたしなみ程度とか……。ただ、戦略を練るのは得意らしく、今回の魔獣騒動では参謀として参加していたとか……ちょっと腹黒そう……。

 

 ルドさんの奥さんであるリズさんは、ウィル伯母さんと同じ騎士だったみたい。それに水と風の魔法が使えるので、剣と魔法を合わせて戦うらしい。

 今回の魔獣騒動ではウィル伯母さんの補佐として参加していたらしい。

 

 カティちゃんは、まだ子供なので戦いに参加はしていないが、ウィル伯母さんやリズさんに剣と魔法を習っているみたい。ちなみに使えるのは水魔法だけらしいが、魔力は普通の人より多いみたい……。


 この世界の女性は強いな……。


 そして、昨日は会えなかったけど、ルドさんとエルの間のお兄さんについても話してくれた。

 名前はレナードさんと言ってこのレッテフォート領で商会を経営しているらしい。

 商会の名前はエルドラード商会と言って、この領地では知らない人が居ないくらいには有名らしい。

 この領地内だけじゃなく、他の領地にも支店があり、なんでも取り扱っているらしい。

 もし、必要な物や欲しいものがあったら聞いてみるといいと言われた。


 エルの家族すごいな……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ